2021年10月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

ロックギター

2016年7月23日 (土)

Jeff Beck / Loud Hailer(2016年)

Index
Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●Loud Hailer(2016年)
■Amazonより購入


ロックギター界の現人神Jeff Beckの新譜「Loud Hailer」が届いたので聴いています。5月中旬に新譜情報がリリースされはじめすかさず予約注文をかけて無事発売日に到着しました。当初はアルバムタイトルが未定でしたが、じきにタイトルとデザインが決定してホッと安堵していました。2016年7月15日リリース。なんと御歳72歳ですって!

Jeff Beck / guitar
Carmen Vandenberg / guitar
Rosie Bones / vocals
Davide Sollazzi / drums
Giovanni Pallotti / bass

女性ボーカルRosie Bonesと女性ギタリストのCarmen Vandenbergの2人は「BONES」というバンドを組んでいて、2人をJeff Beckがエレクトリック・レディ・スタジオに招いて録音したとのこと。90年代以降の「巨匠」のライブを含めた作品には常に女性ミュージシャンの陰がつきまとうのですが、今回はなんと2人もですか!なんですが、ファンにとっては想定の範囲内ではないでしょうか。

前作「Emotion & Commotion」(2010年)はストリングスを従えて究極のメロウな世界を表現していましたが、今回はラフでラウドなロックに挑戦です。こういうのをオルタナとかガレージロックというらしいのですが、初老ぶりにすっかり磨きがかかってきた私にとっては、何のことかはよくわかりません。しかし、これは素直に格好いいロックアルバムです。女性ボーカルの声質がどうのとか音質がどうのとかギターの露出が少ないとか、ネット上ではすでに賛否両論、さまざまな意見が飛び交っていますが、確かに前作と比較してしまうとそうした否定的な意見も無理からぬ面もあるでしょう。私も1曲目を聴いた瞬間、「失敗した!」と思ってしまいました。確かに女性ボーカルを受け入れるか否かによって、このアルバムへの評価も大きく分かれると思います。でも、気をとり直して聴きかえすと、全曲とも完全にロックしているわけです。なかでもジミヘンへのオマージュとも受け取れる(まるで「Little Wing」)#5「Scared for the Children」などは、圧倒的なパワーの前にただただひれ伏すのみです。ギタリストというよりもロッカーとしてのJeff Beckという前提で臨むとわかりやすいのかも。

だいたい72歳という年齢でいまだにロックギター界の頂点に君臨しているだけでも驚異なのに、この驚くべき振れ幅とど迫力、そして尖りっぷり。ジャンルは違いますが74歳のJohn McLaughlinとともに常に我々を驚かさせてくれますね。あとは8月に70歳を迎えるAllan Holdsworthの“復活”を願うばかりです。

●Musicians
Jeff Beck / guitar
Carmen Vandenberg / guitar
Rosie Bones / vocals
Davide Sollazzi / drums
Giovanni Pallotti / bass

●Numbers
1.  The Revolution Will Be Televised
2.  Live in the Dark
3.  Pull It
4.  Thugs Club
5.  Scared for the Children
6.  Right Now
7.  Shame
8.  Edna
9.  The Ballad of the Jersey Wives
10. O.I.L.
11. Shrine

2016年1月17日 (日)

ROBIN TROWER / BEYOND THE MIST(1985年)

R0013893_1024x768
Musician●Robin Trower(guitar)
Title●Beyond The Mist(1985年)
■Amazon USAより購入


連日のRobin Trowerネタです。1985年にリリースされた「Beyond The Mist」がいつの間にかCD化されていたのでやっと入手しました。このアルバム、なかなか地味な存在でファンの間でもついつい忘れ去られているかもしれませんね。私も発売当時、アナログを入手しましたが、やはり忘れていました。

参加メンバーは以下の通り。
Robin Trower / guitar
Dave Bronze / bass,vocal
Martin Clapson / drums

