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2016年8月

2016年8月28日 (日)

Cyril Achard / Confusion(1997年)

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Musician●Cyril Achard(1997年)
Title●Coofusion(1997年)
■Amazonより購入


フランス出身のテクニカル系ギタリストCyril Achardがプログレバンド「Arrakeen」を脱退後にリリースした初のリーダー作です。フランスのプログレ専門レーベル「Musea」から1997年にリリースされています。

Cyril Achard / guitar
Fred Schneider / bass
Laurent Piacentino / drums
一部曲ではAchardが鍵盤楽器も担当しているようです。

サウンドの傾向としてはプログレ風ハードフュージョンという感じですが、とにかく変拍子を多用した複雑な曲展開と目まぐるしい転調が売りのテクニカルな面を全面に押し出しています。ここら辺は出身バンド「Arrakeen」からの影響を少なからず引きずっているのかもしれません。テクニカルなギターを堪能するという意味では十分に楽しめるアルバムだと思いますが、楽曲自体が若干落ち着かないというか、ガチャガチャとした曲構成でリスナーサイドの集中力が削がれるのも確か。自分がやりたいことを目一杯詰め込んでみましたという感じはいいのですが、それが曲の中で十分に消化しきれていない印象を受けます。とはいえ、随所で聴かれるテクニカルなプレイは一聴の価値は十分すぎるほどあります。

私が所有しているのは初回盤ですが、未確認ながら、数年前にボーナストラックがついたリマスター盤が出回っているようです。これから購入される人はそちらをお勧めします。

●Musician
Cyril Achard / guitar
Fred Schneider / bass
Laurent Piacentino / drums
etc,

●Numbers
1.  Hiros
2.  Des Illusions
3.  Barock
4.  Impermanence
5.  Pharaons
6.  Correspondance
7.  Teumi
8.  Naufrage

2016年8月27日 (土)

Allan Holdsworth / A.H.Studio Track 1980(1980年)

Musician●Allan Holdsworth(guitar)
Title●A.H.Studio Track 1980(1980年)
■サイトよりダウンロード

先日、新アルバム「Tales From The Vault PartⅡ」をすったもんだの末リリースした巨匠Allan Holdsworthですが、同アルバムにも収録された発掘音源です。そもそもは1年ほど前にGary HusbandがTwitterで紹介していた音源が発端になります。Husbandの言葉をそのまま信用すると、アルバム「I.O.U.」(1982年)の制作過程でロンドンで行ったスタジオセッションでのアウトテイク音源(録音は1980年)だとか。

というわけで早速ダウンロードしてみました。曲は「Road Games」収録の「Water On The Brain Pt2」にPaul Willimsのボーカルが乗っているという代物。アウトテイクというふれこみですが、すでにブートレグで出回っている音源と同一です。オリジナルももちろん素晴らしいのですが、この別テイクもなかなかの出来映えです。ただ完成度やベースの貧弱さはデモ音源ということで大人の対応が必要です。

1980年録音というデータを信用すると、ベースはJeff BerlinではなくPaul Carmichael、ドラムはChad WackermanではなくGary Husband、そしてボーカルはPaul Williamsということで「I.O.U.」メンバーと一致します。「Water On The Brain Pt2」は当初ボーカル入りとして制作されたけれど、「I.O.U.」には収録されず、Jeff BerlinやChad Wackermanを迎えて再レコーディングしボーカルを抜いた状態で「Road Games」に収録という流れなのですね。しかし、Husbandはどんな了見でこの音源を発信したのでしょうね

●Musicians
Allan Holdsworth / guitar
Paul Carmichael / bass
Gary Husband / drums
Paul Williams / vocal

2016年8月21日 (日)

Christof Lauer / Fragile Network(1999年)

Index
Musician●Christof Lauer(tenor & soprano sax)
Title●Fragile Network(1999年)
■Amazonより購入


