PAT MARTINO / STARBRIGHT(1976年)
Musician●Pat Martino(guitar)
Title●Starbright(1976年)
■ライブ会場で入手
巨匠Pat Martinoによる来日公演の興奮冷めやらぬ日々を過ごしているわけですが、ライブ当日、会場(Cotton Club)での物販コーナーで勢いで買ってしまった物件です。会場ではこの盤と「Joyous Lake」(1976年)が並ぶ形で陳列されていたのですが、後になってふと我に返ってみると「Starbright」とのカップリング盤を所有していること気がついた次第です。恐るべし、ライブの魔力。1976年リリースで、Museを経てワーナーブラザースとのメジャー契約後の第1作目にあたるそうです。
Pat Martino / guitar,synthesizers
Warren Bernhardt / synthesizers
Michael Carvin / drums
Charles Collins / drums
Gil Goldstein / keyboards
Will Lee / bass
Alyrio Lima / percussions
Mike Mainieri / synthesizers
Marty Quinn / tabla
Albert Regni / flute
Joseph d'Onofrio / violin
これまでほとんどカルテット単位、ハードバップ一本槍で活動してきたMartinoがワーナーに移籍した途端にこの豪華メンバーです。この盤がリリースされた1976年と言えば、ご存じのように折しも“一大フュージョンブーム”の最中。ワーナーとしては名手Martinoを抱き込むことによって、新たなギターヒーローを送り出したかったに違いありません。Warren BernhardtやWill Lee、Mike Mainieriといった当時の若手ミュージシャンを配してきたことからもその狙いは明白です。ワーナー側の提案に対してMartinoがどのように考えたかは、病による後遺症で本人の記憶が曖昧なので定かではありませんが、移籍によって音楽表現の可能性を広げたかったことは確かだと思われます。
この盤の良いところでもあり、最大の欠陥でもあるのが「統一感の欠如」。メジャー感満載のいわゆるフュージョンサウンドで聴く者を戸惑わせたと思ったら、あまりに美しいアコギで悩殺したりと、いったいこのアルバムで何を伝えたいのかが不明瞭なのです。言葉は悪いですが、いろいろと美味しいところだけを集めてみました的な臭いがプンプンとしてくるのです。まぁ、時代背景として、そんな堅苦しいことはどうでもいいじゃん的な浮ついた風潮があったことは確かですが。もちろん盟友Gil Goldsteinとの美しいデュオ#2「Eyes」、W.Shorterによる#4「Fall」、#8「Nefertiti」、Goldstein作の#「City Light」、そして極めつけはソロによる#11「Prelude」などさすがと思わせる曲もあるのですが、考えてみたら個人的に気に入ったのはほとんどがGil Goldstein絡みなんですよね。ほかの曲との落差があまりにも激しいので、困惑してしまうわけです。
ご存じの通り、「Joyous Lake」リリース後、Martinoは病に倒れてしまい長い闘病生活とリハビリ入ってしまうのですが、この盤はいわば闘病前のあだ花的な音源だと言ってもいいでしょう。
●Musicians
Pat Martino / guitar,synthesizers
Warren Bernhardt / synthesizers
Michael Carvin / drums
Charles Collins / drums
Gil Goldstein / keyboards
Will Lee / bass
Alyrio Lima / percussions
Mike Mainieri / synthesizers
Marty Quinn / tabla
Albert Regni / flute
Joseph d'Onofrio / violin
●Numbers
1. Starbright
2. Eyes
3. Law
4. Fall
5. Deeda
6. Starbight Epilogue
7. Masquerada
8. Nefertiti
9. Blue Macaw
10. City Lights
11. Prelude
12. Epilogue
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