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2015年9月

2015年9月27日 (日)

Rudresh Mahanthappa / Codebook (2006年)

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Musician●Rudresh Mahanthappa(alto sax)
Title●Codebook(2006年)
■Aamzonより購入


イタリアで生を受け、アメリカで育ったインド系サックス奏者Rudresh Mahanthappa(ルドレシュ・マハンサッパ)による2006年の作品。

Rudresh Mahanthappa / alto sax
Vijay Iyer / piano
Francois Moutin / bass
Dan Weiss / drums

Dan WeissはDavid BinneyやMiles Okazakiの作品で名前をよく見かけますね。フランス出身のFrancois MoutinはNguyen LeやMichael Portal,John Abercrombieなど多数共演あり。そいでもってスティーブ・コールマン提唱「M-Bass理論」のマニフェストを認めたVijay Iyerは両親がインド系移民というアメリカ人。ちなみにMahanthappaと同じ1971年生まれだとか。現代ジャズの異能たちが集結しているわけで、面子を語っているだけでワクワクしてきます。

4人中、中心人物2人がインド系ということで、その手の音楽なのかと先入観をもってしまうと思いますが、さにあらず。いい意味で裏切ってくれます。おそらく現代ジャスの先端をひた走っているであろう異能集団が生み出すタイトなポリリズムと斬新なアイディアにあふれたインプロとが渾然一体となって、ひたすら聴く者を圧倒します。緩急自在、急激なリズムチェンジと転調の嵐。すさまじいまでの緊張感が作品全体に漲っています。そこに隠し味的にインド風スパイスが効いてきます。いやー、何度聴いてもこのアルバムの凄さを文字化して伝えるのは難しいです。

●Musicians
Rudresh Mahanthappa / alto sax
Vijay Iyer / piano
Francois Moutin / bass
Dan Weiss / drums

●Number
1. The Decider
2. Refresh
3. Enhanced Performance
4. Further and In Between
5. Play It Again Sam
6. Frontburner
7. D(Dee-Dee)
8. Wait It Through
9. My Sweetest

2015年9月26日 (土)

LARRY CORYELL / AURORA CORYELLIS(2015年)

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Musician●Larry Coryell(guitar)
Title●Aurora Coryellis(2015年)
■Amazonより購入


Larry Coryellの発掘ライブ音源シリーズです。ついつい買ってしまうのですよね、特に70年代Coryellは。というわけで、[Disc 1]が1972年[Disc 2]が1976年、[Disc 3]が2002年という、まったく関連性が感じられないそれぞれの年代のライブ音源を3枚組にしたというコンセプト皆無の安易な商品です。穿った見方をすると、バラだと誰も見向きもされないから、いっそのことまとめてしまえ!的な売り方なのかしら。

当欄の目当ては[Disc 1]の1972年9月3日、ボストンで行われたJazz Workshopでのライブです。ちょうどアルバム「Offering」のリリース時期にあったようで、全4曲中3曲が同アルバムからチョイスされています。当日のメンバーは

Larry Coryell / guitar
John Miller / bass
Mike Mandel / keyboards
Steve Marcus / sax
Harry Wilkinson / drums

という珍しい組み合わせで、この面子でのライブ音源は初めて聴きました。のちに「The Eleventh House」で活動を共にするMike Mandelの名前が見られます。何と言ってもSteve Marcusの存在感がハンパなく、Coryellと同格の扱いを受けて自由奔放に暴れまくっています。煽られて弾きまくるCoryell、そして鉄壁のリズム隊。正直いってMike Mandelの存在感はあまり感じられません。あら、居たの?的な扱いですね。

音質も最近出回っている発掘音源の中での比較では、時代を考慮に入れてもかなり良質です。録音バランスも良好で、いらいらすることなく音楽に集中できます。なかなかの発掘音源だと思います。

正直言いまして、アコースティックの[Disc 2]とトリオによる[Disc 3]はあまり興味がなく適当に聴いている状況につき、割愛させていただきます。ただし往年の名曲「Spaces Revisited part One」が聴ける[Disc 3]は結構おもしろいかも。

●Musicians
[Disc 1]
Larry Coryell / guitar
John Miller / bass
Mike Mandel / keyboards
Steve Marcus / sax
Harry Wilkinson / drums