ドイツ出身のサックス奏者Christof Lauerが1999年にリリースした作品です。恥ずかしながらお初のミュージシャンなのですが、どちらかというとフリー系のお方のようです。このアルバムにも参加しているチューバ奏者Michel Godardと行動をともにすることが多いようで、コンビによる作品がACTレーベルから数枚リリースされています。参加ミュージシャンはMarc Ducret(guitar)、Michel Godard(tuba,serpent)、Anthony Cox(bass)、Gene Jackson(drums)という面子になっています。当欄の購入動機はギターのMarc Ducretであることは言うまでもありません。Christof Lauerファンの方々、申し訳ありません。

お目当てのMarc Ducretは4曲のみに参加しています。#1がカリプソ音楽の陽気な感じの楽曲だったのに、Ducretが登場する#2では雰囲気が一変。いきなりフリーモードへと突入します。曲の冒頭からDucretは相変わらずの暴れっぷり。アームの乱用でこれでもかとグイグイ迫ってきます。Christof Lauerもなにやらスピリッチャルで妖しげなブロウで応戦します。いや、かなりいい感じですね。#5ではLauerとDucretの高速ユニゾンから始まりいきなり面食らいますが、ベースソロに移行してからは完全フリー状態。やがてDucretのギターが噴火し始めると、あとはいつも世界へと突入。とてつもない早引きで全体を牽引するだけしておいて、あとはよろしくという塩梅でフェードアウトしていきます。となると場をまとめるのはリーダーのLauerということになるのですが、Ducretに触発された彼も鬼神のごとく吹きまくります。気がつけば、Ducretが復帰してきて絶妙なバッキングでフォローするという流れ。#8ではLauerのスピリッチャルなブロウでスタートするのですが、今度はリズム隊が大暴れ。Lauerのサックスも次第に熱を帯び始めたころにDucretが登場します。これまたエグいギターソロを速射砲のごとく連発し、曲は凄まじいカオス状態に。いやいや、何とも凄い音源に巡り会うことができました。

●Musicians
Christof Lauer / tenor & soprano sax
Marc Ducret / guitar on #2,#5,#8,#9
Michel Godard / tuba,serpent
Anthony Cox / bass
Gene Jackson / drums

●Numbers
1.  Flying Carpets
2.  Human Voice
3.  Vernasio
4.  Ferma L'Ali
5.  Facing Interviews
6.  Fais Attention P'Tit Garcon
7.  Ursus Maior
8.  Open Noisy
9.  Werther

2016年8月20日 (土)

矢堀孝一 / Elevation(2001年)

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Musician●矢堀孝一(guitar)
Title●Elevation(2001年)
■Amazonより購入


日本を代表するジャズロックユニット「Frajile」(フラジャイル)のギタリスト矢堀孝一のソロ作第2弾です。2001年リリース。

ソロ第1弾「b」では「Fragile臭」が濃厚だったのですが、このアルバムではいい意味で「脱臭作業」に成功したのでしょう。矢堀氏らしさが随所に押し出されていて本当の意味での「ソロアルバム」に仕上がっています。矢堀氏本人の弁では「Fragileはディストーションを使うことが多い。ソロではクリーン中心に行きたいと思うわけだ」というように前作ではエレキギンギンだったのが、本作では適度にアコギが使われていて作品的にも楽曲的にも幅と奥行きが加わっています。ベースに「Lu7」でも活躍中の「Prism」の岡田次郎、ドラムに渡辺香津美バンドなどで活躍したベテラン、山木秀夫というトリオ構成。山木さんは後藤次利と「gym」というユニットを組んでいましたね。いまは井上陽水のツアーに同行しているようです。

ここで聴かれる矢堀氏のプレイは、得意のフュージョン系あり、プログレ系あり、正攻法的なジャズフォーマットありと、まさに変幻自在。ふだん「Fragile」という枠組の中ではなかなか表現できない矢堀氏本来の趣向が、ここでは思う存分生かされているように思います。腕達者なバックもナイスサポートで好感度大です♪

●Musicians
矢堀孝一 / guitar
岡田次郎 / bass
山木秀夫 / drums

●Numbers
1.  Addicted to Jazz
2.  Mime #1
3.  Elevation #21
4.  Subscription
5.  Rat race
6.  No Crunch
7.  9.P.M.Cruise
8.  Dig it
9.  Addicted to Jazz (electric version)
10. Autumn Leaves 

