2021年10月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

プログレギター

2016年5月 5日 (木)

Scott McGill / Third Transmission(2014年)

A0490499340_16
Musician●Scott McGill(guitar,guitar-synthesizers)
Title●Third Transmission(2014年)
■HMVより購入


北米で活躍するプログレ系ギタリスト、Scott McGillが中心になって構成している「Trio From Hell」が送り出す3枚目のアルバム「Third Transmission」を入手しました。2014年リリース。何と「ベルアンティーク」からの国内発売です。Scott McGill関連音源が国内発売されたのは彼の初期作品「Hand Farm」以来ではないかと思われます。

Scott McGill / guitar,guitar-synthesizers
Percy Jones / bass
Ritche DeCarlo / drums,percussions,synthesizers,theremin

といういつものメンバーに加えてChris Bacasというサックス奏者が1曲のみ参加しています。。このユニットの2枚看板であるScott McGillとPercy Jonesとの出会いは、McGillとRitche DeCarloが中心になって制作した「Freak Zoid」(2007年)が最初で、以来、コンスタントに作品を送り出しています。ところがこの手の音楽の常で、契約レーベルがなかなか見つからず、ミキシングやCDパッケージのコストを確保するために、ネットで資金を調達し、やっと世に出た次第だとか(ライナーによる)。そりゃ、この手の音楽にセールス的な要素を求めること自体が無理な話です。

Scott McGillはデビュー当時「ポストHoldsworth」的な扱いを受けていましたが、もう完全に独自の世界観を築き上げています。彼のギターは一言で言ってしまえば、気持ち悪くて難解。そこに元祖変態フレットレスのPercy Jonesが入ることによって、ただただわかりづらく気持ち悪い音楽が出来上がっています。特に#8「New A.M.Cats」の異常なまでの変態ぶりは悶絶もの。それよりも何よりも、「Brand X」時代から起算すると40年近くも変態ベースを追究しているPercy Jonesからはギネス級の驚きしか感じられません

●Musicians
Scott McGill / guitar,guitar-synthesizers
Percy Jones / bass
Ritche DeCarlo / drums,percussions,synthesizers,theremin
Chris Bacas / sax on #6

●Numbers
1.  Dark Disciple
2.  Yo Cath!
3.  Wrights All Wrong
4.  Sossusvlei Spider Race
5.  David Coppa Feel
6.  Twirling Unveiling (featuring Chris Bacas)
7.  Yellow 80,Yellow 80
8.  New A.M.Cats
9.  Dark Disciple Departs

2015年2月28日 (土)

SCOTT McGILL / SYMPTOM IMPERATIVE(2009年)

R0013840_800x600
Musician●Scott McGill(guitar)
Title●Symptom Imperative(2009年)
■Amazon USAより購入


北米出身のテクニカル系ギタリスト、 Scott McGill(スコット・マクギル)による2009年リリース作品です。

参加メンバーは
Scott McGill / guitars,iguitar synth,Roland GR-33,Fretless guitar,Krappy 2 string guitar
Ritchie DeCarlo / drums,battery2 softsynth percussion,chapman stick
Kjell Benner / bass on #5
Mike Ian / drums on #9

当時、McGillが中心となって結成したユニット「Freak Zoid」メンバーであるRitchie DeCarlo(drums)とKjell Benner(bass)の名前が見られますが、Kjell Bennerは1曲のみ参加なので、ほとんどMcGillとDeGarloの2人による共作だと言えるでしょう。

McGillの諸作品は難解でダークな感じの曲が多くて、かなり聴く人を選ぶのですが、このアルバムは比較的とっつきやすい楽曲が多いですね。「Freak Zoid」(2007年)やBrand XのPercy Jonesが参加した「2010 Uniblab Recording」(2010年)での救いがたい難解さに比べたらかなり聴きやすいアルバムです。とは言っても、McGillのギターは相変わらずダークで、およそ商業的な要素とはまったく無縁。常に不安感を煽るような不穏な雰囲気を醸し出しています。とっつきやすいと感じるのはアコギを使った楽曲が比較的多く、なかにはジャズ的なアプローチを狙った曲があるからなのかもしれません。