[Disc 2]
Larry Coryell / acoustic guitar solo

[Disc 3]
Larry Coryell / guitar
Jeff Chambers / bass
Paul Wertico / drums

●Numbers
[Disc 1]
1.  Offerling
2.  Ruminations
3.  Hen-Hopper
4.  Scotland Part One

[Disc 2] Live at Clark University.June 23,1976
1.  Jullie La Belle
2.  Juju
3.  Rodrigo Reflections
4.  Eyes Of Love
5.  Improvisations On Sarabance
6.  The Restful Mind
7.  Gratitude
8.  Bouquet
9.  Rene's Theme
10. Ain't It Is
11. St.Gallen
12. Spain

[Disc 3] Live at San Jose Jazz Festival.August 11,2002
1.  Trinkle Tinkle
2.  In A Sentimantal Mood
3.  Bumpin' On Sunset
4.  Manha De Carnival
5.  Spaces Revisited part One
6.  Spaces Revisited
7.  The Dragon Gate

2015年9月23日 (水)

KARIM ZIAD,HAMID EL KASRI / YOBADI(2010年)

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Musicians●Karim Ziad(percussions),Hamid El Kasri(vocal)
Title●Yobadi(2010年)
■Amazonより購入


久しぶりにライ音楽ネタです。アルジェリア出身の打楽器奏者Karim Ziad(カリム・ジアード)とモロッコ出身の歌手Hamid El Kasri(ハミッド・エル・カスリ)による共作「Yobadi」(2010年)です。「Yobadi」とは友達という意味だそうです。Karim Ziadにとっては4枚目のアルバムで「Dawi」(2006年)以来だとか。なんだかんだ言ってKarim Ziad関連音源はすべて所有してることになります。今回初めて知ったのですが、Karim Ziadってザヴィヌル・シンジケートに参加していたのですね。不勉強でした。このアルバムはNguyen Le関連作を漁っていたところ、捕獲に至りました。先に書いてしまうと明らかにNguyen Leが参加しているとわかるのは#1「Lailahailalah」#2「Yobadi」#4「Mouwal」#7「Nekcha」#8「Khalimbara」#11「Bouyandi」の6曲ですが、ほかの曲でもシンセかプログラミングなどで参加している可能性があります。

Karim Ziad関連作の中では最も民族色が濃いこのアルバム。やはりHamid El Kasriの存在が大きいです。ボーカル中心で進行するのでよけいにそう感じるのだと思いますが、野趣あふれる濃密なボーカルとそれを支える躍動するリズム隊が生み出す独特なポリリズムはライ音楽ならでは。ちなみにライ音楽とはモロッコ、チュニジア、アルジェリアなど北アフリカの民族音楽「グナーワ」とジャズやポップスなどの西洋音楽とを融合させた音楽で、フランスが国策として保護・育成している音楽ジャンルです。「グナーワ」とは、アラブ人による黒人強制労働政策によって北アフリカに連れて来られた西アフリカ人の伝統音楽とイスラム音楽とが融合したもので、アフリカの呪術的要素とイスラム神秘主義とが混在した一種独特の音楽だとか。「グナーワ」には、gumbri(ゲンブリ)という箱型のウッドベースが多用されるのですが、Hamid El Kasriは優れたボーカリストであるとともに、このgumbriの名手だそうです。一聴してどれがgumbriの音なのかはわからないのですが、たとえば#1「Lailahailalah」のイントロで聴かれるモコモコとしたベース音はおそらくgumbriによるものだと思われます。

ちなみにgumbriはこんな楽器です。先日のヨルタモリで見かけました。

Images



●Musicians
karim Ziad / percussions
Hamid El Kasri / vocal,gumbri
Khaled / vocal
David Aubaile / flute
Nguyen Le  / guitar
Alain Debiossat / soprano sax
Vincent Mascart / alto sax
Daniel Zimmermann / trombone
Linley Marthes / bass
Machel Alibo / bass
Bojan Z / piano
Chris Jenning / drums
Scott Kinsey / piano,synthesizers
Said Ait / trombone
Amir Ali / violin
Jacques Shwarz-Bart / sax
Abdelkeir Merchane / vocal