2016年8月14日 (日)

「NOA」のライブに行ってきました♪

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Musicians●NOA
竹迫一郎(drums)、三苫裕文(guitar)、渡部チェル(keyboards)、桜井良行(bass)
Date●2016/8/13 Sat.
Place●横浜Hey-JOE


幻のジャズロックバンド「NOA」が久しぶりのライブを行うと聞き行ってきました。会場は「横浜Hey-JOE」。キャパはおそらく30人ほどのお店です。実は20代の時に働いていた職場と至近距離にあり、そういえばこのビル1階の飲み屋ではよく飲んだくれていたなとか、昼食でよく利用した定食屋はもう無くなってしまったのかと、一人感慨に耽っていました。ってそんなことはどうでもよくて、「NOA」に話題を戻します。

バンド自体はプログレ系ジャズロックバンド「Aqua-Polis」の元ドラマー、竹迫さんがギターの三苫さんを迎え入れる形で、1980年代後半に結成。BrufordやAllan Holdsworthあたりから強い影響を受けた楽曲をプレイしていたとか。1枚だけ自主制作盤「TRI-LOGIC」をリリースしていますが、当時はベース&ヴォイス担当のトリオ構成でした。実はこのアルバム、入手してしばらくの間、聴いていたのですが、なぜか魔が差して手放してしまうという大失態をおかしています。その後、「Mongol」での三苫さんの華麗なギターに驚いて、再度入手を試みましたが、時すでに遅し。どこをどう探しても見つかりません。

そんな「NOA」がオフィシャルなライブを行ったのは1995年12月のシルバーエレファント。その後、鍵盤担当の方が亡くなり追悼ライブを行ったのが2008年。オフィシャルなライブとしてはなんと21年ぶりだとか。ライブはやはり日本が誇るジャズロックバンド「Qui」との対バン形式で行われ、「NOA」は2部に登場です。会場には先日の「Future Instrumental」でご一緒した方がおられ、ご挨拶などを。

1.  Dr.Maccoy
2.  あさってはきのう
3.  少年と猫
4.  クーリンガー
5.  夏の終わりに
6.  Jupiter And Lucifer
7.  ジャーニー・トゥ・バベル
8.  シックス・センス

<encore>
See You Again

セットリストは私の聞き書きなので不備などはご容赦願います。フルートを全面に押し出した独自のサウンドが特徴の「Qui」による躍動感あふれるライブを楽しんだ後、15分ほどのインターバルをおいて「NOA」の登場です。その前に「Qui」のギター・林隆史さんと少しだけ雑談の機会を得たりと、そのあたりが小規模会場ならではの魅力ですね。左から渡部さん、桜井さん、竹迫さん、三苫さん。桜井さんはごっつい6弦を、三苫さんは愛用の「Vox Starstream」を使用。#1「Dr.Maccoy」は「TRI-LOGIC」収録曲、#2「あさってはきのう」という“新曲”。そう、実は「NOA」は解散しているわけではなく、何と20年越しにCDを制作中だとか。その新譜に収録される予定だそうです。変拍子につぐ変拍子、そしてAllan Holdsworthばりの三苫さんのギターがいきなり全開です。三苫さんは本家Holdsworthと違って、ほぼフルピッキングなんですね。フレットを縦横無尽に使って生み出される流麗なフレーズにただただうっとり。

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2曲目が終わって竹迫さんによるMC。バンドのこれまでの経緯や先の新譜について語られました。#3「少年と猫」のイントロでは三苫さんが店名にちなんで「Hey Joe」の一節を奏で出して思わずニヤリ。5曲目が終わってメンバー紹介。鍵盤担当の渡部さんは「Prism」のメンバーということで、竹迫さんは「あのPrismとキーボードをシェアしているわけで、これからは新譜もライブもしっかりやっていかないと…」「でも、同じようなことを何年も前から言っているんですよね」とのこと。ちなみに渡部さんは前任の鍵盤奏者の方の追悼ライブから「NOA」のメンバーになったとか。

