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2015年3月14日 (土)

【再聴】ALLAN HOLDSWORTH / THE SIXTEEN MEN OF TAIN(1999年)

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Musician●Allan Holdsworth(guitar,synthaxe)
Title●The Sixteen Men of Tain(1999年)
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ギターマエストロAllan Holdsworthのオリジナルアルバムを再聴するシリーズです。
前作「None To Soon」(1996年)から3年ぶりにリリースされたこのアルバムですが、自ら立ち上げたプロダクションは倒産してしまい、このアルバムはエディ・ジョブソンのインディ・レーベルからリリースされています。ジョブソンはエグゼプティヴ・プロデューサーという形で関わっていますが、彼にしても盟友の窮状ぶりを目の当たりにして何とかしたかったのでしょうね。でも、事態は好転することなく御大は離婚に追い込まれ、慰謝料としてスタジオも没収されてしまいます。経済的にも精神的にも最低の状態でレコーディングされたのが、「Flat Tire」(2001年)というわけですが、個人的には感心できるアルバムとはとても言い難く、でもってこの「Sixteen~」が御大にとって、現時点では最新作という位置づけになっています。もうあれから16年も経ってしまいましたよ、旦那!

Allan Holdsworth / guitar,synthaxe
Dave Carpenters / bass
Gary Novak / drums
Walt Fowler / trumpet on #2,#6
Chad Wackerman / drums on #7

Dave CarpentersとGary Novakの二人はお初ですね。ペット奏者のWalt Fowlerという人もゲスト参加していますが、御大とペット奏者の共演はBrufordでのKenny Wheeler以来ではないでしょうか。このアルバム、初回盤は「Gnarly Geezer Records」というところからリリースされましたが、その後版権移動があり、「Special Edition」としてボーナストラック2曲を追加したうえで再発売されています。今回リマスター化されたのは再発売ヴァージョン。ボーナストラックは既存曲の「後」に加えるのが通例ですが、アルバム頭と最後に加えて既存曲をサンドイッチにするという変則構成をとっています。Gnarly Geezer Recordsといえば、御大にとって初めてのライブDVDを出した版元なんですが、なんと本人の許諾をとっていなかったとか。確かにあの映像は酷かったです。版権移動もそのあたりが原因なのでしょうか。

#1  San Onofre
いきなりのボートラです。黒澤明監督「用心棒」を思わせる重厚なSEとともにスタート。曲というよりもセッション的な雰囲気ですね。御大のギターは最初ゆったりとスタートしますがやがて火が点いて激しい感じへと移行します。

#2  0274
本来のオープニング曲。このアルバムテーマはジャズらしいのですが、ジャズというよりもプログレ的な臭いのほうが強く感じられます。ためのリズム隊の変更なのだと思いますが、どうも本人の意図が上手く伝わらないのはいつものことなのですが…。確かにGary Novakはジャズ的なプレイヤーだと思います。どことなく70年代の頃のKenny Wheelerを思わせるWalt Fowlerですが、はたして本当に必要なのかは悩むところです。

#3  Sixteen Men of Tain
基本4ビートのジャズ的な曲。いまは亡きDave Carpentersのウッドベースがそれらしい雰囲気を醸し出しています。でも何をやってもHoldsworth節なんですよね。ライブでも好んで取り上げていたようです。

#4  Above and Below

スローめの優しい感じの曲。「Metal Fatigue」あたりからこんな感じの曲が登場しはじめましたね。インプロよりも展開で聴かせるタイプです。

#5  Drums Were Yellow

亡きTony Williamsに捧げた曲。これはGary Novakにとってはえらくハードルが高いですね。しかも御大とのデュオだし。確かに御大のギターにはどえらい気合いが込められているのですが、ギターとドラムとのデュオというのは2人ともに相当な表現力がないと厳しいです。

#6  Texas
妙に展開が面白い曲ですね。ここでもWalt Fowlerが登場しますが、あまり機能していないように思えるのですが…。

#7  Downside Up
この曲のみChad Wackermanが参加しています。安定のWackermanという感じですね。曲途中からの御大のソロも気持ちよさそうでとてもいい感じです。あいも変わらないHoldsworth節の連続ですが、何だかほっとできるのも事実です。

#8  Eidolon

synthaxeを駆使した曲です。間延びしたようなソロが…すみません、どうしてもこの楽器だけには馴染めません。

#9  Above and Below (Reprise)
本来ならアルバムの締めの一曲。タイトル通り、#4の続編的な曲だと思われます。synthaxeのみの曲なのでどうにもこうにも…。

#10  Material Unreal

アルバム「Road Games」収録曲「Material Real」をもじった曲なのでしょうか。はたしてこの曲が必要なのか不要なのかは何とも言いようがありません。

●Musicians
Allan Holdsworth / guitar,synthaxe
Dave Carpenters / bass
Gary Novak / drums
Walt Fowler / trumpet on #2,#6
Chad Wackerman / drums on #7

●Numbers
1.  San Onofre
2.  0274
3.  Sixteen Men of Tain
4.  Above and Below
5.  Drums Were Yellow
6.  Texas
7.  Downside Up
8.  Eidolon
9.  Above and Below (Reprise)
10. Material Unreal

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