●Numbers
1.  Lailahailalah
2.  Yobadi
3.  Bania
4.  Mouwal
5.  Moulay Ahmed
6.  Banouar (duo with Khaled)
7.  Nekcha
8.  Khalimbara
9.  Aicha
10. Hajambirika
11. Bouyandi
12. Bayo

2015年9月22日 (火)

TRIBAL TECH / REALLITY CHECK(1995年)

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Musician●Tribal Tech
Title●Reality Check(1995年)
■ディスクユニオンで購入


Scott Henderson(guitar)とGary Willis(bass)による双頭バンド「Tribal Tech」の7枚目のアルバムです。1994年11月録音、1995年リリース。正式に「Tribal Tech」を名乗りはじめてからは4枚目に当たります。

Scott Henderson / guitar
Gary Willis / bass
Scott Kinsey / keyboards
Kirk Covington / drums

という最強&鉄板の布陣。クレジットを見るとSpecial ThanksとしてAllan Holdsworthの名前が見られますが、巨匠から何らかのアドバイスがあったということなのでしょうね。このメンバーに固定されてから3作目になるのですが、ある意味ここで彼らのスタイルが確立された感があります。同年2月にスコヘンは「Dog Party」という自身初のソロアルバムを出しているのですが、この時期から自身名義ではブルース、Tribal Techではハードフュージョンと棲み分けを始めています。言ってみれば二足の草鞋なんですが、このアルバムではそれが見事に成功していると思います。

前作「Face First」(1993年)では、「Dog Party」の予行演習的にコテコテのブルースやボーカル曲が出てきて若干戸惑ったのですが、ここでは上手に使い分けていますね。ブルースを一掃しているということではなく、たとえばブルースにしても#5「Worlds Waiting」のようなアレンジを施すことで、アルバム全体の中で違和感なく溶け込ませています。ほかにもカリプソ調あり、ファンク調あり、4ビートありと曲調は多彩に富みますが、個人的には#1「Stella By Starlight」から#2「Stella by Infra-red High Particle Neutron Beam」で聴かれる静から動へのダイナミックな展開が実に心地よく、トップ曲からいきなりの決定打を食らった気分です。そういえば「Tribal Tech」はトップ曲に究極のキラーチューンを配してくるケースが多いですね。圧倒的な突進力で、聴く者の心を鷲掴みしたうえで、畳みかけるように攻め立てる攻撃力にはいつも圧倒されます。

●Musicians
Scott Henderson / guitar
Gary Willis / bass
Scott Kinsey / keyboards
Kirk Covington / drums

●Numbers
1.   Stella By Starlight
2.   Stella by Infra-red High Particle Neutron Beam
3.   Nite Club
4.   Speak
5.   Worlds Waiting
6.   Susie's Dingsbums
7.   Jakarta
8.   Hole In The Head
9.   Foreign Affairs
10.  Premonition
11.  Reality Check

2015年9月21日 (月)

Asturias / In Search Of The Soul Trees(2006年)

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Musician●Asturias
Title●In Search Of The Soul Trees(2006年)
■Amazonより購入


“日本のマイク・オールドフィールド”と呼ばれる大山曜さん率いる「Asturias」の最高傑作「In Search Of The Soul Trees」です。2006年リリース。邦題は「樹霊」。2014年にボーナストラックを追加して再発売されました。恥ずかしながら「Asturias」を聴くのは初めてという状態で、作品間の比較ができず何をもってして最高傑作とするのかよくわからないのです。実はマイク・オールドフィールドも「チューブラー・ベルズ」くらいしか聴いたことがないという体たらく(汗)。あっ!こういう場合こそApple Musicのお世話になればいいのだ。

「Asturias」の主宰、大山曜さんの手法は一人でできる限り多くの楽器を演奏し多重録音し、スタジオワークでじっくりと作り込んでいくタイプだとか。いわばマルチミュージシャンですね。そこにゲストミュージシャンによる音源をオーバータブして作られたのがこのアルバムです。今回は12人のミュージシャンを迎えています。

当欄の注目はギター奏者なのですが、「日本のHoldsworthian」栗原務さん(「Lu7」)、津田治彦さん(「新月」)、平田聡さん(「FLAT122」)の3人のギタリストが参加しています。なかでも栗原さんは「Lu7」で一方的にずいぶんお世話になっているわけで、これは聴かないといけません。

