【再聴】ALLAN HOLDSWORTH / ALLAN HOLDSWORTH GROUP THEN!(1990年)
Musician●Allan Holdsworth(guitar,barritone guitar)
Title●Allan Holdsworth Group Then!(1990年)
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ギターマエストロAllan Holdsworthのリマスター盤再聴シリーズです。これが最後になりますね。
2002年にリリースされた初のオフィシャルライブ盤「All Night Wrong」に続いて出たのがこの「Then!」です。個人的には「All Night Wrong」のほうが圧倒的に好きだったこともあり、このアルバムはあまり好みではなかったのですよね。1990年5月4日~6日、六本木ピットインでの音源です。このライブ盤、当初は御大からのOKが出ずにお蔵入りになっていたのですが、御大の信奉者である、Christopher Hoardという人がねばり強く交渉した結果、やっと陽の目を見たという代物。Christopher Hoard主宰のインディーズレーベル「The Alternity Records」からは先行して「The Best Of Allan Holdsworth / Against The Clock」という自身初のベストが発売されているのですが、この発掘盤はベスト盤とのセット企画だったようです。
参加メンバーを整理しましょう。
Allan Holdsworth / guitar,barritone guitar
Steve Hunt / keyboards
Gary Husband / drums
Jimmy Johnson / bass
1988年のツアーから帯同している鍵盤楽器奏者で、アルバム「Secrets」制作にも参加したSteve Huntの存在が目を引きます。また「Wardenclyffe Tower」で初めて使用したバリトンギターを試用しているあたりがポイントでしょうか。1990年は時期的に「Secrets」リリース直後ということになります。整音作業は施されているそうですが、オーヴァーダビングなどは一切行われていないそうで、ジャケットの「生」の漢字がそのことを表現しているのでしょうか。
#1 Zone 1
アルバム未収録のインプロ。いきなりバリトンギターの登場です。フリーめの曲なのですがこの時期好んでプレイされていましたね。Steve Huntの鍵盤がいかにもしょぼくて…
#2 Proto Cosmos
New Tony Williams Lifetime「Believe It」(1975年)収録曲。御大はこの曲がよほどのお気に入りのようでことある機会にプレイしていますね。Holdsworthyプレイヤーもよくカヴァーしています。わかりやすい曲なので、ツカミとしてはOK。でも、やっぱりHuntの鍵盤がしょぼくて…
#3 White Line
「I.O.U.」(1982年)収録曲。オリジナルはPaul Williamsのボーカル入りでしたが、ギターがカヴァーする形に。これはこれで良いと思います。そういえば「Road Games」(1983年)収録曲「Three Sheets To The Wind」のWillimsボーカル入りバージョンもブートで聴いたことがあります。後半のギターソロが熱いですね!
#4 Atavacron
アルバム「Atavacron」(1986年)収録曲。ここでもHuntの鍵盤が非力で苦痛に感じるのですが、御大の素晴らしいソロが帳消しにしてくれています。
#5 Zone 2
再びフリー的なのインプロ。何度も言いますが御大のいうフリーは、ごく一般にいわれるフリージャズとは異なると思います。要は弾き倒しのギターにおまえらしっかりついて来いよ、という感じでしょうか。唯我独尊的フリーというやつです。
#6 Pud Wud
アルバム「Sand」(1987年)収録曲。この曲もライブで好んでプレイされていたようです。リラックスした感じで張りつめた緊張感をほぐす役割があったのでしょうか。アルバムとしての「Sand」が苦手ですが、この曲はすきです。でも、Huntの鍵盤が…。どうしてもHuntが重用された理由がわかりません。
#7 House Of Mirrors
アルバム「Hard Hat Area」(1993年)収録曲。かなり先行して披露されていることになりますが、観測気球的にオーディエンスの反応を確かめたかったのかもしれませんね。でも、ほとんど完成系に仕上がっています。
#8 Non-Brewed Condiment
アルバム「Atavacron」(1986年)収録曲。この曲を初めて聴いたときは度肝を抜かれましたが、相変わらず素晴らしいですね。この曲のソロを聴けただけでも十分お釣りが出ます。
#9 Zone 3
三度、フリー的なインプロ。7分にもわたる長尺は、いくらファンであってもちょっとキツいです…
#10 Funnels(bonus track)
日本盤オンリーのボートラ。アルバム「Atavacron」(1986年)収録曲。相変わらず美しく流麗なソロにうっとりとさせられます。ボートラ扱いになってしまった理由はわかりませんが、知らないままに輸入盤をつかまされた人は気の毒ですね。
ところで、今回再発売になった紙ジャケット仕様なんですが、初回発売のライナーに掲載されていた写真などは一切カットされてしまっています。居酒屋でくつろぐ御大の写真などは味があって好きだったのですが…
●Musicians
Allan Holdsworth / guitar,barritone guitar
Steve Hunt / keyboards
Gary Husband / drums
Jimmy Johnson / bass
●Numbers
1. Zone 1
2. Proto-Cosmos
3. White Line
4. Atavacron
5. Zone 2
6. Pud Wud
7. House Of Mirrors
8. Non-Brewed Condiment
9. Zone 3
10. Funnels(bonus track)
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