KARIM ZIAD,HAMID EL KASRI / YOBADI(2010年)
Musicians●Karim Ziad(percussions),Hamid El Kasri(vocal)
Title●Yobadi(2010年)
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久しぶりにライ音楽ネタです。アルジェリア出身の打楽器奏者Karim Ziad(カリム・ジアード)とモロッコ出身の歌手Hamid El Kasri(ハミッド・エル・カスリ)による共作「Yobadi」(2010年)です。「Yobadi」とは友達という意味だそうです。Karim Ziadにとっては4枚目のアルバムで「Dawi」(2006年)以来だとか。なんだかんだ言ってKarim Ziad関連音源はすべて所有してることになります。今回初めて知ったのですが、Karim Ziadってザヴィヌル・シンジケートに参加していたのですね。不勉強でした。このアルバムはNguyen Le関連作を漁っていたところ、捕獲に至りました。先に書いてしまうと明らかにNguyen Leが参加しているとわかるのは#1「Lailahailalah」#2「Yobadi」#4「Mouwal」#7「Nekcha」#8「Khalimbara」#11「Bouyandi」の6曲ですが、ほかの曲でもシンセかプログラミングなどで参加している可能性があります。
Karim Ziad関連作の中では最も民族色が濃いこのアルバム。やはりHamid El Kasriの存在が大きいです。ボーカル中心で進行するのでよけいにそう感じるのだと思いますが、野趣あふれる濃密なボーカルとそれを支える躍動するリズム隊が生み出す独特なポリリズムはライ音楽ならでは。ちなみにライ音楽とはモロッコ、チュニジア、アルジェリアなど北アフリカの民族音楽「グナーワ」とジャズやポップスなどの西洋音楽とを融合させた音楽で、フランスが国策として保護・育成している音楽ジャンルです。「グナーワ」とは、アラブ人による黒人強制労働政策によって北アフリカに連れて来られた西アフリカ人の伝統音楽とイスラム音楽とが融合したもので、アフリカの呪術的要素とイスラム神秘主義とが混在した一種独特の音楽だとか。「グナーワ」には、gumbri(ゲンブリ)という箱型のウッドベースが多用されるのですが、Hamid El Kasriは優れたボーカリストであるとともに、このgumbriの名手だそうです。一聴してどれがgumbriの音なのかはわからないのですが、たとえば#1「Lailahailalah」のイントロで聴かれるモコモコとしたベース音はおそらくgumbriによるものだと思われます。
ちなみにgumbriはこんな楽器です。先日のヨルタモリで見かけました。
●Musicians
karim Ziad / percussions
Hamid El Kasri / vocal,gumbri
Khaled / vocal
David Aubaile / flute
Nguyen Le / guitar
Alain Debiossat / soprano sax
Vincent Mascart / alto sax
Daniel Zimmermann / trombone
Linley Marthes / bass
Machel Alibo / bass
Bojan Z / piano
Chris Jenning / drums
Scott Kinsey / piano,synthesizers
Said Ait / trombone
Amir Ali / violin
Jacques Shwarz-Bart / sax
Abdelkeir Merchane / vocal
●Numbers
1. Lailahailalah
2. Yobadi
3. Bania
4. Mouwal
5. Moulay Ahmed
6. Banouar (duo with Khaled)
7. Nekcha
8. Khalimbara
9. Aicha
10. Hajambirika
11. Bouyandi
12. Bayo
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