全体が大きく2部構成に分かれ組曲形式になっているこの大作は、一貫して「森をさまよっているようなイメージ」で描かれています。1部はやや静寂な感じで進行し、2部は一転して動的な楽曲が中心になり、実に変化に富んでいます。大山さんが3人のギタリストを起用しているのも、それぞれの持ち味を有効に生かして楽曲に彩りを加えたいという狙いからでしょう。とにかくあらゆる楽器が渾然一体となって、聴く者を幻想世界へと誘ってくれます。なるほど“日本のマイク・オールドフィールド”の異名に合点がいきました。大山さん自身が書いた詳細なライナーをご一読いただければ、その精緻さを極める楽曲作りに驚かされるはずです。

栗原務さんは#5「woods 迷いの森」に参加しています。例によってウネウネと歌い上げるテクニカルかつメロディアスな栗原節に魅了されます。

●Musicians
大山曜 / acoustic guitar,spanish guitar,electric guitar,bass,mandolin, keyboards,glockenspiel,harp,cello,percussions,synthesizer programming

津田治彦 / guitar:新月
栗原務 / guitar:Lu7
平田聡 / guitar:FLAT122
花本彰 / mellotron:新月
川越好博 / acoustic Asturias
筒井香織 / clarinet,recoder:acoustic Asturias
伊藤恭子 / violin:acoustic Asturias
北辻みさ / violin
佐々木しげそ / drums
那須野綾 / peecussions
いとうかなこ / chorus
Hassy / chorus

●Numbers
Part1
 1.   spirits 精霊の踊り
  2.   revelation 啓示
  3.   reincarnation 輪廻転生
  4.   fountain 源流
  5.   woods 迷いの森
Part2
  6.   pilgrimage 巡礼
  7.   paradise 雲上の楽園
  8.   woods storm 嵐
  9.   soul trees 木霊
  10.  dawn 夜明け
  11.  dance das  borboletas(bonus track)

大山さんによるアルバム解説はこちら♪

2015年9月20日 (日)

TRIBAL TECH / ILLICIT(1992年)

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Musician●Tribal Tech
Title●Illicit(1992年)
■Amazonで購入


Scott Henderson(guitar)とGary Willis(bass)による双頭バンド「Tribal Tech」名義による5枚目のアルバムです。正確に言うと「Tribal Tech」としては2作目で、それ以前の3作は「Scott Henderson & Tribal Tech」名義でした。現在、本作と「Face First」(1993年)が「Fusion1000シリーズ」として廉価にて発売中です。オリジナルは1992年発売。ジャズCDの個人ページBlogさんがTribal Tech関連7連投という偉業を成し遂げていらっしゃるので、触発されております♪スコヘン関連作はかなりレヴューしてきたつもりでいましたが、なぜか本作が抜けていましたので、補完的な意味もあってアップします。

Scott Henderson / guitar
Gary Willis / bass
Scott Kinsey / keyboards
Kirk Covington / drums

このアルバムからメンバーが固定化されました。なるほどScott KinseyとKirk Covingtonのメタボ2人組加入の効果は大きく、特にKirk Covingtonの人間業を越えた超絶ドラムの貢献度は大ですね。

前作「Tribal Tech」(1991年)もかなりの完成度でしたが、このアルバムをもって「Tribal Tech」の作風が確立されたように思います。特にポップ調のイントロから一転してシリアスなハードコアフュージョンへ移行する#1「The Big Wave」で披露される見事なチェンジ・オブ・ペースは彼らの真骨頂の最たるものです。途中からGary Willisのフレットレスベースによる流麗なソロが全面に押し出されますが、バンドリーダーとしてのWillisによる決意表明ではないかと思います。

この手のアルバムは往々にしてしばらくすると廃盤になってしまうケースが多いので、安く手に入るうちにぜひ♪

●Musicians
Scott Henderson / guitar
Gary Willis / bass
Scott Kinsey / keyboards
Kirk Covington / drums

●Numbers
1.  The Big Wave
2.  Stoopid
3.  Black Cherry
4.  Torque
5.  Slidin' into Charlisa
6.  Root Food
7.  Riot
8.  Paha-Sapa
9.  Babylon
10. Aftermath

