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ジャズ・フュージョン

2016年9月18日 (日)

Tree / Love & Logic(1999年)

Index
Musician●Tree
Title●Love & Logic(1999年)
■Gemm.comより購入


時たまアップするオージージャズレビューです。Steve Hunter(bass)、David Jones(drums)、Kevin Hunt(keyboards)の3人によるピアノトリオ「Tree」2枚目の作品です。1999年、豪州の国勢放送ABCよりリリース。オージージャズってこのABC発信が実に多く、いわば国策としてジャズ文化を支えているのでしょうね。羨ましい限りです。

上記3人に加えて、
James Muller / guitar
Andrew Robson / sax
というこれまたオージージャズ作品の常連がゲスト参加しています。まぁ、狙いはギターのJames Mullerだったりするわけですが。冒頭でピアノトリオと書きましたが、それはあくまでも構成のうえでの話でいわゆる一つのピアノトリオ的なサウンドではありません。実際はハードフュージョン系の楽曲が中心で、当欄にとってはドンズバ作品です♪

件のJames Mullerは2曲に参加しています。#4「Beat Your Wings」では火の出るようなロックタッチのギターがこれまた素晴らしい出来映えです。かなり硬質でありながらカラッとしたサウンドがオージージャズの持ち味なのですが、Mullerのギターはまさにドンピシャとハマっています。Steve Hunterってジャコパスの影響をかなり受けているのですね。これは新発見です。もう1曲の参加曲#7「Buenos Air」はオージーにしては珍しくNYCタッチのダークな曲。曲途中でのMullerの切々と訴えかけるかのようなソロも新鮮です。でも決してウェットに流されずにドライに決めるのもオージージャズの魅力なんですよね。

●Musicians
Steve Hunter / bass
David Jones / drums
Kevin Hunt / keyboards

Guest Musicians
James Muller / guitar
Andrew Robson / sax
 
●Numbers
1.  Love And Logic
2.  Tree River
3.  The Outernet
4.  Beat Your Wings
5.  Village Dawn
6.  Shrub
7.  Buenos Air
8.  Springs
9.  Earth And Sky
10. Tree River To...

2016年9月 4日 (日)

Billy Childs / I've Known Rivers(1995年)

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Musician●Billy Childs(piano,synthesizers)
Title●I've Known Rivers(1995年)
■Amazonより購入


鍵盤楽器奏者、Billy Childsの「I've Known Rivers」をご紹介します。ジャズフュージョン界でのBilly Childsの位置づけはよく分からないのですが、J・J・ジョンソンやフレディ・ハバード、チック・コリアなどとの共演歴があるそうです。聴く限りではやはりチック・コリアから大きな影響を受けているようです。いままでWindham HillやStretchから数枚のリーダー作を出しているようですが、今ではどれも入手困難なアイテムばかりのようです。

Billy Childs / piano,fender rhodes,synthesizers
Bob Sheppard / soprano sax,flute,clarinet,bass clarinet
Jimmy Johnson / bass
Michael Baker / drums
Scott Henderson / guitar on #5,#7
Peter Sprague / acoustic guitar
Anthony Marinelli / programming
Dianne Reeves / vocal on #9
Carol Robbins / harp
Richard Todd / french horn

さりげなくDianne Reevesが参加してして吃驚させられますが、当欄の目当てはもちろんギターのScott Hendersonであります。

作品としては大変良質なジャズフュージョンサウンドという感じで、実にアダルティな雰囲気を全曲で醸し出しています。お目当てのスコヘンは9曲中、2曲に参加していますが、これが実に素晴らしい出来映えです。Billy Childsはスコヘン参加曲になるとピアノではなく、フェンダーローデスにチェンジして、楽曲も俄然チック・コリア色が濃厚になります。まるでエレクトリックバンドを聴いているような錯覚すら覚えます。これ、かなり恰好いいです。スコヘンは相変わらず唯我独尊的に弾き倒してくれています。どうやらこの盤、入手困難ということもあって存在自体があまり知られていないようですが、スコヘンファンの方はぜひ聴いていただきたい名盤です。スコヘン不参加の曲も悪くはないのですが、どうも印象が薄いので割愛させていただきます。

