【追悼】Allan Holdsworth亡くなる
ギターマエストロ、Allan Holdsworthが4月16日に亡くなりました。享年70歳。
娘さんのFBによれば本当に予期できなかった突然の死去だったようで、事実4月にはロサンゼルスでライブを行っています。先日亡くなったLarry Coryellもライブの翌日に急死したとのことで、せめてもの救いは闘病の末に苦しんでというわけではなかったことに尽きます。
自分とマエストロとのリアルタイムでの最初の出会いは「U.K.」の1stですから、約40年前。その後、マエストロは経済的に苦境に陥りますが自主製作盤「I.O.U.」を機に驚異のV字回復を果たします。ちょうどギターマガジン誌がマエストロを大特集し、メジャーデビュー作「Road Games」がリリースされるタイミングで初来日が実現しました。忘れもしない1984年5月。郵便貯金ホールに駆けつけると、マエストロの一挙手一投足のすべてに注視する観客の熱気に圧倒されました。その異様な雰囲気に場内の緊張感がピークに達しようかのタイミングで、確か「Road Games」の演奏後、1人の観客が絶妙なタイミングで「あんたは上手い!」と小松政夫風関西弁で掛け声を。それで一挙に場の雰囲気が和んだことを思い出します。当日、多くのプロミュージシャンが来場したことも、Musician's Musicianと呼ばれるゆえんでしょう。翌85年の来日ライブには盟友Gordon Beckが帯同。もちろん当然のごとく中野サンプラザに駆けつけました。ただあの独特の緊張感がどうしても辛く、その後マエストロのライブに行くことはなくなりました。
晩年のマエストロは離婚問題とか経済的な問題もあって、必ずしも穏やかな老後というわけではなかったようです。例のクラウドファンディングでは、思うように新譜制作も進まず、お蔵入り音源を世の中に出すことで、お茶を濁した感がありありでしたが、それを含めてマエストロだなと勝手に納得していました。
とは言え、人生の半分以上をかけて追い続けてきたミュージシャンの死はあまりにも辛いです。まるで自分の身体の一部が失われてしまったような感覚です。正直言ってまだ受け入れる感じではないのも事実です。まさか自分のブログでこんな記事を書くことになるとは…。
あらためて合掌。
最近のコメント