JIM HALL / LIVE IN TOKYO(2015年)
Musician●Jim Hall(guitar)
Title●Live In Tokyo(2015年)
■HMVより購入
コンテンポラリー系ギターの始祖、Jim Hallの「Live In Tokyo」が完全版として再発売されたので早速入手しました。1976年10月28日、中野サンプラザでの音源を収録。来日公演としては3回目、自身のバンドを率いての来日は初めてだっだそうです。
Jim Hall / guitar
Don Thompson / bass
Terry Clarke / drums
というトリオ構成。このアルバム、アナログ盤で所有していましたが、プレイヤーを手放してしまってから疎遠になっていました。一度CD化されましたが気がついた時は廃盤でプレミア付きの高価に。でもってキング廉価盤シリーズから待望の再発売。またまた廃盤になること必至なので、気になる人は早めに入手のほどを。ちなみに日本の印象を綴った「Jazz Impressions Of Japan」も同時発売されています。
アナログ盤では契約の関係でカットされた大ヒット曲「Concierto De Aranjuez」と再発売時に「Concierto De Aranjuez」の身代わりにカットされた「Secret Love」が加わって、目出度く今回“コンプリート”ということです。
Jim Hallのライブ盤というと同時期の「Live!」(1976年)もあったりするのですが、まさに真正ジャズギターという感じの「Live!」と比較すると「Live In Tokyo」のほうは陽気なジャズおじさんのライブという印象をこれまでもっていました。ギターという楽器の奥深さにハマってしまうと、やっていることはどちらの盤もとんでもなく凄いのですが、こちらのほうは相変わらずテクニカルな部分をあまり感じさせません。いまになって思うと、それも芸のひとつなんだなと思えるようになってきました。
#6「St.Thomas」(Sonny Rollins作)の途中で「鉄道唱歌」の一節が出てきますが、移動中の新幹線の車内放送でこのフレーズが気に入って、コピーしたとか。茶目っ気あふれる演出と言ってしまえばそれまでですが、普通はちょっと練習しただけで、盛り込むなんて発想はしないですよね。「鉄道唱歌」の後に弾き出される怒濤のフレーズには圧倒されます。
いろいろな楽しみ方ができるライブ盤なのですが、惜しむらくはジャケットデザイン。オリジナルデザインのドヤ顔アップのほうがしっくりくるのですが。それもこれもアナログ盤を手に凝視した時の既視感が脳裏にこびりついているからなのでしょうね。ちなみに「Jazz Impressions Of Japan」も再発売時のジャケットになっています。こちらもオリジナルデザインのほうがインパクトあったのですが…
アナログ盤のジャケットデザインがこれですね
Jazz Impressions Of Japanのジャケット新旧比較(上が旧、下が新)
●Musicians
Jim Hall / guitar
Don Thompson / bass
Terry Clarke / drums
●Numbers
1. Billie's Bounce
2. Charlie Parker
3. Twister
4. Secret Love
5. Concierto De Aranjuez
6. Chelsea Bridge
7. St.Thomas
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» 非常に懐かしいなぁ:"Jim Hall Live in Tokyo" [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Jim Hall Live in Tokyo Jim Hall(Paddle Wheel) なぜかはわからないのだが,私がジャズを聞き始めて間もない頃,Jim Hallのレコードを結構買っていた。その [続きを読む]
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奇天烈音楽士さん,こんにちは。本作に関してTB頂いていながら,こちらからTB差し上げておりませんでした。大変失礼しました。
私の記事にも書きました通り,"Twister"のような曲を聞くと,Jim Hallという人は進取の精神に富んでいたという気がします。非常にプログレッシブな響きさえ感じさせます。Jim Hallって地味な印象がありますが,本質は結構奥深い人だと思いました。
ということながら,遅ればせながらこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年1月16日 (土) 16時21分
中年音楽狂さま
コメント&TBありがとうございます。
仰る通り、Jim Hallって一聴すると確かに地味なんですけれど、テクニック的には相当高度なプレイを、極力そう感じさせないように聴かせる技が凄いし、奥深いのではないかと思っています。
こればかりは聴きこまないとわからないし、聴きこんでいくうちにハマってしまうのでしょうね。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2016年1月17日 (日) 09時51分