Jeff Beck御大「Wired」の2004年リマスター盤を聴く
Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●Wired(1976年)
■Amazonより購入
Jeff Beck御大の来日に刺激されて買い直した物件です。いや、手持ちのCDがかなり初期の規格だったので、どうせならもっと良好な音質で名盤を聴き直そうではないかということです。「Blow By Blow」の最新リマスター盤にも心動かされましたが、いかんせん5000円近くと高価ですし、個人的な好みは「Wired」でしょうという案配でこちらをチョイス。2004年に紙ジャケット仕様でリマスターされています。ついでに自分にとって空白に近い「Truth」と「Beck-Ola」も入手してしまいました。あれま、これでは敵の思うツボだわ…
というわけでメンバーをおさらい。
Jeff Beck / guitar
Wilbur Bascomb / bass
Max Middleton / clavinetts,fender-rhodes
Jan Hammer / synthesizers
Richard Balley / drums
Narada Michael Walden / drums
よく「Blow By Blow」と比較の対象とされる本作ですが、個人的にはむしろ同郷の先輩であるJohn McLaughlinに対する憧れと妬み嫉みとがない交ぜとなった複雑な心情を感じさせます。McLaughlin率いるMahavishnu Orchestraの登場に衝撃を受けたJeff Beckは彼に追いつくべく血の滲むような練習を積むと同時に、McLaughlin人脈への接近を試みます。それを裏づける象徴的な出来事が第1期Mahavishnuの鍵盤奏者Jan Hammerの起用であり、第2期Mahavishnuでプロデュースを務めたGeorge Martinを三顧の礼で招聘した点でしょう。Narada Michael WaldenもMahavishnu出身ですね。
結果としてギターアルバムとしては異例の大セールスをあげた本作はJeff Brckの代表作になります。McLaughlinが次第にインド志向を強めてハード系フュージョンからフェードアウトしていったことも、結果としてJeff Beckにとって状況的にラッキーだったのかもしれません。それでも、ジャズ出身でMiles Davisに見出されたMcLaughlinに対して、ロック出身のJeff Beckがぬぐい去ることのできないコンプレックスは相当深いものがあったのではないかと推測します。
●Musicians
Jeff Beck / guitar
Wilbur Bascomb / bass
Max Middleton / clavinetts,fender-rhodes
Jan Hammer / synthesizers
Richard Balley / drums
Narada Michael Walden / drums
●Numbers
1. Led Boots
2. Come Dancing
3. Goodbye Pork Pie Hat
4. Head For Backstage Pass
5. Blue Wind
6. Sofhie
7. Play With Me
8. Love Is Green
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