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#6は「TRI-LOGIC」から、#7は未発表曲ですが昔出ていた「日本のプログレ」(原題は欧文)のコンピ盤の収録曲。当時は歌入りでしたが、インスト仕様に作り直したとか。ラストはやはり未発表曲の「シックス・センス」。題名通り8分の6拍子の楽曲が多い「NOA」ならではの曲。桜井さんの超絶ベースソロが炸裂しまくりです。

そしてアンコールは「See You Again」。またお会いしましょうとまたお会いできましたね、のダブルミーニングだそうです。

というわけで、幻の「NOA」のライブに触れただけで至福の思いですが、新譜リリースや次回ライブも気を引き締めながら追尾していかないといけません♪

「Qui」についてはアルバムレビューも含めて機会をあらためます。

三苫さんがメンバーのMongolの関連記事はこちらです。


Larry Coryell / The Funky Waltz(1973年)

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Musician●Larry Coryell(guitar)
Title●The Funky Waltz(1973年)
■Amazonより購入


相変わらずLarry Coryellの発掘音源が続いているのですが、肝心の出来映えは録音状態が悪いものばかりで「ブート盤だってこんな酷い音質のものはなかなかないだろう」と思わせるほどで何回も煮え湯を飲まされているわけです。だったら手を伸ばさなければいいものを、という感じなのですが、これがそう簡単には割り切れないのですね。ここまで病膏肓に入るとはっきり言ってCoryellとは腐れ縁状態です(笑)。今回、入手したのは1973年12月4日、ボストンで開催のジャズワークシップでのライブ音源です。FMラジオ音源がソーズです。しかもステレオ録音です!

Larry Coryell / guitar
Randy Brecker / trumpet
Mike Mandel / keyboards
Danny Trifan / bass
Alphonse Mouzon / drums

ご存じ「The Eleventh House時代」の不動の面子です。当時はThe Eleventh Houseの全盛期で、演奏も迫真のド迫力プレイの連続。Coryellのライブ音源はブートも含めてかなりの数を聴いていますが、おそらく最上級の出来映えです。負けじとエフェクトが効いたRandy Breckerのトランペットが狂おしく左右を飛び交い、Mike Mandelの鍵盤が加勢すると、完全にカオスの世界へと突入します。このクソ暑い時期になんでまた暑苦しいジャズロックなのかとお思いでしょうが、まさに毒をもって毒を征す(?)。これぞ、70年代ジャズロックの醍醐味ですね。Coryellも最高ですがRandy Breckerの存在感もハンパなく凄いです。

心配な音質のほうですが、けっこう聴ける部類に入ります。途中で音が途切れたり耐え難いほどの音割れもほとんどないので、安心して聴けます(笑)。演奏内容としては手放しで誉められるレベルだけに、数ある発掘音源としては最上級です♪

●Musicians
Larry Coryell / guitar
Randy Brecker / trumpet
Mike Mandel / keyboards
Danny Trifan / bass
Alphonse Mouzon / drums

●Numbers
1.  Introduction 
2.  Yin
3.  Low-Lee-Tah 
4.  The Funky Waltz 
5.  Ism-Ejercicio 
6.  Gratitude "A So Low"   
7.  Band Introductions 
8.  Joy Ride
9.  Drum Solo / Birdfingers

2016年8月13日 (土)

Michel Reis / Hidden Meaning(2012年)

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Musician●Michel Reis(piano)
Title●Hidden Meaning(2012年)
■Amazonより購入


ルクセンブルグ公国出身でNYCを拠点に活動する鍵盤楽器奏者、Michel Reis(ミシェル・レイス)の2012年作です。何となく購入した最新作「Capturing This Moment」(2015年)が望外の出来映えだったので、時系列を遡って購入しました。どうやら最近来日していたようです。

Michel Reis / piano
Stefan Karl Schmid / tenor sax,soprano sax,clarinet
Robert Landfermann / bass
Jonas Burgwinkel / drums