長年連れ添ってきた盟友、James Dewerの名前はなく、個人的には“迷走期”と呼んでいる時期のメンバー構成です。セールス的な売れ線を狙ったのでしょうか、Trowerは80年代に入って本来のブリティッシュロック路線からアメリカ寄りのサウンドへと大きく舵を取りましたが、これがそもそもの迷走の原因。アイデンティティを見失ってしまったどころか、盟友Dewerをも失ってしまいます。このアルバムもそんな中途半端な狙いが完全に裏目に出てしまっています。

#1と#2はスタジオ録音、残りは1985年4月のライブ録音(場所などは不明)という変則構成ですが、おそらく2曲のスタジオ音源を世に送り出すためのカップリングだったのではないでしょうか。いずれにしろ、ベース兼ボーカルのDave Bronze氏による非力すぎるボーカルには終始イライラとさせられます。こういう妙に優しげなボーカルが当時の流行だったのでしょうか。何だか違うように思えるのですが。

Trowerファンにとって唯一溜飲下がるのが、ラスト#7「Bridge Of Sighs」でのギター。往年の勢いこそ感じられませんが、やはりTrowerの本質はこの曲にあるように思います。

●Musicians
Robin Trower / guitar
Dave Bronze / bass,vocal
Martin Clapson / drums

●Numbers
1     The Last Time
2     Keeping A Secret
3     The Voice
4     Beyond The Mist
5    Time Is Short
6     Back It Up
7     Bridge Of Sighs

2016年1月16日 (土)

ROBIN TROWER / ROCK GOES TO THE COLLEGE 1980(2015年)

R0013901_1024x768
Musician●Robin Trower(guitar)
Title●Rock To The College 1980(2015年)
■Amazonより購入


ここにきてBBC関連の音源や映像が“発掘”されているようですね。名物番組「Rock To The College」は1970年代後半から80年代前半にかけて放送されていた番組で文字通り大学への出張ライブを収録し放送するという内容。過去にBrufordやRolly Gallagherなどのミュージシャンの映像作品が商品化されています。BBCにはRobin Trower関連の音源が結構あるのですが、今回は1980年2月25日、イギリスは「University of London Union」でのライブを収録したもの。DVDとCDという豪華な内容ですが、そもそもTrower関連の映像作品が世の中に出回るのは、例の還暦ライブ以来ではないかと思われます。

さて、参加メンバーをば。
Robin Trower / guitar
James Dewer / vocal,bass
Bill Lordan / drums

という不動のトリオです。ただし直にこの黄金トリオは崩壊してしまい、Trowerは長い迷走期に入ってしまいます。またアルバム「Victims Of The Fury」リリース直後ということで、そのプロモーションも兼ねていたのでしょうね。映像はリストア加工が施され、CDもリマスタリングされているということですが、テレビ素材がオリジナルなので、まぁそれなりの仕上がりです。何よりも「動くTrower」を観る機会は希少なのでファンだったら入手しても損はないかな、という表現で察してください。

演奏は収録が入っているということもあってか、かなりの熱演で聴き応えがあります。ライブアルバムとしての出来映えは名作「Robin Trower Live!」とまでもいかないまでも、個人的なランク付けではかなりの上位にあたると思います。全9曲中、新曲は3曲。やはり旧作のほうがこなれているというか、演奏としてもまとまっていますね。

●Musicians
Robin Trower / guitar
James Dewer / vocal,bass
Bill Lordan / drums

●Numbers
1.  Day Of The Eagle
2.  The Ring
3.  Bridge Of Sighs
4.  Too Rolling Stoned
5.  The Shout / Hannah
6.  Daydream
7.  Victims Of The Fury
8.  Little Bit Of Sympathy

2015年12月26日 (土)

JIMI HENDRIX / FREEDOM ATLANTA POP FESTIVAL(2015年)

R0014067_1024x768
Musician●Jimi Hendrix(guitar)
Title●Freedom Atlanta Pop Festival(2015年)
■Amazonより購入