2015年9月19日 (土)

LENNY BREAU / THE VELVET TOUCH OF LENNY BREAU - LIVE!(1969年)

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Musician●Lenny Breau(guitar,vocal)
Title●The Velvet Touch Of Lenny Breau - Live!(1969年)
■Amazonより購入


60年後半代から両手タップ奏法を編み出していた異能のギタリスト、Lenny Breauの幻の名盤「The Velvet Touch Of Lenny Breau - Live!」が突如として再発売されています。オリジナル盤はRCAから1969年リリース。カリフォルニア「Shlly's Manne Hole」でのライブ音源です。

詳細は前回レヴューをご覧になっていただければと思いますが、作品としての完成度はさておいても、両手タップをはじめ、美しいハーモニクス奏法は筆舌に尽くしがたい強烈な印象を与えます。果ては7弦ギターを使ったり(このライブで使っているかは不明)、傍若無人なフィードバック奏法を披露するなど、まあやりたい放題なんです。Lenny Breauは元々ギターアイドルだったChet Atkinsの門下生で、デヴュー作もChet Atkinsのプロデュースだったとか。カントリーからジャズに転向した変わり種ですが、だからこそ自由なアイディアが生まれたのでしょうね。

以前はオークションで法外な高値がついていた幻の音源。入手できるうちにぜひ!

●Musicians
Lenny Breau / guitar
Ron Halldorson / bass
Reg Kelln / drum

●Numbers
1. Tuning Time
2. No Greater Love
3. Claw
4. Indian Reflections for Ravi
5. That's All
6. Blues Theme
7. Mercy, Mercy, Mercy
8. Spanjazz
9. Bluesette
10. Taste of Honey
11. Blues Theme, No. 2

2015年9月13日 (日)

ANTONIO FARAO / BOUNDARIES(2015年)

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Musician●Antonio Farao(piano)
Title●Boundaries(2015年)
■Amazonより購入


当欄では初お目見え、初聴き音源&ミュージシャンです。イタリア出身で今年50歳という鍵盤楽器奏者、Antonio Faraoの最新盤です。2015年リリース。珍しく密林のレコメンドに乗っかったというか、ジャケットの一種異様さぶりにビビってしまい脅迫されてポチってしまった、というのが真相なんですが。まぁ、珍しく直感が働いたという感じです(笑)。2015年4月21日、22日、イタリアにて録音。版元は「Verve」。

Antonio Farao / piano
Mauro Negri / tenor and soprano sax
Martin Gjakonovsky / bass
Mauro Beggio / drums

ゲストミュージシャンとしてアルト奏者が2曲に参加しています。全8曲中、#2がTony Williams、#3がHarbie Hancockの曲で残り6曲がFaraoによるもの。カバー曲をみれば、Faraoのルーツ的なものはある程度見てとれます。基本カルテット構成でテナー(アルト)と鍵盤とが絡み合い、リズム隊が彩りを加えるというオーソドックスなスタイル。テイストとしてはいまのメーンストリームジャズに欧州スタイルのダークである意味陰鬱な要素を加えてみました、というイメージ。言葉として表現するのはなかなか難しいのですが、一言で言ってしまえば、いきなり1曲目からとにかく格好いいわけです。サックスがダークな部分を受け持ち、Faraoの鍵盤が攻撃的な要素とリリシズム的な要素という相反するモノを一手に引き受け、強靱で活力あふれるリズム隊がガッツリと支える、しかも各パートの役割分担が絶妙なバランスでもって見事なグルーヴ感を生み出す。自分で書いていてなんのこっちゃよくわからないのですが、久しぶりに“生きたジャズ”を聴いた感があります。

さんざん心を乱されたあげく、ラスト#7「Around Phrygian」でのECM的で見事なクールダウンには、手練れというか思わす「ずるい!」と心の中で叫んでしまいました。Farao君、相当な“たらし”です。

●Musicians
Antonio Farao / piano
Mauro Negri / tenor and soprano sax
Martin Gjakonovsky / bass
Mauro Beggio / drums

Luigi Di Nunzio / alto sax on #4,#6

●Numbers
1.  Boundaries
2.  Hand Jive
3.  Maiden Voyage
4.  Coolfunk....
5.  My Sweetest
6.  Not Easy
7.  Around Phrygian