メンバーは「Capturing This Moment」と同じで、2012年6月19日、20日ドイツ・ケルンでレコーディングされています。

「Capturing This Moment」で強く感じられた欧州特有の憂いと湿気を帯びた現代ジャズという点では、まさに期待通りの内容に仕上がっています。アレンジとしては、随所に新たな試みが見られた「Capturing This Moment」よりはやや大人しめなので、その部分だけ面白味という意味では欠けるかもしれないですね。リリカルなMichel Reismのプレイを細部にわたって神経が研ぎ澄まされたリズム隊の好サポートが実に印象的。主役を立てつつしっかりと自己主張するStefan Karl Schmidのサックスにも好感がもてます。

●Musicians
Michel Reis / piano
Stefan Karl Schmid / tenor sax,soprano sax,clarinet
Robert Landfermann / bass
Jonas Burgwinkel / drums

●Numbers
1.  Repercussions
2.  Prescience
3.  Seduction
4.  Hidden Meaning
5.  Americana
6.  Haunted House
7.  Inside The Jewel Box
8.  What Comes Later,I Can
9.  Elegy
10. The Birdwatcher
11. Until The Next Time

2016年8月11日 (木)

「Future Instrumental Vol.5」のライブに行ってきました♪

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Musicians●梅垣ルナ(keyboards)、栗原務(guitar)、永井敏己(bass)、大菊勉(drums)、寺田典子(percussions)
Date●2016/8/7 Sun.
Place●Silver Elephant


先日、吉祥寺Silver Elephantで行われた「Future Instrumental」のライブに行ってきました。同会場は“プログレの聖地”と呼ばれているそうで確かにHPを見ると好事家を唸らせるような多くのミュージシャンがライブを行っています。吉祥寺は中高時代を過ごした土地であり個人的にも親しみがあるのですが、10数年ぶりに訪れて吃驚。なんとも都会的な街へと変貌しているではないですか!加えて休日ということもあって、人出が多い。いまは神奈川の片田舎で過ごす我が身としては人いきれに圧倒されながらも、会場へと向かいます。

「Future Instrumental」とは同会場で展開中の「Progressive Live 2016」の一環として結成されたユニットで、同ユニットとしてのライブは5回目でなんと14年ぶりだとか。メンバーは「Lu7」より梅垣ルナさん(keyboards)、栗原務さん(guitar)、お二人に加えてフレットレスベースの怪人・永井敏己さん(bass)、歌って踊れてMCもできる大菊勉さん(drums)、バークリー音楽大学卒の才媛・寺田典子さん(percussions)という特別ユニット。私のお目当ては「Lu7」でしたが、永井さんのベースにはかねてより興味ありましたし、これは見逃してはいけません。

というわけで、会場のシルエレへ。会場時刻の少し前に到着しましたが、「Lu7」のライブで何回かご一緒したお仲間数人のお姿がちらほらと。軽く会釈したり雑談しているうちに、女性スタッフの方が店外に出てきて整理番号順に呼ばれて入場です。Silver Elephantは地下にある会場でキャパは100名ほどでしょうか。今日日珍しく座席での喫煙もOKで灰皿が置いてあります。ドリンク代500円を支払いオレンジジュースなどを飲みながら観察すると、過去に出演したミュージシャンたちのCDが飾られていました。値札がついているので購入も可能なのでしょう。なかには昨年亡くなった小川銀次さんの作品もあって、3万円もする「大銀醸」セットまで。やるな、シルエレ。

19時の開演時刻を少し過ぎてメンバーが登場。左から永井さん、大菊さん、不動のセンター・梅垣さん、寺田さん、そして栗原さん。私は永井さんの近くを確保しましたが、これが大正解。おかげで永井さんが繰り出す地鳴りのような超絶プレイを一身に浴び続けることができました。

1st Set
1.  ミドル・ロングサーキット
2.  Beirut(Step Ahead)
3.  Play Of Colors(永井敏己)
4.  Kesaran Patharan(Lu7)
5.  絡みゆく蔓(Lu7)
6.  Echoes(CAMEL)

2nd Set
7.  Presto Vivace~In The Dead Of Night(UK)
8.  Secret Recipe(Lu7)
9.  Bluetail Of Passage(Lu7)
10. Ben Ohgiku drum Solo
11. Involuntary Bliss(Alphonso Johnson)
12. Island Magic(Dave Weckl)