●Musicians
Billy Childs / piano,fender rhodes,synthesizers
Bob Sheppard / soprano sax,flute,clarinet,bass clarinet
Jimmy Johnson / bass
Michael Baker / drums
Scott Henderson / guitar on #5,#7
Peter Sprague / acoustic guitar
Anthony Marinelli / programming
Dianne Reeves / vocal on #9
Carol Robbins / harp
Richard Todd / french horn

●Numbers
1.  I've Known Rivers(poem)
2.  I've Known Rivers(song)
3.  The Starry Night
4.  Lament
5.  The Way of the New World
6.  This Moment
7.  Realism
8.  Somewhere I Have Never Travelled
9.  Siren Serenade

2016年8月11日 (木)

Gust William Tsilis / Heritage(1992年)

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Musician●Gust Williams Tsilis(vibes,marimba)
Title●Heritage(1992年)
■ディスクユニオンで購入


長期追尾物件、John Abercrombie関連音源のご紹介です。ECM以外のレーベルでの客演作となるとプロフィルデータとして上がってこないケースも多く、そこまでコンプリートしようと思うとかなり大変なことになってしまいます。この音源は某ショップで漁盤中に偶然釣り上げたものです。

Gust William Tsilisという初めてお耳にかかるヴィブラフォン&マリンバ奏者のリーダー作なのですが、お目当てのJohn Abercrombieをはじめ、かなりの豪華メンバーなのです。「Ken Music」というレーベルから1991年リリース。

Gust William Tsilis / vibes,marimba
Arthur Blythe / alto sax
Mark Feldman / violin
John Abercrombie / guitar
Anthony Cox / bass
Terri Lynn Carrington / drums

当人のGust William Tsilisとサックス奏者のArthur Blytheを除けばかなりのビッグネームばかりではないですか。Mark Feldmanと言えばECM諸作品での共演が多数ですし、この厳つい面子のなかにTerri Lynn姉さんが入っていることも驚きです。

中身というと、ECMではあり得ないビバップ中心のストレートなジャズアルバムに仕上げっています。Gust Williams Tsilis自身はゲイリー・バートンの影響を受けているそうですが、そりゃヴィブラフォンに関わるミュージシャンは多かれ少なかれバートンは避けて通れませんよね。

お目当てのAbercrombieはECMの呪縛から逃れ、実に伸び伸びとしたジャズギターを披露しています。お得意のウネウネフレーズをほぼ封印し、ストレートなプレイに終始しています。「たまにはこういうギターも弾きたくなるんだよね」という心境なのでしょう。Mark Feldmanは#1「Fee-Fi-Fo-Fum」の1曲のみに参加。純正ジャズに果敢に挑んだTerri Lynn姉さんですが、手数の多さがちょっと浮き気味ですが頑張っています。

●Musicians
Gust William Tsilis / vibes,marimba
Arthur Blythe / alto sax
Mark Feldman / violin
John Abercrombie / guitar
Anthony Cox / bass
Terri Lynn Carrington / drums

●Numbers
1.  Fee-Fi-Fo-Fum
2.  Sweet Dulcinea
3.  Minor League
4.  Where Are You?
5.  Mr.Syms
6.  Skylark
7.  You Don't Know What Love Is
8.  The Moon And You
9.  Beautiful Love
10. Improvalostic

2016年7月17日 (日)

Huong Thanh / Fragile Beauty(2007年)

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Musician●Huong Thanh(vocal)
Title●Fragile Beauty(2007年)
■Amazonより購入


ベトナム出身でフランスに拠点を置いて活動するHuong Thanhの4枚目のリーダー作です。2007年、ACTよりリリース。同じくベトナム系フランス人ギタリストNguyen Le(グエン・レ)との共演作という扱いになっています。Nguyen LeはHuong Thanhのほとんどのアルバムに参加していると思います。プロデュースもNguyen Leが担当しています。

Huong Thanh / vocal
Nguyen Le / guitar,synthesizers
Mieko Miyazaki / koto
Paolo Fresu / trumpet,flugelhorn
Stephane Guillaume / soprano sax,flute
Renaud Garcia-Fons / bass
Etienne Mbappe / bass
Alex Tran / percussions
Fancis Lassus / percussions
Illya Amar / tung
Dominique Borker / piano
etc.