2015年9月12日 (土)

Allan Holdsworth / Earth(2015年)

Download
Musician●Allan Holdsworth(guitar,synthaxe)
Title●Earth(2015年)
■メーカーサイト「Pledge Music」よりDL


昨年引退説が流れた巨匠Allan Holdsworthの“新曲”がリリースされました。自身名義の作品としては「The Sixteen Men of Tain」(1999年)以来ですから何と16年ぶりという計算ですね。やれやれ。そもそもは新作「Tales From The Vault」を鋭意制作中とアナウンスされてから久しいのですが、例によって極端な完璧主義ゆえに、作業も遅々として進まず。さすがにこれ以上待たせたら拙いという判断が働いたのか、先に出来上がった曲をネット限定で先行リリースしたようです。

というわけで「Tales From The Vault」の予約注文をかけていた「Pledge Music」より、ほれ1曲出来たからダウンロードしなはれ的なメールが届き拝聴している次第です。「Earth」という曲なのですが、ギターソロ入りとソロ抜きの2ヴァージョンでファイル形式はMP3とFlacから選択できます。ソロ抜きって、回転寿司のサビ抜きじゃないんだから!と突っ込みを入れながらも、やっぱり巨匠の新曲を聴ける喜びは何よりも勝ります。ちなみに「Pledge Music」にはアカウント登録が必要みたいですね。

この「Earth」自体にはクレジットの詳細がないのですが、アルバム「Tales From The Vault」には、

Jimmy Johnson / baas
Chad Wackerman / drums
Gary Husband / keyboards
Virgil Donati / drums
Jimmy Haslip / bass

が参加しており、同サイトのプロモ映像にはJimmy JohnsonとVirgil Donatiの姿が映り込んでいます。今回の曲もドラムの感じからするとVirgil Donatiで、ベースソロはJimmy Johnsonではないかとネット上では囁かれています。ちなみにプロデュースは知る人ぞ知る「Outloud」のリーダー兼ギタリストJohn McCrackenが担当しています。John McCracken唯一の作品「Blood For A Tone」(1992年)はこちらで紹介しています。

さて、肝心の曲なんですが「The Sixteen Men of Tain」の頃からほとんど変わっていないというか、相変わらずの金太郎飴状態。相変わらずsynthaxeは使っているようで妙に長いイントロから満を持して巨匠のソロが高らかに鳴り響きます。うーん、変わっていないな~。一方で、数年にわたって書き上げた新曲という割には、何も変わっていないのはどういうことよ?と思わないでもありません。ところで、タイトル下画像はサイトから届いたものですが、どういうわけかレスポールです。これも巨匠一流の洒落なんでしょうか。

●Musicians
Allan Holdsworth / guitar,synthaxe
Jimmy Johnson / baas
Chad Wackerman / drums
Gary Husband / keyboards
Virgil Donati / drums
Jimmy Haslip / bass

●Numbers
1.  Earth no solos
2.  Earth w:solos

2015年9月 6日 (日)

矢堀孝一 / YOU WERE THERE(2015年)

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Musician●矢堀孝一(guitar)
Title●You Were There(2015年)
■Amazonより購入


日本を代表するジャズロックユニット「Fragile」のギタリスト、矢堀孝一さんによるソロアルバムです。2015年リリース。ソロ名義としては「Bloomfield」(2010年)以来5年ぶり、4枚目の作品になります。版元は日本のジャズフュージョン界を支える「Vega Music Entertainment」。2015年5月16日、17日レコーディング。

矢堀孝一 / guitar
岡田次郎 / bass
安部潤 / keyboards
大槻“カルタ”英宣 / drums

最近では「Lu7」などでの活動で超売れっ子ベース奏者、岡田次郎さんの参加がポイントですね。まず#1「You Were There」を聴いてびっくり。これまで矢堀孝一さんのソロはすべて聴いていますが、個人的にこれまでの最高傑作だと思う前作「Bloomfield」を遙かに上回る出来映えではないですか!「Fragile」での矢堀さんのプレイは、いい意味でも悪い意味でも、「Fragile」という枠組みを意識しているように聴こえるのですが、ソロ名義だと一挙に自由性が増すというか、実に伸びやかなプレイを聴かせてくれます。楽曲も「Fragile」よりもかなりジャズ寄りになっています。ギター弾きまくりの#2「The Gout」、安部さんの心地よい鍵盤と岡田さんの流麗なベースが印象的な#4「Take Me The Green」、切々と矢堀さんが歌い上げる#5「Rendulum」、アコギと生ピアノとの絡みがあまりに美しい#7「Flamingo」、変則リズムが何とも心地よい#9「Lip Out」など一切の捨て曲なしの好盤。