Encore
13. Dance Of The Harlequin(永井敏己)

録音・撮影は禁止だったのでセットリストなどは記録できませんでしたが、梅垣さん、大菊さん、参加された方のブログなどを参照にしています。冒頭の「ミドル・ロングサーキット」でいきなりエンジン全開。今回のライブの肝の一つはパーカッション奏者の寺田さんの参加だと思うのですが、大菊さんとの打楽器連打攻撃が五臓六腑を刺激しまくります。エグいぞ、このライブは!と思い始めると、今度は永井さんのフレットレスから繰り出される強烈な爆音で完全に舞い上がってしまいました。岡田次郎さんのプレイとはまた違ったアプローチを楽しむことができました。梅垣さんも栗原さんも「Lu7」の時よりもアグレッシブな感じで攻めているように感じました。

「Beirut」の後に梅垣さんのMCが入ります。梅垣さんと永井さんの掛け合いでは、今回のライブにあたってそれぞれが曲を持ち寄ったそうですが、「Lu7」の難曲にはさすがの永井さんも手こずったようで、永井さんはしきりに「もう帰りたい」とボヤく始末。つられて大菊さんまで「帰りたい」と言い始める流れに。もちろん腕達者なミュージシャンなので、実際は寸分の狂いもなくまとめ上げるわけですが。それにしても、変拍子の嵐、転調に次ぐ転調、そして超絶インプロの応酬。もの凄いことが目前で起きているわけで、早くも放心状態になりそうでした。

「Future Instrumental」恒例(?)のプログレカバーは「Echoes」と中年プログレ好きおやじの涙腺を漏れなく崩壊させる「Presto Vivace~In The Dead Of Night」。ボーカルは大菊さん担当でしたが、こんな難曲を叩くだけでも凄いのにボーカルまで!とはハードルが高すぎます。もしかしたらこれは梅垣さんの策略でしょうか。栗原さんのギターソロは完全にHoldsworthy化していましたね。途中のMCでは「Secret Recipe」は実は永井さんをイメージして作られたというエピソードが披露されたり、インフォメーションコーナーでは「Lu7」の次回ライブ「Lu7 秋の陣」が告知されました(正確には告知の予告)。物販コーナーでは「Lu7」の2ndが置かれていましたが、「かなり希少なのでここで買ってぜひヤフオクに」という栗原さんの鉄板ネタも披露。

こういう至福の時間はあっという間に過ぎてしまうのですが、ラストは梅垣さんがライブで演奏したかったというDave Wecleの「Island Magic」。寺田さんのダイナミックなパーカッションが実に効いていて、オリジナルを凌駕する可憐なラテンフレイヴァーが漂いました。そしてアンコールは永井さんの「Dance Of The Harlequin」。恥ずかしながらこの曲は存じ上げなかったのですが、生の演奏の魅力にすっかりやられた私は、帰りの車中、某巨大通販でしっかりとポチッたのでした。

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Gust William Tsilis / Heritage(1992年)

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Musician●Gust Williams Tsilis(vibes,marimba)
Title●Heritage(1992年)
■ディスクユニオンで購入


長期追尾物件、John Abercrombie関連音源のご紹介です。ECM以外のレーベルでの客演作となるとプロフィルデータとして上がってこないケースも多く、そこまでコンプリートしようと思うとかなり大変なことになってしまいます。この音源は某ショップで漁盤中に偶然釣り上げたものです。

Gust William Tsilisという初めてお耳にかかるヴィブラフォン&マリンバ奏者のリーダー作なのですが、お目当てのJohn Abercrombieをはじめ、かなりの豪華メンバーなのです。「Ken Music」というレーベルから1991年リリース。

Gust William Tsilis / vibes,marimba
Arthur Blythe / alto sax
Mark Feldman / violin
John Abercrombie / guitar
Anthony Cox / bass
Terri Lynn Carrington / drums

当人のGust William Tsilisとサックス奏者のArthur Blytheを除けばかなりのビッグネームばかりではないですか。Mark Feldmanと言えばECM諸作品での共演が多数ですし、この厳つい面子のなかにTerri Lynn姉さんが入っていることも驚きです。

