King Crimson / Live In Toronto(2016年)
Musician●King Crimson
Title●Live In Toronto(2016年)
■Amazonより購入
久しぶりにKCネタです。昨年暮れに来日したKing Crimsonのライブ音源が「Collectors' Club」からリリースされたので早速入手しました。2015年11月20日、カナダ・トロントは「Queen Elizabeth Theatre」での音源をノーカット収録とのこと。
Robert Fripp / guitar,keyboards
Jakko Jakszyk / guitar,vocal
Tony Levin / bass,stick
Mel Collins / sax,flute
Gavin Harrison / drums
Bill Rieflin / drums,keyboards
Pat Mastelotto / drums
正直に言いますと、私にとってCrimsonは80年代前半から停止状態でして、その後にリリースされた「新譜」も聴いていません。これはよくある「やっぱりKCは70年代がピークだった」という旧守的な立場からではなく、ただ単純に飽きてしまったからです。Adrian Belewがいることでバンドとしての振れ幅がある程度制限されるようになったこともあり、「Beat」(1982年)あたりで個人的にはもう打ち止めという感じでした。
したがっていまのフォーマットがどういう構成なのかも知りませんでしたし、当然来日ライブを見にいこうという考えもありませんでした。ところが、どうでしょう。先行してダウンロード販売されたこの「Live In Toronto」が非常に高評価を集めているわけです。2014年のライブ音源「Live at the Orpheum」は「失望した」「往年の輝きがなくなった」などと酷評されていただけに、ほんまかいなと半信半疑のまま購入したわけです。
聴いてみて吃驚。な、なんといまはトリプル・ドラム体制なのですね。それをさておいても演奏のクオリティ、パワーとも70年代KCに匹敵するほどの出来映えであると言っても過言ではありません。もちろん録音状態も最高。私にとっての空白期間である「Beat」以降の楽曲も、すんなりと受け止めることができたのも意外です。やはり個人的ベストは[Disc 2]の「Starless」以降になってしまうわけですが、ギター兼ボーカルのJakko Jakszykはなかなか頑張っていると思います。そりゃ、John Wettonと比べたらまだまだですが、彼は彼なりの味を出していると思います。少なくともAdrian Belew在籍当時はこれらの曲は再現不能だったわけですし。
あと、話題のトリプル・ドラム体制ですが、とんでもない破壊力が効く曲とかえって仇になる曲があるように思います。特にBill Brufordの誰にも真似ができないタイム感(Brufordは決してリズム感がよかったとは思えません)が絶妙なスパイスとなって効いていた曲に対しては、トリプル・ドラムは重厚過ぎて厳しいですね。「Red」や「Starless」ではところどころで気になりました。あと、Tony Levinのベースもあまり効いていないかな。まぁ、そんな些細なことは偏屈中年の戯言だと無視していただいて、進行型2000年代KCのライブをお楽しみください♪
●Musicians
Robert Fripp / guitar,keyboards
Jakko Jakszyk / guitar,vocal
Tony Levin / bass,stick
Mel Collins / sax,flute
Gavin Harrison / drums
Bill Rieflin / drums,keyboards
Pat Mastelotto / drums
●Numbers
[Disc 1]
1. Threshold Soundscape
2. Larks Tongues In Aspic Part I
3. Pictures Of A City
4. VROOOM
5. Radical Action To Unseat The Hold Of Monkey Mind
6. Meltdown
7. Hell Hounds Of Krim
8. The ConstruKction Of Light
9. Red
10. Epitaph
[Disc 2]
1. Banshee Legs Bell Hassle
2. Easy Money
3. Level Five
4. The Letters
5. Sailors Tale
6. Starless
7. The Court Of The Crimson King
8. 21st Century Schizoid Man
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奇天烈音楽士さん,こんにちは。TBありがとうございました。
80年代以降の彼らの音楽についてのご意見は,そういうところもありだと思います。私も全部買うとかいうことはなくなりました。その分,ボックスに行ってしまうというのが実態ですね(笑)。
それにしても,この音源には驚かされました。そしてライブに行かなかったことを激しく後悔しました。まぁ,これはレパートリーゆえってところもあるかもしれませんが,非常にパワフルな演奏には本当に感心しました。これからも頑張ってくれることを期待できますね。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年4月16日 (土) 15時59分
中年音楽狂さま
TB&コメント、ありがとうございます。
KRの場合、完全コンプリートする鉄人か、我々のようにそれほどでもないけれど70年代のボックスに走るかのどちらかではないかと思います(笑)。ただ、そうなったのも、Adrian Belewを重用したFripp卿の功罪ではないかと。
とは言え、この盤はそんなことは些細なことと思えるほど、素晴らしいです。知っていたら、来日ライブも行っていたでしょうね。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2016年4月18日 (月) 22時22分