SCORCH TRIO WITH MARS WILLIAMS / MADE IN NORWAY(2011年)
Musician●Scorch Trio
Title●Made In Noway(2011年)
■メーカーサイトより購入
フィンランド出身のフリー&爆裂系ギタリスト、Raoul Bjorkenheim率いる「Scorch Trio」のライブ音源です。アナログ盤のみの販売で限定500枚という当欄好みのレア物件。ちなみに私のシリアルナンバーは500枚宙74番です。2011年5月23日、オスロにあるカフェ(!)および2011年5月25日、Bergenという場所でのライブ音源です。それぞれ1枚ずつ収められており、この手のフリー系ミュージシャンとしては破格のアナログ2枚という圧倒的な物量です。
Raoul Bjorkenheim / guitar
Mars Williams / tenor,alto,soprano sax,flute,toys
Ingebrigt Haker Flaten / bass
Frank Rosaly / drums
という面子。ノルウェー出身のダブルベース奏者で「Atomic」のメンバーIngebrigt Haker Flatenは、「Scorch Trio」のレコーディングにも参加歴があります。Frank Rosalyはアメリカ出身の若手ドラム奏者のようですが、Ingebrigt Haker Flatenとの交流から今回のライブに参加した模様です。Scorch Trioに招かれた形になっているサックス奏者、Mars Williamsは今年御歳60歳というベテランで、NYCを拠点に活躍するフリー系ミュージシャンで、位置どりとしてはJohn Zorn関連人脈にあたるようです。どっちにしてもかなりのアンダーグラウンドぶりが感じられる人選です。
「Scorch Trio」のライブ音源は今回が初めてですが、スタジオにおいても編集作業無しの即興演奏が主体なので、彼らの意識としてはスタジオと会場との違いでしかないのでしょう。いきなりBjorkenheimのギターが火を吹くような雄叫びをあげ、リズム隊が稼働し始めるとあとはもうカオスの世界。この3人だけでも迫力満点なのですが、Mars Williamsによるフリーキーなブロウが加わることによって、さらに混迷の度を深める形に。
全曲が完全フリーなのでかなり聴く者を選ぶ作品であることは間違いないのですが、決して冗漫になることなく異常なまでのハイテンションで最後まで疾走する圧巻のプレイからは、むしろある種の爽快感さえ感じさせるから不思議です。一聴するとハチャメチャなようでいて、実は細部の部分にまで完璧にコントロールされたインプロの嵐は、相当なインテリジェンスを備えていないとできるものではありません。北欧フリーファンは必聴といえるかも。
●Musicians
Raoul Bjorkenheim / guitar
Mars Williams / tenor,alto,soprano sax,flute,toys
Ingebrigt Haker Flaten / bass
Frank Rosaly / drums
●Numbers
[Side A]
1. Sloo
2. Cosl
[Side B]
1. Loos
2. Oslo
[Side C]
1. Genber
2. Enberg
[Side D]
1. Bergen
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