エレキを使ったMcGillにしては珍しくストレートなアルバムタイトル曲、#2「Symptom Imperative」がお勧めです。それにしてもMcGill関連作品はほとんどが日本未発売なので、入手はかなり困難なのが残念です。米国密林から仕入れることが多いのですが、セコハンだと国内取引に限定されるケースも多いので、ご縁があったら…

●Musicians
Scott McGill / guitars,iguitar synth,Roland GR-33,Fretless guitar,Krappy 2 string guitar
Ritchie DeCarlo / drums,battery2 softsynth percussion,chapman stick
Kjell Benner / bass on #5
Mike Ian / drums on #9

●Numbers
1.  Arriving At Silence
2.  Symptom Imperative
3.  Aura Of Conflict
4.  Look Within
5.  Contact With Reality
6.  Beginners’Mind
7.  Bamboo Acrobats
8.  Passacaglia
9.  Don't Just Do Something,Stand There
10. Wakefulness

2011年10月30日 (日)

陰鬱系Holdsworthy、Scott McGillの2nd「RIPE」

R0010868
Musician●Scott McGill(guitar)
Title●Ripe(1999年)
■Amazonより購入


アメリカ出身のHoldsworthy、Scott McGill(スコット・マクギル)が率いるユニット「Hand Farm」による2ndです。1999年リリース。参加メンバーはChico Huff(bass)、Vic Stevens(drums)、Demetrios Pappas(keyboards)という構成。打楽器のVic Stevensはゴングジラ人脈ですね。自主制作盤だった1stも所有しているのですが、例によって行方がしれない状態なので時期がきたらレポートさせていただきます。

このCDには珍しく帯がついていて影響を受けたミュージシャンとしてBill ConnorsとAllan Holdsworthの名前が挙がっています。まあ、1980年代のBill Connorsは「Holdsworthy第1号」として名を馳せた(?)わけですから実質「ガチンコ系Holdsworthy」と認定してもかまわないでしょう。実際に音を聴いてみるとAllan Holdsworthの「I.O.U.」や「Road Games」「Metal Fatigue」あたりの雰囲気に酷似しています。鍵盤楽器奏者もいるものの2曲のみ参加なので、バンド編成からして本家Holdsworthを相当に意識していることは確かです。

ただ音作りとしてはかなり陰鬱で暗い感じのプレイが中心で、ギターには常にエフェクターが目一杯かけられて歪みまくり、しかも籠もり気味です。McGillのギターを初めて聴いたとき、あまりにも音が籠もっているので録音環境のせいだろうと勝手に想像していましたが、後にリリースされた彼の作品を聴いても一貫して籠もっているので、それが彼の持ち味なのでしょう。

全編がそんな陰鬱きわまりない弾きまくり状態なのですが、唯一12弦ギターを使った#4「Un Monde De Incertitudes」のソロはあまりにも美しく、しかもとんでもない超絶技巧。アルバム中数少ない「オアシス的存在」です。#6「DDR」で聴かれるアコギソロも「Velvet Darkness」を何やら想像させてくれるので、マニア筋には堪らないかも♪

●Musicians
Scott McGill / guitars
Chico Huff / bass
Vic Stevens / drums
Demetrios Pappas / keyboards on Skwerbie,Cause For An Effect

●Numbers
1.  7-24
2.  The Ripe One
3.  Fred-O-Cal
4.  Un Monde De Incertitudes
5.  Skwerbie
6.  DDR
7.  Industrial Blowout
8.  Marcella
9.  Cause For An Effect
10. Ong's Hat
11. 24-7

R0010869


2011年8月26日 (金)

超絶変態ベース奏者Percy Jonesと陰鬱系Holdsworthy、Scott McGillのコラボ「2010 Uniblab Recording」

R0010860
Musician●Percy Jones(fretless bass),Scott McGill(guitar)
Title●2010 Uniblab Recording(2010年)
■CD Babyより購入