ほかにもベトナム系と思しきミュージシャンがバックコーラスやベトナムの民族楽器で参加していますが、割愛させていただきました。Mieko Miyazakiは宮崎恵美子さんのことでもちろん日本人琴奏者で、Nguyen Leの「Saiyuki」(2009年)にも参加しています。Stephane Guillaume、Paolo FresuやIllya AmarはACTレーベルの常連で、現代欧州ジャズの重要人物ですね。

ACTレーベルはボーダーレスなワールドミュージックの創出という明確なコンセプトがあるのですが、このアルバムなどはまさにその典型ではないでしょうか。欧州ジャズ、ライ音楽、ベトナムや北アフリカの民族音楽、そして雅楽と東西の音楽が見事に融合し、そして有機的に機能しています。確かにNguyen Leの手腕による部分が大きいのですが、何といってもこのアルバムの最大の魅力は、Huong Thanhの可憐すぎるボーカルに尽きると思います。とにかく可愛い。

Nguyen Leはプロデューサーという立場上、バックに徹しているのでこの作品ではあまり出番はありませんが、それでもところどころで独特の癖の強いソロを聴かせています。特に#7「Rowing The Sampan」ではベトナム風のフレーズなどは一聴の価値ありです。

●Musicians
Huong Thanh / vocal
Nguyen Le / guitar,synthesizers
Mieko Miyazaki / koto
Paolo Fresu / trumpet,flugelhorn
Stephane Guillaume / soprano sax,flute
Renaud Garcia-Fons / bass
Etienne Mbappe / bass
Alex Tran / percussions
Fancis Lassus / percussions
Illya Amar / tung
Dominique Borker / piano
etc.

●Numbers
1.  Drifting On The Water
2.  Weaving & Awaiting
3.  Faithfulness
4.  Plantation Song
5.  The Five Calls Of The Night
6.  Fragile Beauty
7.  Rowing The Sampan
8.  The Pavillon Of Crystallized Azure
9.  At Dusk, From The West Balcony
10. Go Cong Blues
11. The Swallow's Bridge
12. Tales Of The Mountain

2016年5月21日 (土)

Gary Willis / Bent(1998年)

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Musician●Gary Willis(bass)
Title●Bent(1998年)
■Amazonより購入


Scott Hendersonとの双頭バンド「Tribal Tech」などで活躍していた超絶ベース奏者Gary Willisの2ndリーダー作です。1998年リリース。Gary Willisのリーダー作は「Actual Fiction」(2007年)は聴いたことがあるのですが、ちょっと(というかかなり)期待外れだったので恐る恐るという感じで購入しました。このアルバム、けっこう入手困難みたいですが、運良く中古が廉価で出品されていてラッキーでしたね。

Gary Willis / bass
Scott Kinsey / keyboards
Dennis Chambers / drums on #1-#3,#5-#7,#9,#11
Kirk Covington / drums
Steve Tavaglione / soprano sax
Bob Berg / tenor sax

おお、ハードフュージョン界のビッグネームが綺羅星のごとく並んでいます。「Tribal Tech」時代の盟友Kirk CovingtonとScott Kinseyの参加はとどのつまりScott Henderson抜きの「Tribal Tech」ではないかと期待してしまいます。

聴いてみるとまさに期待通りのハードフュージョン。「Tribal Tech」ほどの異常なまでの緊張感はないものの、変拍子を交えたハードボイルドでテクニカルなプレイが楽しめます。完全に「Tribal Tech」を意識した楽曲からダンサブルなものまで多彩です。スコヘンと一緒だったらおそらくOKが出なかったであろう楽曲も。

Bob BergとScott Kinseyとのスピード感あふれるユニゾンが心地良い#2、後期「Tribal Tech」を彷彿とさせる#5、地鳴りのようなWillisのプレイが強烈な#9あたりが個人的な好みです。

●Musicians
Gary Willis / bass
Scott Kinsey / keyboards
Dennis Chambers / drums on #1-#3,#5-#7,#9,#11
Kirk Covington / drums
Steve Tavaglione / soprano sax
Bob Berg / tenor sax

●Numbers
1.  Hipmotize
2.  Armageddon Blues
3.  Bent
4.  It's Only Music
5.  Do The Math
6.  Bowlegged
7.  Cadillac
8.  Everything's Cool
9.  Big Time
10. Before Your Eyes
11. Emancipation