中身というと、ECMではあり得ないビバップ中心のストレートなジャズアルバムに仕上げっています。Gust Williams Tsilis自身はゲイリー・バートンの影響を受けているそうですが、そりゃヴィブラフォンに関わるミュージシャンは多かれ少なかれバートンは避けて通れませんよね。

お目当てのAbercrombieはECMの呪縛から逃れ、実に伸び伸びとしたジャズギターを披露しています。お得意のウネウネフレーズをほぼ封印し、ストレートなプレイに終始しています。「たまにはこういうギターも弾きたくなるんだよね」という心境なのでしょう。Mark Feldmanは#1「Fee-Fi-Fo-Fum」の1曲のみに参加。純正ジャズに果敢に挑んだTerri Lynn姉さんですが、手数の多さがちょっと浮き気味ですが頑張っています。

●Musicians
Gust William Tsilis / vibes,marimba
Arthur Blythe / alto sax
Mark Feldman / violin
John Abercrombie / guitar
Anthony Cox / bass
Terri Lynn Carrington / drums

●Numbers
1.  Fee-Fi-Fo-Fum
2.  Sweet Dulcinea
3.  Minor League
4.  Where Are You?
5.  Mr.Syms
6.  Skylark
7.  You Don't Know What Love Is
8.  The Moon And You
9.  Beautiful Love
10. Improvalostic

2016年8月 7日 (日)

Allan Holdsworth / Tales From The Vault Part Ⅱ(2016年)

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Musician●Allan Holdsworth / guitar
Title●Tales From The Vault PartⅡ(2016年)
■Pledge Musicよりダウンロード


希代のテクニカル系ギタリストAllan Holdsworthがクラウドファンディングサイト「Pledge Music」で新作「Tales From The Vault」制作に向けてキャンペーンを開始してはや1年数ヶ月が経とうとしています。当初は2015年秋には新作がリリースされると聞きましたが、やはりというか案の定というか作業は遅々として進んでいないようです。昨年新曲「Earth」がお試し的に配信されたものの、作品の全貌はまだ見えてきません。「いい加減に出す出す詐欺をやめないと、世間からそっぽ向かれまっせ!」と痺れを切らしていたところ、御大からの言い訳じみた長文解説と2曲の新曲とともに“発掘音源”が届きました。

御大の説明にはこうしたクラウドファンディングサイトを通じた音源制作は生まれて初めてのことで、大変なプレッシャーになっていて云々という趣旨の言い訳が延々と綴られています。いい歳してそんなことは事前に想定できただろうと思うのですが、ここまで来たら乗りかかった船。最期までつき合いますって。今回リリースされた“New Dawn”と“Poochini”の2曲。ほか9曲はBruford時代と「I.O.U.」「Road Games」からのアウトテイクです。つまりは新作のみではとても間に合わないということでデッドストックでお茶を濁そうというわけです。

#1「The Abingdon Chasp」はBrufordのアルバム「One Of A Kind」収録曲。オリジナルではJeff Berlinのベースがテーマを奏でましたが、ここではRay Warlieghのサックスが先導。御大のギターもオリジナルと異なります。ほかGongのFrancis Mose(bass)、Jeff Young(keyboards)が参加。御大の説明によれば、Ray Warlieghはすでに鬼籍に入られたとか。ところがドラムのクレジットはありません。はたしてBill Brufordに対する許諾はどうなっているんでしょうか。

#2と#3はアルバム「Road Games」でバッキングボーカルを務めたJoe TuranoによるアウトテイクとオリジナルのJack BruceバージョンのMark Pinskによるリミックス音源。

#6「Road Games」はJoe Turanoによるアウトテイク。#7と#8はMark Pinskiによるリミックスなのですが一聴してオリジナルとの相違はわかりません。#9「Was There」は再びJoe Turanoによるアウトテイクなのですが、肝心の御大のギターソロがオミットされてしまうという中途半端な出来になってしまっています。

