PAT MARTINO / JOYOUS LAKE(1976年)
Musician●Pat Martino(guitar)
Title●Joyous Lake(1976年)
■ライブ会場で購入
巨匠Pat Martinoによるワーナー・ブラザース移籍第2作目で、病に倒れる前、最後のレコーディングになったアルバムです。1976年9月、アメリカはフロリダでレコーディングされています。
Pat Martino / guitar,synthesizers,percussions
Mark Leonard / bass
Kenwood Dennard / drums
Delmar Brown / piano,synthesizers
同年に録音された「Starbright」はWarren Bernhardt、Gil Goldstein、Mike Mainieri、Will Leeなどを従えた豪華面子での制作でしたが、今回は一転して無名のミュージシャンばかりを集め自ら「Joyous Lake」というユニット名を名乗ったうえでの録音になっています。このアルバム制作にあたって、Martino本人も臨んだオーディションには、ライル・メイズやヴィニー・カリウタなどの参加していたそうです。
前作「Starbright」制作から間髪入れずに作られたこのアルバムですが、サウンド面では大きく異なります。当時大流行したジャズ・フュージョンブームに乗っているという点では同じですが、楽曲・アレンジ面とも一本筋が通った硬派な作品に仕上がっています。これはドアーズやジョニ・ミッチェルなどを手がけた大物プロデューサー、Paul A.Rothchildの手腕による部分も大きいかと思われます。「Starbright」は作品としての統一感は皆無に等しくて聴く者を困惑させましたが、本作はがっつりとやりたいこと、表現したいことが伝わってきます。
サウンド自体は完全にジャズ・フュージョンなのですが、ギターは完全にMartino節のオンパレード。でも、一切の違和感は感じられません。バックとの抜群の一体感が強烈なグルーヴを生み出して、実に素晴らしい演奏に仕上がっています。この「Joyous Lake」が恒久的なユニットになったかどうかは、肝心の本人が病に倒れてしまったので、真相は不明です。タラレバになりますが、そのまま継続していたとしたらマハヴィシュヌ・オーケストラのような存在になったのではないでしょうか。
●Musicians
Pat Martino / guitar,synthesizers,percussions
Mark Leonard / bass
Kenwood Dennard / drums
Delmar Brown / piano,synthesizers
●Numbers
1. Line Games
2. Pyramidal Vision
3. Mardi Gras
4. M'wandishi
5. Song Bird
6. Joyous Lake
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» 英国にBrand Xあれば,米国にJoyous Lakeありって感じ。超カッコいい。 [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Joyous Lake Pat Martino(Warner Brothers) 後にEric Alexanderを迎えて再編をするJoyous Lakeであるが,そちらとのサウンド的な違いが結構大き [続きを読む]
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奇天烈音楽士さん,こんばんは。TBありがとうございました。
Pat Martinoが病に倒れることなく,演奏を続けていたとしたら,この路線で行ったんでしょうか。非常に興味深いところです。しかし,Martinoのフレージングって,どんなリズムでもOKのようにも思えますので,こうした路線,ストレート・アヘッドを行き来したとしても,全然問題なかったのではないかと思います。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年10月10日 (月) 20時56分
中年音楽狂さま
コメントありがとうございます。
このアルバムが出た当時はちょうど大フュージョンブーム。同世代のマクラフリンやラリー・コリエルがブーム終焉後に迷走したことを思うと、結構難しいタイミングだったのかもしれません。
結果論ですが、病に倒れたことで逆に吉と転じたのかなと、いまになって思います。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2016年10月10日 (月) 23時01分