Jimi Hendrixの晩年期、1970年7月4日ジョージア州バイロンで開催されたAtlanta Pop Festivalでのライブ音源が正式リリースされました。もちろん、Atlantaの音源はこれが初出ではなく、その昔「Stages」というライブ4枚組ボックスに一部が収録されていました。今回、「Stages」に収録されなかった「Red House」「Message To Love」「All Along The Watchtower」「Freedom」「Hey Joe」の5曲が追加され、リマスター。一応、これでAtlantaに関しては音源的に“コンプリート”ということになります。

音源にしろ映像にしろ、Atlanta関連作品はウッドストックやワイト島に比べると何となく雑な扱いを受けているように感じていましたが、それは自身の体調が不調で、パフォーマンス的にもやや難があったからだと理解していました。実際、[Disc 1]を聴く限り出来としては正直いまひとつなんですよね。気合いが乗っていないというか魂が抜けているというか。長くファンを続けているとそんなことは織り込み済みでいまさら驚くことではないのですが、ジミヘンを聴いたことがない人にはお勧めできないな、というのが正直なところです。ところが[Disc 2]に移ると俄然調子が上がってきたようで、「All Along the Watchtower」「Freedom」「Foxy Lady」あたりはかなり聴き応えがあります。つられてBilly Coxもなかなかファンキーなベースを奏でています。

正直、こうした“発掘音源商法”に対して辟易としているのですが、このAlantaライブはその中でも出来映えとしては上位に位置づけてもいいのではないかと思います。なにしろ音質がいいですからね。


●Musicians
Jimi Hendrix / guitar,vocal
Mitch Mitcell / drums
Billy Cox / bass

●Numbers
[Disc 1]
1.  Fire
2.  Lover Man
3.  Spanish Castle Magic
4.  Red House
5.  Room Full of Mirrors
6.  Hear My Train a Comin'
7.  Message to Love

[Disc 2]
1.  All Along the Watchtower
2.  Freedom
3.  Foxy Lady
4.  Purple Haze
5.  Hey Joe
6.  Voodoo Child (Slight Return)
7.  Stone Free
8.  Star Spanged Banner
9.  Straight Ahead

2015年8月 5日 (水)

小川銀次さん亡くなる

Yjimage
8月2日、超絶ギタリスト、小川銀次さんが亡くなりました。享年58歳。いかにも若すぎますよね。残念でなりません。

小川銀次さんの音楽的キャリアでは必ずといっていいほど「RCサクセション」のことが語られるのですが、実際在籍したのは1年ほどなんですよね。むしろ「Crosswind」や「Inner-Wind」での活躍のほうがイメージとして強く残っています。ほかには「突然卍固め」などのコンピものでの客演ですね。個人的にはちょうど「Crosswind」(1978年)が発売された頃に、日本にもすごいギタリストがいるという噂を聞きつけて、アルバムを購入。一発で気に入ってしまい、以降、ずっと追いかけてきました。ということはファン歴37年という計算になります。

小川銀次さんというと、ギタリストとしての超絶技巧やギミック的な部分が注目されがちで、確かにそれはそれで大きな魅力だと思います。ちょうどエイドリアン・ブリューがTalking Headsに加入した時期で、テクニカルな部分でよく比較されていた記憶があります。いずれにしてもギターに少しでも触れた経験のある人ならば、いったいどうやって弾いているのだろうと関心をもったはずです。

ギタリストとして注目を集める一方、優れたソングライターとしてたくさんの名曲を残しています。名盤「そして夢の国へ」でのオープニング曲「森は不思議なおもちゃ箱」「あそこへまっしぐら」、そして雄大なイメージが広がる大作「そして夢の国へ」など、記憶に残る素晴らしい曲がどんどん浮かんできます。特にファンタジックな世界をギターで表現させたら右に出る人はいませんでした。何というかギターが歌っているというか、フレーズの端々から小川さんが描く世界が見えてくるというか。

