Kurt Rosenwinkel / Caipi(2017年)
Musician●Kurt Rosenwinkel(guitar)
Title●Caipi(2017年)
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久しぶりの新譜レヴューは4月の来日が待ち遠しいKurt Rosenwinkelの「Caipi」。入手して以来、何回も聴き直していますが、聴くたびに違った印象を受けるという意味で早くも「スルメイカ盤」認定ですね。2017年リリース。
エリック・クラプトンの参加が話題になっているようですが、これはクロスロード・ギター・フェス参加への返礼ではないかと勝手に推測しております。完成までに10年の歳月を要した本作はなんと「ブラジル音楽」。ほとんどの楽器を自分で演奏し、ここ数年封印していた「ヴォイス」を全面的に“復活”させた話題作というか問題作です。
Kurt Rosenwinkel / acoustic & electric guitars, electric bass, piano, drums, percussion, synth, Casio, voice
Pedro Martins / voice, drums, keyboards, percussion
Eric Clapton / guitar on #9
Alex Kozmidi / baritone guitar
Mark Turner / tenor saxophone
Kyra Garey / voice
Antonio Loureiro / voice
Zola Mennenoh / voice
Amanda Brecker / voice
Frederika Krier / violin
Chris Komer / french horn
Andi Haberl / drums
Ben Street / bass
Mark TurnerやBen Streetなどの“いつもの人たち”の参加も見られますが、ほとんどがワタクシ的には存じ上げないミュージシャンばかり。しかも、自分の守備範囲外のブラジル音楽ということでアウェイ感が漂います。
これはジャズギタリストとしてのアルバムなのだろうかと自問すること数日間。いいではないですか、これは!というのが私のシンプルな結論です。とにかく聴いていて心地よい。Kurt皇帝ならではの“隠し味”もふんだんに盛り込まれていています。ヴォーカル(ヴォイス)は他のミュージシャンに任せてもいいのではないかというご意見もありますが、独特の味を表現できるシンガーが皇帝以外に存在しなかったのだと、生暖かく解釈しました。個人的には2017年上半期のベストアルバムに認定です。
というわけで、4月のBlue Note Tokyoライブが楽しみです。学生時代の古い友人がNYCから日本へと活動拠点を移すということで帰国。当日、約30年ぶりの再会も待ち遠しいですね。
●Musicians
Kurt Rosenwinkel / acoustic & electric guitars, electric bass, piano, drums, percussion, synth, Casio, voice
Pedro Martins / voice, drums, keyboards, percussion
Eric Clapton / guitar on #9
Alex Kozmidi / baritone guitar
Mark Turner / tenor saxophone
Kyra Garey / voice
Antonio Loureiro / voice
Zola Mennenoh / voice
Amanda Brecker / voice
Frederika Krier / violin
Chris Komer / french horn
Andi Haberl / drums
Ben Street / bass
●Numbers
1. Caipi
2. Kama
3. Casio Vanguard
4. Song for our sea*
5. Summer Song
6. Chromatic B
7. Hold on
8. Ezra
9. Little Dream
10. Casio Escher
11. Interscape
12. Little B *Japan Bonus
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最初は戸惑ってしまいましたが、割と定期的には聴いていて、ボッサのアルバムとすると、なるほどと納得しています。
最初はどんなすごい現代ジャズのギターを聴かせてくれるんだろう、という先入観があったのがそもそもの演奏者と聴く人との立脚点のずれだったんだろうなあ、と思います。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2017年4月 2日 (日) 23時06分
910さま
TBありがとうございます。確かに前作の延長線上として聴くと戸惑ってしまいますよね。私は事前に情報を仕入れていたので、それほどではありませんでしたが。
今後、皇帝がどのような展開を見せるかは神のみぞ知るですが、実際にBN東京に行って何とか体感してたいと思います。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2017年4月 2日 (日) 23時25分
奇天烈音楽士さま、トラバありがとうございます。
ブルーノートに行くのですね?
わたしも可能ならば行きたいです。
ずっと、歌を愛してきたカート・ローゼンウィンケルが、、
彼の歩んできて道と歌への愛が歩み寄ったアルバムなんだな?って思いました。
彼の頭の中にあった桃源郷では、こんなお花畑が見えてたんですね!
投稿: Suzuck | 2017年4月 4日 (火) 09時20分
Suzuckさま
TBありがとうございます。
そうそう、私の貧弱なボキャブラリーでは「桃源郷」が
思い浮かばなかったのです(笑)。
現存するミュージシャンのなかで、夢のような世界を再現できる人は、
数えるほどしかいないのではないかと。
Motion Blueと迷いましたが、旧友との再会もあり、BNに行きます♪
投稿: 奇天烈音楽士 | 2017年4月 4日 (火) 22時09分