David Bowie / ★(2016年)
Musician●David Bowie
Title●★(2016年)
■iTunesよりDL
1月10日、69歳で亡くなった希代のトリックスター、David Bowie。その2日前にリリースされた「★」(Blackstar)が遺作となってしまいました。突然の訃報に驚くとともに、死に際まで何ともドラマチックでさすが“スター”は違うな~と思っていました。個人的にはDavid Bowieの存在はグラムロックの流れから出てきたミュージシャンという印象が強く、実はこれまでほとんど聴いたことがありませんでした。初期の頃では「Fame」が印象に残っている程度で、あとはSRVを擁した「Let's Dance」をレンタルしたくらいですね。だから、David Bowieについてあれこれ書くのは何だかおこがましいわけです。
でもって遺作「★」もスルーしようかと思っていたところ、当欄でもたびたび取り上げているNYCアンダーグラウンドで活躍するギタリスト、Ben Monderが参加しているという情報を得て、慌てて購入した次第です。
David Bowie / vocal,guitar,strings arrannge
Donny McCaslin / sax,flute,woodwind
Jason Lindner / piano,organ,keyboards
Tim Lefebvre / bass
Mark Guiliana / drums,percussions
Ben Monder / guitar
Tony Visconti / strings
James Murphy / percussions
Erin Tonkon / vocals
プロデューサーはTony Viscontiが務めていますが、Donny McCaslinやJason Lindner、Ben Monderなどマリア・シュナイダー楽団のメンバーが中心になっています。NYCの先鋭的ジャズミュージシャンとBowieとの接点は定かではありませんが、人脈と人脈とが繋がっていきそれぞれが共演を続けていたところが注目されたのでしょう。そんな彼らを束ねたのがTony Viscontiであり、マリア・シュナイダーということなのでしょう。参加メンバーのほとんどが年齢的に40代後半から50代前半ということで、当然のようにBowieの洗礼を受けており、少年期にはジャズ以前にロックを熱心に聴いていたであろうと思われます。したがって「Bowieのアルバムに参加しないか?」とオファーに対して、彼ら的には二つ返事で応じたことは想像に難くありません。
当欄が注目するのはBen Monderのある種変態的なギタープレイが、Bowieのアルバムにどのようにフィットするかです。#1「★」での不安感を煽るようなコードワークでいきなりMonderの面目躍如という塩梅ですね。曲中Monderは特に目立つわけではないのですが、楽曲としてのカラーを印象づけるうえで冒頭のギターは欠かせません。Donny McCaslinのサックスといい、Mark Guilianaの変態チックなドラミングも、もろにNYCアンダーグラウンドの世界そのままです。
ラスト曲「I Can't Give Everything Away」では最近のMonderとしては珍しくソロをとっていますが、これがまた素晴らしい。少しばかりRobert Fripp卿を感じられるロングトーンは、Monderの1stリーダー作「Flux」(1995年)の時点ですでに披露されていました。Monderの追っかけとしては、ついに大メジャーアルバムで「やってくれました!」と喝采したいと思います。
こちらは1975年にSoul Trainに出演した時の映像。28歳の若さでこれだけの大物感は凄いです
●Musicians
David Bowie / vocal,guitar,strings arrannge
Donny McCaslin / sax,flute,woodwind
Jason Lindner / piano,organ,keyboards
Tim Lefebvre / bass
Mark Guiliana / drums,percussions
Ben Monder / guitar
Tony Visconti / strings
James Murphy / percussions
Erin Tonkon / vocals
●Numbers
1. ★(Blackstar)
2. 'Tis a Pity She Was a Whore
3. Lazarus
4. Sue (Or in a Season of Crime)
5. Girl Loves Me
6. Dollar Days
7. I Can't Give Everything Away
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