Lu7「Azurite Dance」を再聴
Musician●Lu7
Title●Azurite Dance(2014年)
■Amazonより購入
大変ご無沙汰しております。相変わらず生活がバタバタしている状況で、思うようにブログが更新できないのですが、何とか継続することを念頭に頑張っていきたいと思います。
さてさて、昨年から継続している案件です。鍵盤楽器奏者・梅垣ルナさんとギター奏者・栗原務さんによるジャズフュージョンユニット「Lu7」(エルユーセブン)のアルバムを再聴するシリーズ第4弾です。
前作「Bonito」から4年ぶりの新譜ということになります。この間、梅垣さんは子育てに専念されていたとのことでまさに満を持しての新作ということになりますね。
梅垣ルナ / keyboards,merlodion,koshi chime,gamelan ball,piano
栗原 務 / guitar
岡田治郎 / bass on #1,#2,#3,#5,#6,#8,#10,#13
嶋村一徳 / drums on #1,#2,#3,#5,#6,#8,#10,#13
山田潤一 / percussions on #12
徳島由莉 / violin on #6,#13
澤野マキ / cello on #13
糸賀 徹 / vocal on #5
土井徳浩 / clarinett on #13
前作「Bonito」は岡田次郎さんと嶋村一徳さんを加えた4人編成だったのですが、今回は弦楽器奏者やボーカルを入れることで、音に彩りを加えた形になっています。ボーカルの糸賀さんは2nd「L'esprit de l'exil」にも参加していましたね。作風としては「Bonito」の延長線上にあると受け止めましたが、多くの楽器が入ることで「L'esprit de l'exil」的な要素もちらちらとかいま見ることができます。
というわけでインプロを。本作の帯には「雌伏の時を経て、至福の音が帰ってきた!紺碧の空に旋律の虹を架けるLu7の新たな探求」とあります。若干韻を踏んでいますね。
#1 Azurite Dance
梅垣さんの曲。先日のレコ発ライブでも披露された都会的で快活な曲です。岡田さんと嶋村さんのリズム隊は相変わらず強力で、岡田さんのスラップベースが効いていますね。いかにも「Lu7」っぽい曲でアルバムとしてのツカミはOKという感じです。
#2 One Screw Short
栗原さんの曲。ゲーム音みたいなイントロからスタート。やがてギターとも鍵盤とも判別がつかない印象的なソロが。エフェクターを極端に効かせているのか、はたまたギターシンセなのか。ちょっとジャズっぽいアレンジもナイスです。
#3 浮遊都市
レコ発ライブでも披露された梅垣さんの曲。Lu7にしては珍しくストレートな曲調でちょっとAORっぽかったりします。栗原さんのアコギが印象的ですね。
#4 Interlude #1 (Polaris)
梅垣さんの曲です。鍵盤楽器のみの優しげな小曲です。ちょっと子守歌っぽく聴こえるのは、もしかしたらご子息のことを意識しているのでしょうか。
#5 Raw Ore
梅垣さんの曲。2ndにも参加していた糸賀さんの雄叫びで始まる勇壮な曲です。山田潤一さんの打楽器が加わり一種のお祭り状態になりますが、栗原さんのうねうねギターが機能し始めるとうまい感じで中和してくれています。
#6 積みわらの歌
梅垣さんの曲。この曲もライブで演奏されました。ちょっとSF映画のサントラを思わせる鍵盤が大変印象的です。徳島由莉さんのロマンチックなヴァイオリンが加わり彩りがさらにアップします。曲中盤の転調から少しばかりスコットランドの風景が脳裏に浮かぶのは気のせいでしょうか。
#7 Rim Light
梅垣さんの曲。鍵盤とギターのデュオですが、多重録音効果で聴いていても飽きさせません。栗原さんのハーモニック奏法が美しい。
#8 Dunes in Ancient Times
梅垣さんの曲。一転して重厚感あふれるプログレっぽいアレンジが印象的です。おお!この重苦しさはなんなんだ!と思い始めたタイミングで終わるという摩訶不思議な曲です。
#9 Interlude #2 (Uranus)
梅垣さんの曲。鍵盤と打楽器的なものとベル的な楽器のみの小曲。すべて梅垣さんが演奏しています。心象風景を音楽化したのか、ちょっとブライアン・イーノ的というか。Interlude #1との関連性はあまり意識されていないようです。
#10 トキヲコエテソラニカエリ
梅垣さんによる10分を超える大曲。先日のライブでも披露されました。ベース奏者の岡田さんは楽譜をもとにプレイするのが演奏スタイルだそうですが、この曲の楽譜は大変な長さになってしまうので、仕方がなくすべて暗譜したとか。変拍子の多用、目まぐるしい転調と「Lu7節炸裂」という感じですが、これをライブで再現するのは大変ですよね。曲終盤のアレンジと劇的な展開はちょっとBrufordを思い出しました。
#11 雨の庭
ドビュッシーの曲をアレンジしています。いかん、オリジナルは未聴です。鍵盤とアコギのデュオですが、これが大変な難曲。
#12 Berceuse
フランスの音楽家、フィリップ・ゴーベールの曲をアレンジしています。これもオリジナルは未聴なのですが、梅垣さんのメロディオンと栗原さんのボサノヴァっぽいアコギでまったりとした感じで小休止という感じでしょうか。バックの打楽器は山田潤一さん。
#13 おかえり
梅垣さんの曲。クラリネット、ヴァイオリンなどが加わり、あくまでもひたすら優しく歌い上げます。いままでのLu7にはあまりなかった展開ですね。
というわけで、Lu7のディスコグラフィー再聴シリーズはこれで終了です。余裕があればコンピアルバム「E.G.Q.」までレビューするべきですが、これはまたの機会にしましょう。梅垣さんのブログによれば、今年度中にライヴの計画があるようですし、5thアルバムの計画も進んでいるとか。ますます彼らの動向から目が離せませんね。
<追記>
なんてことを書いていたらLu7のライブが4月に開催されることに!もちろん参加いたします♪
ライブ情報はこちらから
↓
http://yaplog.jp/lunarythm/archive/1101
●Musicians
梅垣ルナ / keyboards,merlodion,koshi chime,gamelan ball,piano
栗原 務 / guitar
岡田治郎 / bass on #1,#2,#3,#5,#6,#8,#10,#13
嶋村一徳 / drums on #1,#2,#3,#5,#6,#8,#10,#13
山田潤一 / percussions on #12
徳島由莉 / violin on #6,#13
澤野マキ / cello on #13
糸賀 徹 / vocal on #5
土井徳浩 / clarinett on 13
●Numbers
1. Azurite Dance
2. One Screw Short
3. 浮遊都市
4. Interlude #1 (Polaris)
5. Raw Ore
6. 積みわらの歌
7. Rim Light
8. Dunes in Ancient Times
9. Interlude #2 (Uranus)
10. トキヲコエテソラニカエリ
11. 雨の庭
12. Berceuse
13. おかえり
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