残念でならないのが、小川さんのライブを一度も経験できなかった、このことに尽きます。「Crosswind」時代のCD4枚が再発売されたときはもちろん買いましたし、いまだに聴き込んでいない12枚組の大作「大銀醸」も買ってしまうほど熱烈なファンを自認しながら、一度も生の勇姿を見ていないことは、まさに痛恨の極みです。

合掌



2015年7月25日 (土)

JEFF BECK / LIVE+(2015年)

R0013942_1024x768
Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●Live+(2015年)
■Amazonより購入


久しぶりのJeff Beckネタです。この間「Live In Tokyo 2014」の映像作品が出たと思ったら、またしてもライブ音源の登場です。クレジットには「All live tracks recorded on the USA tour,Augast 7-31,2014」と書かれているので、来日公演後の音源ということですね。それにしても若かりし頃はライブ音源リリースに消極的だった御大が、この数年間にリリースした作品のほとんどがライブ音源という事実は隔世の感がありますね。

Jeff Beck / guitar
Jimmy Hall / vocal
Rhonda Smith / bass
Jonathan Joseph / drums
Nicolas Meier / guitar
Veronica Belline  / drums on #15,#16
Ruth Lorenzo / vocal on #15

来日公演の面子にボーカル氏が加わった形になっていますね。全16曲中、14曲がライブ音源でラスト2曲がスタジオ録音の新曲という構造です。正直、「Live In Tokyo 2014」をきちんと観ていない段階で書くのも気がひけるのですが、ライブ音源として出来映えは「Ronnie Scott's」に匹敵するのではないでしょうか。ベストテイクを揃えたとはいえ演奏も完璧。
個人的にはJohn McLaughlin作「You Know You Know」やJimi Hendrix「Little Wing」、BBA「Superstition」などを取り上げているあたりが興味深かったりするわけですが。おっと忘れてはいけない古の名曲「Morning Dew」を2曲目にもってくるあたりも心憎い演出ですよね。

とまあ、会心のライブ盤に仕上がっているのですが、あえて苦言を呈するとボーカルのJimmy Hall氏のマッチョな歌唱がどうしても個人的に肌に合わない点とライブ音源の音質が今一つという2点ですね。おっと、忘れていました。ボートラ的に“新曲”2曲が入っていますが、これって正直必要だったのでしょうか。なんだかやっつけ仕事的に急いで作って入れてみました感がプンプンと漂っているのですが。曲としての完成度以前の問題で、ひょっとして御大、久しぶりにやらかしてしまったのかもしれません。ライブが素晴らしいだけにスタジオ録音とのあまりのギャップに、いささか混乱しております(笑)

●Musicians
Jeff Beck / guitar
Jimmy Hall / vocal
Rhonda Smith / bass
Jonathan Joseph / drums
Nicolas Meier / guitar
Veronica Belline  / drums on #15,#16
Ruth Lorenzo / vocal on #15

●Numbers
1. Loaded
2. Morning Dew
3. You Know You Know
4. Why Give It Away
5. A Change Is Gonna Come
6. A Day In The Life
7. Superstition
8. Hammerhead
9. Little Wing
10.Big Block
11.Where Were You
12.Danny Boy
13.Rollin' And Tumblin'
14.Going Down
15.Tribal (New Studio Recording)
16.My Tiled White Floor (New Studio Recording)

2015年3月15日 (日)

ULI JON ROTH / SCORPIONS REVISITED(2015年)

R0013845_800x530
Musician●Uli Jon Roth(guitar)
Title●Scorpions Revisited(2015年)
■HMVより購入


「蠍団」の2代目ギタリスト、Uli仙人ことUli Jon Rothが2月に来日公演を行ったようですね。来日のタイミングに合わせたのかどうかはわかりませんが、久々に新譜がリリースされたので購入しました。タイトルからして明らかなように蠍団在籍時のセルフトリビュート的な作品です。本人によれば蠍団加入40周年を記念して作ったそうです。ライブ音源ということになっていますが、実際は無観客での一発撮りライブ音源ということです。

