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2014年2月 2日 (日)

Larry Coryellの「Back Together Again」が初CD化

R0013200
Musician●Larry Coryell(guitar)
Title●Back Together Again(1977年)
■Amazonより購入


ワーナーが「Jazz Collection 1000」という再発シリーズを立ち上げてくれたおかげで、やれ高価なボックスセットだの違いがよく分からないリマスター盤だので、経済的に打撃を受け続けてきた中高年の財布事情も改善方向に向かいつつあるようです。1000円(税込み)均一という価格設定もさることながら、見落としていた名盤や初CD化音源もちらほらと見られるあたり、流石!という感じです。そんなシリーズの中から釣り上げたのが、今回ご紹介するLarry Coryellの「Back Together Again」(1977年)です。アナログ盤ではちょくちょく目にしていましたが、今回、初CD化ということで問答無用に購入しました。帯によればデジタルリマスター処理されているとか。

さて、このアルバムが録音された1977年ですが、Coryell自身がやや迷走期に入っていた時期で、後に「ボレロ」などという凡作をリリースするべく準備に余念がなかったタイミングでもあります。個人的にはCoryellの全盛期は75年くらいまでではないかと思っている次第です。この作品は「Eleventh House時代」のかつての同僚、Alphonse Mouzon(アルフォンス・ムザーン)と組んだもの。加えてこの時期、行動を共にすることが多かったPhilip Catherine(フィリップ・カテリーン)が参加し、ツインリード体制をとっています。内容はというと当時のフュージョンブームに乗った明快なジャズロックアルバムに仕上がっています。おお、これはいいではないですか!Coryellも迷うことなく激しいロックタッチのギターで大暴れしています。

いい気持ちで聴き進めていくと、Mouzon作#6「Get On Up」で状況は一変します。ディスコ調というかファンキーな曲なのですが、これがアルバム全体の中で場を乱しています。続くCoryell作#7「Reconciliation」もディスコ調の凡作。いや、ディスコやファンクが悪いと言っているのではないのですよ。たとえディスコ&ファンク調の曲であっても突き詰めれば、素晴らしい曲になるはずですが、中途半端に取り組むから目も当てられないのです。さらに#8「Back Together Again」もファンク調ですが、CoryellとMouzonの2人が中途半端なヴォーカルを披露しています。#8「Mr.C」もファンクですが、ボーカル抜きという点と目まぐるしく変化する曲調が意外に面白いので、やや気分的に持ち直してきます。

アルバム前半の緊迫したムードと、一転してディスコ&ファンク調に転じるのはいいとして、もうちょっと丁寧に作れなかったのか?と思ってしまう作品です。まぁ、1000円だからいいのかな。…

●Musicians
Larry Coryell / guitar
Alphonse Mouzon / drums
Philip Catherine / guitar
John Lee / bass
Cheryl P.Alexander / background vocals
Tawatha Agee / background vocals

●Numbers
1.  Beneath The Earth
2.  The Phonse
3.  Transvested Express
4.  Crystalization
5.  Rock N Roll Lovers
6.  Get On Up(We Gonna Boogie)
7.  Reconciliation
8.  Back Together Again
9.  Mr.C
10. High Love

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フュージョンギター」カテゴリの記事

コメント

確かにファンク曲になると一挙にテンション落ちますね。なんかこのアルバムの内容のとっちらかり方は、同じ1977年発売のCeccarelli"Ceccarelli"とよく似てる気がします。

どちらもRTF『浪漫の騎士』(1976)路線のハイパーテクニカル・ジャズロックを意識して「みんな持て囃してるけど俺らだってあんぐらいできるわ!」的にガンガン演りつつ、一方でグルーヴ系のテクニックを見せつけるためにファンク/ディスコ系への目配せも忘れない…みたいな感じで、腕に覚えのあるミュージシャン達がこういう傾向の作品を連発してた時期なのかもなあと想像しています。

muchoさま

コメントありがとうございます。

ファンクが嫌いというわけでもないのですが(かと言って積極的に聴いたこともありませんが)、何やら粗製濫造の感は否めませんね。
前から思っていたのですが、Coryell自身が器用貧乏なところがあり、
あれこれ取り入れたりしているうちに、方向性を見失ってしまったように思えます。
でも、どうしても気になって買ってしまうんですよね(笑)


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