英国出身のフレットレスベースの名手Percy Jones(パーシー・ジョーンズ)とアメリカ出身の超絶ギタリストScott McGill(スコット・マクギル)Richard Decarlo(drums)というひと癖もふた癖もありそうなトリオによる音源です。2010年リリース。Markus Reuterというタッチギターの使い手が2曲のみ参加しています。スリーブには「Debut Album」とありますが、「Awareness」(2006年)に「Uniblab名義」で自主制作されているので、Percy Jonesが入って初めての音源というほうが正確かと思われます。

Percy Jonesといえば「Brand X」や「Tunnels」での変態ベースが有名なわけですが、かたやScott McGillは「若きHoldsworthy」としてアンダーグラウンドな活躍をしてきた曲者。ただMcGillは年を追うごとにHoldsworthyから離れてきている感が強く、最近では「陰鬱系プログレッシヴジャズギタリスト」ではないかと個人的には思っています。ただでさえわかり辛い作風のうえに、ギターの音色は常に籠もりがち。そんな変態2人が組むとどんな音になっってしまうのか。かなり不穏な雰囲気が漂ってきます。

先に触れた自主制作盤「Awareness」のような救いがたい陰鬱さほどではないもの、やはりMcGillが絡む作品は大変難解です。難解というよりも、正体がつかみづらいことこのうえない。Percy Jonesが入ることによって「真っ当な作品」に近づくという「予想外の反作用」まで
もたらされているほどです。Percy Jonesの重低音に触れることで妙な安心感を得られるという摩訶不思議な作品です。いつもの締めの言葉では「超絶ギター好きにお勧めです」などと書くところですが、ことMcGill関係作品だけは「知りませんよ」としか言いようがありません。

●Musicians
Percy Jones / fretless bass
Scott McGill / guitar,MIDI moog,fretless guitar
Richard Decarlo / drums
Markus Reuter / touch guitar on Rumsfeid's Spleen,The Ghost Of 47 Letsby Ave.

●Numbers
1.  Menagerie Animato
2.  Rumsfeid's Spleen
3.  F-Hole's Worth
4.  Polonium 210 Filter
5.  Two By Two
6.  43 Letsby Ave.
7.  The Ghost Of 47 Letsby Ave.
8.  Rising
9.  Borgasmord
10. Definition Defied
11. Days Fogged In

R0010861


2010年2月 7日 (日)

偽物でもここまで徹すると偉い!The Bruford Tapes

Dscf1295






Musicians●Bruford(dr)
Title●The Bruford Tapes(1979年)
■Amazonより購入

ビル・ブラフォード率いる「Bruford」による通算3枚目のアルバムです。1979年7月12日、カナダのFM曲の公開録音の模様を収録したもので、「Bruford」名義のアルバムとしては唯一のライブ音源になります。発売当初はカナダと日本のみの限定リリースであった関係で、海外のマニア間ではプレミアつきでトレードされていたそうです。

ご存知の通り、前2作で超絶技巧を披露したギターのAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)はお約束通りに脱退してしまい、代わりに新人で無名のギタリスト「Unknown John Clark」が加入しています。Dave Stewart(キーボード)とJeff Berlin(ベース)は継続参加しています。

「Unknown John Clark」がホールズワースの代役を十分に勤め上げることができるか、という点のみに興味が集まってしまうという、ある意味では大変不幸な作品ですが、意外にも(?)大過なくJohn Clarkはプレイしています。前任者・ホールズワースの独特のヴォイシングやフレーズなどを驚くばかりの研究心で、すっかりコピーしている点に驚かされます。でも、「だからどうしたのよ」という批評から逃れられないという意味で大変不幸なのです。

しかしながら、やはりそれは代役の悲しさ。まさにこの作品に参加したのみで、文字通り「Unknown」で終わってしまったJohn Clarkのその後はどうなってしまったのでしょうか。それこそ「誰も知らない」という意味で、大変不幸なギタリストといえるでしょう。音質もけっして良いとは言えません。ただJohn Clarkの旺盛な研究心には大いに賞賛の声を贈りたいと思います。

