Behemoth / The Satanist(2014年)
Musician●Behemoth
Title●The Satanist(2014年)
■Amazonより購入
ポーランド出身のブラックメタルバンド「Behemoth」の新譜が出ていたので慌てて購入。実は、ふだんブラックもデスもメタル系はあまり聴きませんし、実はこの分野はあまり知らないのですが、このバンドとフランスの「Deathspell Omega」だけは例外的に長期追尾物件の中に入れております。2014年リリース。
というわけでメンバーをご紹介。
Nergal
Inferno
Orion
のトリオでこなしています。Orionって新しいメンバーかしら。フロントマンであるNergalが白血病に罹ってしまい、無事完治後、このアルバムが復帰第1作になるそうです。
Behemothの近作はブラックメタル的な要素がほとんど陰を潜め、テクニカルなデスメタルバンドへと変貌していましたが、5年ぶりの最新作では一転して本来のブラックメタルへと回帰しています。正直、ブラックメタルもデスメタルも傍目から見ればどっちもどっち、大して変わりはないと思われます。実は私の中にも両者を明確に分ける基準を持ち合わせていません。甚だいい加減な定義ですが、まずギターリフが違います。ブラックのギターリフはギターを楽曲のリズムとはあまり連動することなく、ただひたすらかき鳴らすというイメージです。ブラックもデスもいわゆる“デス声”が売り物ですが、比較的聴く人間を意識して、楽曲の中での重要要素としてデス声を発するのがデスで、曲の流れとはあまり関係なく叫び続けるのがブラック、という分け方でしょうか。そして、なぜかブラックメタルは音質が悪いです。
ただ最も決定的な違いはというと、デスは宗教(この場合、キリスト教)に対する意識はほとんど希薄なのに対して、ブラックは明確に反キリスト教、反教会を打ち出しています。そのためブラックメタルのバンドは高じて反社会的な行動をとったり、刑事事件を起こすケースも多く、いわばどちらかと言えば“子どもに聴かせたくないメタル”であることだけは確実です。
さて、この作品を転機にBehemothが反社会的な存在になったかどうかは定かではありませんが、デス志向を強めていった途上で培ったテクニカルな一面を、今度はブラックに持ち込むことによって、いままでなかったブラックメタルサウンドを作り出すこと成功しました。ブラックは苦手…という人がこの作品を好きになるかどうかは分かりませんが、少なくともメタルに興味がある人なら、頭から拒否反応を示すことはないのではないでしょうか。
ブラックに回帰したとはいえ、相変わらずの鋭い攻撃性や獰猛なサウンドはしっかり保持しつつ、破壊的なブラストビートは健在です。これは大変な作品に出会ってしましました。もちろん毀誉褒貶、賛否両論分かれる作品です。何か変化を起こそうとするときは必ず軋轢は生じるものです。
●Musicians
Nergal
Inferno
Orion
●Numbers
1. Blow Your Trumpets Gabriel
2. Furor Divinus
3. Messe Noire
4. Ora Pro Nobis Lucifer
5. Amen
6. The Satanist
7. Ben Sahar
8. In The Absence Ov Light
9. O Father O Satan O Sun!
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