2016年5月15日 (日)

Alex Argento / EGO(2007年)

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Musician●Alex Argento(keyboards)

Title●EGO(2007年)

■Abstract Logixより購入

これは発売当初に確保しておいた物件だったと思われます。なかなか表舞台に立つことが少ないイタリアン・ハード系フュージョン関連になります。鍵盤楽器奏者のAlex Argentoのソロ第1弾「EGO」ですね。2007年リリース。確か“イタリアのGreg Howe”の異名をもつギタリストAlessandro Benvenutiの参加作品を探っていたところ、引っかかってきたという流れだったと思います。Alex Argentoは2007年、ジョーダン・ルーデスが主催するところのキーボーディストコンテストでグランプリを勝ち取った実力の持ち主だそうで、このアルバムは優勝のご褒美的な意味合いがあるのかも。そう言えばその昔、テレビで10週連続勝ち抜きすると、レコード会社と契約を結び、デビューする権利が与えられるという番組があったな~なんて思い出しました。確か司会は萩本欽一で第2回優勝者は五木ひろしでした。

Alex Argento / keyboard
Marco Sfogli / guitar
Stefano Ruscica / drums
Fabrizio Leo / guitar
Alessandro Benvenuti / guitar
Vittorio Falanga / guitar
Jon Reshard / bass
Andrea Casali bass
Ezio Citelli / vocal

という構成になっています。基本はAlex ArgentoとMarco Sfogli(guitar)、Stefano Ruscica(drums)の3人が中心で、ほかのミュージシャンが状況に応じて参加するというパターンです。当初のお目当てはAlessandro Benvenutiでしたが、Fabrizio Leoもリーダー作を1枚所有していますし、Virgil Donatiのリーダー作「In This Life」(2013年)にはArgentoのほかにギターのMarco Sfogliが一緒に参加しています。もちろん世間的にはかなりマイナーですが、個人的には割と馴染みのある面々であります。

さて音のほうはというと、期待を裏切らないハード系フュージョン。変拍子を多用したゴリゴリのサウンドは、「これってPlanet Xじゃないの?」と思ってしまうほどドストライクな内容になっています。そんな意味でArgentoはルーデスよりもシェリニアンに近いというか、モロに彼のフォロワーという感じです。そう言えばArgentoがMarco Sfogliがサポートメンバーとして参加したVirgil DonatiのアルバムもモロにPlanet Xっぽい内容でした。イタリア人ってこういう傾向の音楽が好きなのかしら。硬派で無骨なハード系フュージョンが好きな人にはお勧めの盤です♪

●Musicians
Alex Argento / keyboard
Marco Sfogli / guitar
Stefano Ruscica / drums
Fabrizio Leo / guitar
Alessandro Benvenuti / guitar
Vittorio Falanga / guitar
Jon Reshard / bass
Andrea Casali bass
Ezio Citelli / vocal

●Numbers
1.  Moving Around "E"
2.  Brainsick
3.  Synchronal Steps
4.  Mr.Shuffle's Land
5.  Metal Detector
6.  Embrace to the World
7.  Genius
8.  Time Warning
9.  Vibrations
10. Groovus in Fabula

2016年5月 7日 (土)

Into The Night / Into The Night(2016年)

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Musician●Into The Night
Title●Into The Night(2016年)
■Amazonより購入


“手数王”菅沼孝三さんが京都を拠点に活動する磯部兄弟による変態フュージョンユニット「Into The Night」と組み、「Into The Night」名義としてリリースした1stです。2016年リリース。

磯部寛樹 / guitar
磯部直樹 / bass
菅沼孝三 / drums
磯部太美枝 / keyboards

磯部寛樹さん(guitar)がお兄さんで直樹さん(bass)が弟さんですね。クレジットに明記されていないのですが鍵盤の磯部太美枝さんもご親族なのでしょうか。写真を見る限りみなさんお若いようです。磯部寛樹さんはフュージョン系ギタリストが好きなようで、スタイルとしてはAllan Holdsworthあたりを意識しているようですね。ただ、実際に聴いてみるとフュージョン一辺倒ではなく、ポップ、ラテン、メタルなどの様々な音楽的要素を貪欲に盛り込んできています。師匠格「Fragile」っぽい曲も何曲か。イングヴェイを意識したかのようなネオクラ的な楽曲も用意されています。む、む。若いのにやりおるな。