#10と#11「Water On The Brain」はオリジナルはボーカル抜きでしたが、それぞれJoe TuranoとPaul Williamsのボーカル入りです。#10ではJeff Berlinのベースソロが入っていますがかなりラフな印象を受けます。#11は昨年Gary Husbandがネットで公開したバージョンと同一です。個人的にはこのバージョンでの御大のソロは実に素晴らしいと思います。Gary Husband(drums)、Paul Carmichael(bass)という「I.O.U.」メンバー。Gary Husbandによれば1980年にロンドンのスタジオで収録されたものだとか。

さて肝心の新曲2曲は#4「New Dawn」と#5「Poochini」。ともにシンタックスによる内省的な曲です。「New Dawn」は御大の古い友人、Pat Smythe作。御大の心境なのか単なる老境なのか、特に盛り上がることもなく淡々と進行します。ちょうど「Flat Tire」を連想しました。何だかな~。

というわけで変なオチがついてしまった新譜ですが、新曲2曲の出来映えを聴くかぎりでは、おそらくこれ以上これ以下の新曲を作り出すことは無理なのではないかと思ったりもします。御大もその点は自覚しているからこそ、手持ちの古い音源をリリースすることでお茶を濁したのでしょう。正直言って晩節を汚した感は否めなく、仮にまた新作を出すと言い出しても賛同者はおそらく現れないと思います。実際、今回のプロジェクトで間に入ったプロデューサーは相当苦労したようですし。このあたりはいろいろな意見が分かれるところだと思います。

御大の言い訳じみた解説には「Road Games」制作時におけるワーナー・ブラザーズと当時のプロデューサーTed Templemanに対する恨み辛みが延々と書かれているのですが、自分の非は棚上げしていったい何年前の話をしているのだかと思うとともに、相変わらずの“変人ぶり”をいかんなく発揮しているわけで、妙に安心したりもしました。

●Numbers
1.  The Abingdon Chasp
2.  Material Real Outtake
3.  Material Real Pinski Mix   
4.  New Dawn
5.  Poochini
6.  Road Games Outtake
7.  Tree Sheets Pinski Mix
8.  Tokyo Dream Pinski Mix
9.  Was There Outtake
10. Water On The Brain Outtake
11. Water On The Brain with Paul Williams

2016年8月 6日 (土)

Wolfgang Muthspiel,Mick Goodrick / Live At The Jazz Standard(2010年)

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Musician●Wolfgang Muthspiel,Mick Goodrick(guitar)
Title●Live At The Jazz Standard(2010年)
■Amazonより購入


オーストリア出身のコンテンポラリー系ギタリスト、Wolfgang MuthspielMick Goddrickによるギターデュオアルバムです。2008年1月30日、NYC「Jazz Standard」でのライブ音源になります。2010年にMuthspiel自身のレーベル「Material Records」よりリリースされています。

Muthspielの最近の動向についてはあまりチェックしていなかったのですが、若い頃の尖っていたイメージから一転して、渋めのギタリストへと変貌を遂げていてまず吃驚。Jim Hallを意識したかのような正統派コンテンポラリー系へと見事にシフトチェンジしています。かたやMick Goddrickといえば古くはGary BurtonのバンドでECMの諸作に名前を連ねた大ベテラン。バークリー音楽院ではPat Methenyらを育て上げた大師匠筋なのですが、いかんせん一般的知名度という点ではいまいちの人。かつては弟子であるMethenyのサポートギタリストとして参加していたので、名前だけは知っているけれど…という人がほとんどではないでしょうか。

ギターデュオということで、左サイドがMuthspiel、右サイドがGoddrickが担当。2人による静かな対話という感じなのですが、同じようなタイプのギタリストでありながら、発せられるフレーズはそれぞれに個性的で、聴いていても全く飽きがきません。ギター好きにとってはたまらない作品に仕上がっています。ライナーはGoodrickのかつての同僚、Steve Swallowが担当しています。

●Musicians
Wolfgang Muthspiel / guitar
Mick Goodrick / guitar

●Numbers
1.  Throughout    
2.  Introduction To All The Things
3.  All The Things You Are    
4.  Liebeslied    
5.  Minimal    
6.  Falling Grace    
7.  Zen    
8.  R.E.M.    
9.  Darn That Dream    
10. Stella By Starlight

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