Cindy Blackmanのリーダー作「Trio+Two」にFUZEが参加
Musician●Cindy Blackman(drums,percussions)
Title●Trio+Two(1990年)
■Amazon USAより購入
“女トニー・ウィリアムス”の異名をもつ打楽器奏者、Cindy Blackman(シンディ・ブラックマン)による1990年の作品です。どうしてそのような異名をもつのか聴くかぎりはよく理解できないのですが、Terri Lyne Carringtonと並んでこの業界では姉御的存在として有名な人です。そうそう、その昔、レニー・クラヴィッツのバックでとても人間ワザとは思えないドラムを叩いていた黒人女性といえばわかりやすいかもしれません。いまは2010年にステージ上でプロポーズされたカルロス・サンタナの奥さんになっています。
例によって参加メンバーをあげますと、
Santi Debriano(bass)
David“FUZE”Fiuczynski(guitar)
Greg Osby(alto saxophone)
Jerry Gonzalez(conga)
という面々です。
もちろん“FUZE”が参加していることが購入時のポイントです。
Cindy Blackmanのほかの作品を聴いたわけではないので、比較対象がないのですが、とても面白い作品に仕上がっていると思います。基本はよくあるコンテンポラリー&ファンクジャズと言ってしまうと実も蓋もななくなってしまいますが、そこにFUZEという劇薬的なスパイスが加わることによって、妙チクリンな奇天烈音楽に化けるから、あら不思議。変拍子とFUZEの変態ギターが相乗効果をもたらして、面白味が何倍にもなっていると思います。
この作品、上原ひろみ作品と同様に、よくも悪くもFUZEが好きか嫌いかでリスナーの評価が大きく分かれてしまうのですが、FUZE好きなら押さえておきたい1枚ですね。どうやら最近は別ジャケットで流通しているようですが、私が所有しているのはオリジナルデザインなのでしょうか。
ついでにレニー・クラヴィッツの動画も貼っておきます
●Musicians
Cindy Blackman / drums
Santi Debriano / bass
David“FUZE”Fiuczynski / guitar
Greg Osby / alto saxophone on #1,#2,#7
Jerry Gonzalez / conga on #5
●Numbers
1. Possession
2. Anna
3. Next Time Forever
4. Chorillo
5. Dreams So Real
6. The Quest
7. Timbuktu
8. I Hear A Rhapsody
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コメント
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思えば、90年代のこの作品 ~ lunar crush ~ jazz punkあたりがFuzeの旬だった気がします。
1/4tone に最近は凝っている様ですが、作品からは袋小路にハマった様な閉塞感を感じます。
1/4tone に拘るかぎりは、共演者も1/4toneを解する必要があり…
逆に考えると、全うなジャズ屋からは、声がかからなくなる事を意味するのではないかと、おせっかいな心配をしたりしてます。
脱線すいません。
いずれにせよ、この作品は音楽士様の言うとおり、Fuze愛好家にはたまらない内容だという点に賛同いたします。
オリジナルプレス盤がAmazonで一万円なのを見て、思わずオークションに出す事を考えてしまった私でしたw
投稿: betta_taro | 2014年3月10日 (月) 21時21分
betta_taroさま
コメントありがとうございます。
確かにおっしゃる通りで、最近のFUZEには閉塞感に似た雰囲気を感じさせます。行き着くところまで行ってしまったような…。
この時期はまだまだ自由闊達に自己表現ができていたような気がしますね。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2014年3月31日 (月) 23時57分