ただ、デビューアルバムということでかなり気負いもあったのでしょうか。さまざまな要素を盛り込んだがゆえに、かえってユニットとしての個性が伝わりづらくなってしまった感もあります。あとあえて苦言を呈すと音質的にも少し難があります。もう少しなんとかならなかったのでしょうか。音割れしてしまうのはさすがに困ります。

この手の音楽ジャンルは圧倒的に若手が不足しているので、うまい具合に成長していってほしいと願うあまり、やや辛口のレビューになってしまいました。次作は「これぞInto The Nightだ!」という強烈な個性が感じられることを願いつつ、温かく見守っていきたいと思います。先日、東京でもリリース記念ライブがあったそうで、アルバムだけでなくライブも機会があれば見てみたいです。

●Musicians
磯部寛樹 / guitar
磯部直樹 / bass
菅沼孝三 / drums
磯部太美枝 / keyboards

●Numbers
1.  Release into the universe
2.  Red scarf
3.  Sleeps
4.  Steps
5.  E etude
6.  Komorebi
7.  Seasonal rainfall
8.  The Buddha

2016年4月30日 (土)

Chingari / Bombay Makossa(2014年)

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Musician●Bombay Makossa
Title●Chingari(2014年)
■Amazonより購入


「リメンバー・シャクティ」に参加していたエレクトリック・マンドリン奏者U.Shrinivas、John McLaughlin率いる「4th Demension」のカメルーンの怪物ベース奏者Etienne Mbappe、インドが誇る手数王Ranjit Barot3名によるトリオユニット「Chingari」(「炎」という意味だそうです)の1stです。2014年、Abstract Logixよりリリース。

要はMcLaughlinの子飼いミュージシャンによる派生的ユニットなんですが、U.Shrinivasが繰り出す超絶技巧と重量級リズム隊との壮絶なバトルはやはり聴き応えがあります。Etienne MbappeとRanjit Barotがいくぶんリラックスしてプレイしているように感じられるのは、McLaughlin師匠不在という気楽な状況もありますが、南インド風の基本はまったり感が漂う楽曲が中心になっているからだと思います。

インド音楽が苦手な人にとってはなかなか敷居が高い作品だと思われますが、私はなにを隠そう小学生時分からインド音楽好きときています。おまけに昨年末に来日ライブを堪能した「4th Demension」の濃厚なメンツといい、果てしない超絶技巧といい、インディアンハードフュージョン好き(?)には強力推奨したいアルバムに仕上がっています。

●Musicians
Ranjit Barot / drums,wavedrum,vocals
U.Srinivas / electric mandolin
Etienne Mbappe / bass,vocals.

●Numbers
1.  Pack Up Your Bags
2.  Sona Inon
3.  Fireflight
4.  Longue Lami
5.  Tempest
6.  Third World
7.  Bombay Makossa

2015年8月30日 (日)

「E.G.Q.」の第2弾「E.G.Q.II」を再聴

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Musician●Electric Guitar Quartet
Title●E.G.Q.II(2000年)
■Amazonより購入


日本を代表する実力派ギタリスト、西畑勝さん、栗原務さん、法田勇虫さん、堀沢俊樹さんの4人による「Electric Guitar Quartet」(E.G.Q.)によるコンピアルバムの第2弾です。第1弾のレビューはこちら

参加メンバーは4人のほかに
上間勝吉 / bass on #2,#6,#12
秋谷えりこ / keyboards on #8
後藤眞和 / bass on #3,#4,#7,#8,#10,#11
梅垣ルナ / keyboards on #3,#7,#10
今泉正義 / drums on #2,#3,#4,#6,#7,#8,#11,#12
一ノ瀬久 / drums on #10
幡田しげみ / keyboards on #4
伊藤麻子 / arrangement on #4
田久保誓一 / synthesizers on #4,#8
Nigel Verbeek / voice on #12
仲門ウィリー / voice on #12