●Musicians
矢堀孝一 / guitar
岡田次郎 / bass
安部潤 / keyboards
大槻“カルタ”英宣 / drums
guest musician
Stan Killian / sax on #3

●Numbers
1.  You Were There
2.  The Gout
3.  How Incentive
4.  Take Me The Green
5.  Rendulum
6.  Hailstorm
7.  Flamingo
8.  Villegas
9.  Lip Out

2015年9月 5日 (土)

John McLaughlin / Black Light(2015年)

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Musician●John McLaughlin(guitar)
Title●Black Light(2015年)
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今年で御歳73歳、ギター界の現人神John McLaughlinの新譜が出たので早速入手しました。例によってAbstract Logixからのリリースでボートラ付き日本盤が先行発売されています。「4th Dimension」名義としては「To The One」 「Now Here This」に続く3作目にあたりますが、ライブ盤「The Boston Record」が挟まったりするのでそれを含めると4作目ですかね。

John McLaughlin / guitar
Gary Husband / keyboards,drums
Etienne Mbappe / bass
Ranjit Barot / drums

カメルーン出身の名手、Etienne Mbappeはザヴィヌル・シンジケートに在籍していた頃からMcLaughlinが目を付けていたそうです。個人的な好みで言えばどうもGary Husbandが苦手でして、要するに担当が鍵盤なのか打楽器なのか、どっちかに専念せえや!という話なんですね(笑)。マルチプレイヤーと言えば聞こえがいいのですが、この人の場合はどっちつかずの感が強くて、どうもいけ好かないのですよね。せっかくの逸材Ranjit Barotがいるのですから、ダブル打楽器なんて野暮な真似をすることはないと思うのですが。

あだしごとはさておき、「4th Dimension」での活動がスタートしてからのMcLaughlinは回春効果なのかわかりませんが、ますます血気盛ん、まだまだ若いもんには負けられんぞという気迫に漲っているように思います。実際、負けないどことか絶対能力で圧倒しまくっているわけです。本作の作風は前2作の延長線上にありますが、少しばかりロック色が強まったように感じられます。それとやはりRanjit Barotの存在感が大きいですね。McLaughlinの老獪な変則技に対して機敏に反応し、さらに緊迫感あふれる空間を作り出しています。Ranjit Barotによるインド風ラップが炸裂する#2「Clap Your Hand」や#4「Panditji」#8「Kiki」などで味わえる尋常でない疾走感はBarot抜きでは考えられません。#6「El Hombre Que Sabia」は昨年亡くなったスペインの至宝でありかつての盟友、パコ・デ・ルシアに捧げた曲。実は2人によるアルバム制作の計画があり、この曲をパコ・デ・ルシアに聴かせた数日後、滞在先のメキシコで客死してしまったというエピソードがあるとか。本来なら2人で演奏していただろうと思いながら聴くと感慨深いものがありますね。

最後に日本盤のみのボートラ#9「Nothing To Lose But The Blues」ですが、これがボートラ扱いにしておくのは勿体ないくらいの出来映え。バリバリ弾きまくるMcLaughlin、Mbappeの強力ベース、そしてBarotの高速ドラムとが三位一体となって、とてつもないハードボイルドな世界を構築しています。10月にこのメンバーで来日公演が予定されているのですが、これは絶対に見逃してはならないですね♪

●Musicians
John McLaughlin / guitar
Gary Husband / keyboards,drums
Etienne Mbappe / bass
Ranjit Barot / drums

●Numbers
1.  Here Come The Jiis
2.  Clap Your Hand
3.  Being You Being Me
4.  Panditji
5.  360 Flip
6.  El Hombre Que Sabia
7.  Gaza City
8.  Kiki
9.  Nothing To Lose But The Blues

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