参加メンバーは
Uli Jon Roth / guitar,vocal
Nathan James / vocal
Jamie Little / drums
Ule W.Ritgen / bass
Niklas Turmann / guitar,vocal
Corvin Bahn / keyboards,vocal
David Klosinski / guitar

ベース奏者のUle W.Ritgenは「エレクトッリック・サン」に参加していたミュージシャンでしょうか。ギターのNiklas Turmannと鍵盤楽器Corvin Bahnは2008年来日時のメンバーのようです。

楽曲はUli仙人在籍時の「Fly To The Rainbow」(1974年)、「In Trance」(1975年)、「Virgin Killer」(1976年)、「Taken By Force」(1977年)の4枚から。当然と言えば当然ですね。個人的な好みで言えばUli仙人脱退語の蠍団にはまるで興味がなかったので、逆に脱退後の楽曲を演奏されても困ります。

これも個人的な好みなのですが、大御所的なミュージシャンが昔の楽曲を演奏するのはあまり歓迎できることではありません。その多くは大御所ならではの手抜き感というか、演奏内容は度外視の顔見せ興行的なもので終わることが多く、何回も煮え湯を飲まされてきたからです。ところがどうでしょう、ここでのUli仙人は一切の手加減なしのガチンコ勝負で、蠍団時代の数々の名曲を再現してくれています。さすがジミヘンも後継者です。まぁ、中年の懐古趣味と言えば確かにそうなのですが、10代の時に胸躍らされた名曲に新しい形で触れることは悪くないですね。特にスタジオ盤に未収録の「All Night Long」が収められてのはうれしいかぎりです。それにしても、1954年生まれのUli仙人ですが、蠍団在籍時は20歳そこそこだったのかと、あらためて驚きます。

ただあえて苦言を。無観客のライブということですが、音質はお世辞にもいいとはいえません。あとこれも個人的な好みですがボーカル氏が非力です。これが今風のボーカルなのかもしれませんが、ちょっとね…。“前任”のクラウス・マイネがあまりに偉大ということになってしまいますが。ギターやベースなどの演奏技術は長足の進歩を遂げていますが、生の肉体を使うボーカルって悲しいことにあまり進歩していないのかな、などと考えてしまいます。


ついでに蠍団時代の映像です

●Musicians
Uli Jon Roth / guitar,vocal
Nathan James / vocal
Jamie Little / drums
Ule W.Ritgen / bass
Niklas Turmann / guitar,vocal
Corvin Bahn / keyboards,vocal
David Klosinski / guitar

●Numbers
[CD 1]
1.  The Sails Of Charon
2.  Longing For Fire
3.  Crying Days
4.  Virgin Killer
5.  In Trance
6.  Sun In My Hand
7.  Yellow Raven
8.  Polar Nights
9.  Dark Lady

[CD 2]
1.  Catch Your Train
2.  Evening Wind
3.  All Night Long
4.  We'll Burn In The Sky
5.  Pictured Life
6.  Hell Cat
7.  Life's Like A River
8.  Drifting Sun
9.  Rainbow Dream Prelude
10. Fly To The Rainbow

2014年5月 3日 (土)

Jeff Beck御大「Wired」の2004年リマスター盤を聴く

R0013617_1024x768
Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●Wired(1976年)
■Amazonより購入


Jeff Beck御大の来日に刺激されて買い直した物件です。いや、手持ちのCDがかなり初期の規格だったので、どうせならもっと良好な音質で名盤を聴き直そうではないかということです。「Blow By Blow」の最新リマスター盤にも心動かされましたが、いかんせん5000円近くと高価ですし、個人的な好みは「Wired」でしょうという案配でこちらをチョイス。2004年に紙ジャケット仕様でリマスターされています。ついでに自分にとって空白に近い「Truth」と「Beck-Ola」も入手してしまいました。あれま、これでは敵の思うツボだわ…