そういえば、数年前にBrufordの初期2作品がリマスターされ再発売されましたが、ボーナストラックと称して、この「The Bruford Tapes」の音源が収録されていました。何ともあざとい商法ですが、John Clarkにとっては思いがけない「復活」となったわけで、その意味では世の中捨てたものではありませんね。

●Musicians
Bill Bruford / drums
Unknown John Clark / guitar
Dave Stewart / key
Jeff Berlin / bass

●Nunbers
1. Hell's Bells
2. Sample and Hold
3. Fainting in Coils
4. Travels with Myself - And Someone Else
5. Beelzebub
6. Sahara of Snow, Pt. 1
7. Sahara of Snow, Pt. 2
8. One of a Kind, Pt. 2
9. 9.5g

左上がUnknown John Clarkです
Dscf1297

Dscf1296

2009年12月19日 (土)

日本が誇るシンフォ系プログレバンド「Mongol」

Dscf1106






Musician●Mongol
Title●Doppler444(1997年)
■Amazonより購入

たまには日本のプログレにも目を向けましょう。と言っても「四人囃子」「美狂乱」あたりにストレートにいかないところが、奇天烈音楽士のひねくれたところです。今回、紹介するのは知る人ぞ知るというカルト的人気を誇る(?)プログレバンド「Mongol」の唯一のアルバムです。間違っても「モンゴル800」ではありません。ライナーノーツによればバンドが結成されたのが1970年代後半とかなり古く、その意味ではかなりのベテランです。色々な紆余曲折を経てこの「Doppler444」が完成したわけですが、制作期間はなんと8年。1988年からスタートして96年に完成したと言われています。商業ベースを優先させると絶対に世に出ることはない作品かも知れません。制作工程からして奇天烈すぎます。

音のほうはというと結成時からリーダーの安本毅(key)が紡ぎ出すシンフォニックなサウンドに、アラン・ホールズワースとも親交が深いと言われる三苫裕文(G)(元「NOA」)の超絶プレイが絡むというもの。変拍子の多用、目まぐるしく変化する展開、そしてインタープレイの応酬、と聴きどころ満載のアルバムです。特にオープニングの「From The Beyond~Dopplre444」で聴かれるダイナミックなシンフォサウンドから一転して、三苫氏のギターが転調に次ぐ転調で切り込んでくるスリリングな展開は、見事としか形容できません。世界で勝負しても十分太刀打ちできる力量はあるのですが、いかんせん2作目が続かない経歴も奇天烈ですね。

個人的な話題で恐縮ですが、いまから20数年前、愚弟が某大学の音楽サークルに入部したところ、ギターの三苫裕文氏が先輩として君臨していたそうで、すでに学生時代から「ホールズワースフォロワー」として好事家たちの熱い視線を集めていたとか。確か自主製作盤を1枚出していますが、いまとなっては入手不可能。1度聴きましたがとても大学生とは思えない完成されたテクニックに仰天した記憶があります。せめて録音するべきでしたね。三苫氏は「UKトリビュート」「エディ・ジョブソン・トリビュート」などプログレ系のイベントでいまでも活躍中のようです。

バンド名、アルバムタイトル、ジャケットとも何だか脱力感が漂っていますが、中身は職人たちのガチンコ勝負!文句無しにお勧めしたい1作です。


●Musicians
安本毅 / Piano,keybord
三苫裕文 / Guitars,Synkorg
天崎直人 / Bass
今井澄 /Drums,Percussion

●Numbers
1.From The Beyond~Dopplre444 
2.Garadama 
3.Hormwards 
4.Driller 
5.Merazoma
6.Greatful Paradise
Dscf1107

 

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

いろいろ検索

  • Tower Records検索
  • HMV検索
    HMV検索
    検索する
  • iTunes検索
無料ブログはココログ