ここでも「Lu7」の栗原さんと梅垣さんを中心にレポートしましょう。

#3  Purple Eyes
梅垣さんの提供曲です。メロウな感じのフュージョンです。栗原さんのギターも泣きながらそれに応えています。

#7  D.A.D
栗原さんの曲です。鍵盤とアレンジに梅垣さんの名前が見られます。そのまま「Lu7」の1st、に収録されても不思議ではないほど、栗原節、梅垣節のてんこ盛りです。途中から始まる梅垣さんの鍵盤は少しばかりマックス・ミドルトン風なのはこれも私の気のせいでしょうか。終盤のギター弾きまくり状態は一聴の価値十分。

#10  In The Rough
ベースの後藤眞和さんの提供曲。アレンジに栗原さんと梅垣さん。梅垣さんは鍵盤でも参加しています。個人的にはアルバム中、もっとも好きな曲です。Jeff BeckのWiredを思わせる格好いいイントロから始まり、激しい転調と変拍子の嵐。ハードフュージョンサウンドがこれでもかという案配で炸裂します。途中で聴こえる梅垣さんの鍵盤にも注目です。

●Musicians
西畑勝 / guitar
栗原務 / guitar
法田勇虫 / guitar
堀沢俊樹 / guitar
上間勝吉 / bass on #2,#6,#12
秋谷えりこ / keyboards on #8
後藤眞和 / bass on #3,#4,#7,#8,#10,#11
梅垣ルナ / keyboards on #3,#7,#10
今泉正義 / drums on #2,#3,#4,#6,#7,#8,#11,#12
一ノ瀬久 / drums on #10
幡田しげみ / keyboards on #4
伊藤麻子 / arrangement on #4
田久保誓一 / synthesizers on #4,#8
Nigel Verbeek / voice on #12
仲門ウィリー / voice on #12

●Numbers
1.  Overtune
2.  Steel Kat
3.  Purple Eyes
4.  Jupiter 10    
5.  Zigeunerweisen
6.  38.3℃
7.  D.A.D.
8.  Russle St.
9.  Hoedown(Taken from Rodeo)
10. In The Rough
11. Why?
12. Still Have Dreams
13. Air(BWV1068)

2015年8月16日 (日)

難波弘之 / 飛行船の上のシンセサイザー弾き(1982年)

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Musician●難波弘之(synthsizers)
Title●飛行船の上のシンセサイザー弾き(1982年)
■Amazonより購入


先日亡くなった小川銀次さん客演アルバムです。難波弘之さん関連音源も実は“食わず嫌い物件”でして、確かまともに聴いたのは「Mr.Sirius」のライブアルバムくらいではないかと思われます。恥ずかしながらこのアルバムの存在も小川さんが亡くなったことで初めて知った次第です。

1982年発売のこのアルバムは「ストレンジ・デイズ誌」による企画なのですが、単なる企画ものと侮るなかれ。ライナーには亡き小松左京さんの寄稿や山下達郎さんの推薦文が掲載されるという豪華絢爛ぶり。日本の音楽業界も出版業界も元気があった時代なのですね。

難波弘之 / keyboards,vocal,marinba
田辺モット / bass
そうる透 / drums

この3人を中心にして
佐久間正英 / synthsizers on #5,guitar on #4,#5
北島健二 / guitar on #6,#7
小川銀次 / guitar on #2,#8
小川昭夫 / guitar on #2
椎名和夫 / synthesizers on #9
山下達郎 / cowbell on #9,marching symbells on #7

あれま、これはとんでもない豪華メンバーではないですか!山下達郎さんに一切歌わせないという贅沢さは今では考えられませんよね。今は亡き佐久間正英さん、実は私が通った高校の先輩・北島健二さんの名前も。難波さんと小川さんの接点はよくわかりませんが、「Cross Wind」時代の盟友、そうる透さんが仲立ちしたのでしょうか。

小川さんは2曲に参加していますが、特に#8「ソラー・ラブ」で聴ける圧巻のソロは一聴の価値あり。イントロでギターが「ジャーン!」と鳴るだけで、一瞬にして「あっ、小川さんだ」とわかります。これだけ個性的で不世出のギタリストは二度と現れないでしょうね。あらためて合掌。

●Numbers
1.  鵬
2.  宇宙船モルト号
3.  ホスピタル
4.  トロピカル万国博
5.  空中の音楽
6.  メッセージ
7.  百家争鳴
8.  ソラー・ラブ
9.  永遠へのパスポート
10. Who Done It? (part1)
11. Who Done It? (part2)

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