というわけでメンバーをおさらい。
Jeff Beck / guitar
Wilbur Bascomb / bass
Max Middleton / clavinetts,fender-rhodes
Jan Hammer / synthesizers
Richard Balley / drums
Narada Michael Walden / drums

よく「Blow By Blow」と比較の対象とされる本作ですが、個人的にはむしろ同郷の先輩であるJohn McLaughlinに対する憧れと妬み嫉みとがない交ぜとなった複雑な心情を感じさせます。McLaughlin率いるMahavishnu Orchestraの登場に衝撃を受けたJeff Beckは彼に追いつくべく血の滲むような練習を積むと同時に、McLaughlin人脈への接近を試みます。それを裏づける象徴的な出来事が第1期Mahavishnuの鍵盤奏者Jan Hammerの起用であり、第2期Mahavishnuでプロデュースを務めたGeorge Martinを三顧の礼で招聘した点でしょう。Narada Michael WaldenもMahavishnu出身ですね。

結果としてギターアルバムとしては異例の大セールスをあげた本作はJeff Brckの代表作になります。McLaughlinが次第にインド志向を強めてハード系フュージョンからフェードアウトしていったことも、結果としてJeff Beckにとって状況的にラッキーだったのかもしれません。それでも、ジャズ出身でMiles Davisに見出されたMcLaughlinに対して、ロック出身のJeff Beckがぬぐい去ることのできないコンプレックスは相当深いものがあったのではないかと推測します。

●Musicians
Jeff Beck / guitar
Wilbur Bascomb / bass
Max Middleton / clavinetts,fender-rhodes
Jan Hammer / synthesizers
Richard Balley / drums
Narada Michael Walden / drums

●Numbers
1.  Led Boots
2.  Come Dancing
3.  Goodbye Pork Pie Hat
4.  Head For Backstage Pass
5.  Blue Wind
6.  Sofhie
7.  Play With Me
8.  Love Is Green

2014年4月 6日 (日)

Jeff Beck御大来日記念盤「Yosogai」

R0013602_1024x768
Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●Yosogai(2014年)
■Amazonより購入


御大Jeff Beckが来日中ですね。

いまでこそ、大物ミュージシャンの来日は珍しいことではなくなりましたし、その気になって予算さえ許せば観に行くこともできるいい時代になりました。私が中高生の頃は海外ミュージシャンが来日公演すること自体が一大イベントで、何とかその“恩恵”に預かろうとして盛んに発売されたのが「来日記念盤」という商品。記念盤だからといって何か特別な特典があるわけではなかったのですが、デカデカとしたキンアカ文字で「来日記念盤」と印刷された帯を眺めては、意味もなくにんまりとしていたのです。今回発売された「Yosogai」(予想外)にも、しっかりと「来日記念盤」と印刷されています。さすが、中高年の心理を分かっていらっしゃる。3月中旬にいきなりリリースが公になり、4月5日発売。

というわけで、参加メンバー紹介。
#1 Loaded
Jeff Beck / lead guitar
Jonathan Joseph / drums
Rhonda Smith / bass
Lizzie Ball / violin
Nick Meier / guitar

#2 Why Give It Away (feat.Sophie Delila)
Jeff Beck / lead guitar
Cassell The Beatmaker / drums
Eric Appapoulay / bass
Sophie Delila / vocal

#3 Danny Boy (feat.Imelda May) (Live At Moody Theater,Austin,TX)
Jeff Beck / lead guitar
Imelda May / vocal
Al Gare / bass
Steve Rushton / drums
Darrel Higham / guitar
Dave Priseman / trumpet

という構成です。#1#2が未発表スタジオ音源、#3が2011年の未発表ライブ音源とのこと。正直に言いまして#1に関してはあまりピンとこないというか、御大の最近の作風から考えると「あれれ?」という感が否めません。まだ煮詰まっていないというか、こなれていないというか、自分のモノになっていないというか。ギターは素晴らしいけれど、楽曲が…という御大の作品では決して珍しくないパターンに陥ってしまった感じです。Violinを除けば来日メンバーと同じ面子です。

#2はスタジオライブっぽくて、これは好みです。女性ヴォーカルSophie Delilaを前面に押し出していますが、クレジットに彼女の名前が見あたらないのは単なる印刷事故なのでしょうか。御大のギターが縦横無尽に暴れまくっています。女性ミュージシャンとの共演だと、確実に5歳は“回春”する傾向はこの曲でも顕著です。

#3「Danny Boy」はオールデイズの名曲を切々とプレイしています。ヴォーカルはご存じImelda May。ちょっとハスっぽい歌唱と曲が絶妙にマッチしていますね。それよりも何よりも、ギターソロが絶品です。十八番の泣きのフレーズをこれでもか!という案配で楽しむことができます。

プレスCDは3曲15分で1500円(税込み)でさすがに割高感を感じさせますが、配信音源は安いみたいなので、来日記念盤気分を味わいたい人はぜひ♪



●Numbers
1.  Loaded
2.  Why Give It Away (feat.Sophie Delila)
3.  Danny Boy (feat.Imelda May) (Live At Moody Theater,Austin,TX)

2014年2月16日 (日)

元々は地下音源?Jeff Beck「Live In Japan 2006」

R0013466_2
Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●Live In Japan 2006(2014年)
■Amazonより購入


近く来日が予定されているJeff Beckのライブ音源が突如リリースされました。2006年7月22日、富士スピードウエイで開催された野外フェスでのライブ音源です。ウドー音楽事務所が主催したようですね。
参加メンバーは
Jason Rebello(keyboards)
Vinne Colaiuta(drums)
Randy Hope-Taylor(bass)
という構成。Tal嬢参加前のフォーマットですが、近年のJeff BeckバンドのフォーマットではRebello&Colaiutaラインが最強なのは言うまでもありません。

セットリストを見ても分かるように「ロニー・スコッツ・ライブ」とほぼ同じで、
「People Get Ready」が入るか入らないか、「A Day In The Life」ではなくて「Over The Rainbow」にしましょうか…くらいの違いですね。しかし、なぜにいまになってこの2006年ライブ音源なのでしょうか。映像DVDも同時発売されています。このライブ音源、実は地下音源として出回っていたようで、一応オフィシャルリリースとされていながら地下音源の焼き直しである可能性が大です。つまり、音質も海賊盤としては極めて良好であるけれど、正規盤としては今ひとつどころか二つ…というレベルなのです。特に前半部分は聴くにはちょっと厳しいかもしれません。

まさか、来日というタイミングで人気に当て込んだ「どさくさ紛れ商法」ではないでしょうね。とは言っても演奏自体は「ロニー・スコッツ・ライブ」並みに素晴らしいので、ファンならば聴いても損した気分にはならないと思います。特にあまりに美しい#14「Over The Rainbow」は必聴です。実は映像DVDも入手していますが、レポートはあらためて後日ということで…。

●Musicias
Jeff Beck / guitar
Jason Rebello / keyboards
Vinne Colaiuta / drums
Randy Hope-Taylor / bass

●Numbers
1.  Beck's Bolero
2.  Stratus
3.  You Never Know
4.  Cause We've Ended As Lovers
5.  Behind The Veil
6.  Nadia
7.  Angel (Footsteps)
8.  Scatterbrain
9.  Big Block
10. Star Cycle
11. People Get Ready
12. Goodbye Pork Pie Hat/Brush With The Blues
13. Blue Wind
14. Over The Rainbow

より以前の記事一覧

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

いろいろ検索

  • Tower Records検索
  • HMV検索
    HMV検索
    検索する
  • iTunes検索
無料ブログはココログ