Jim Hall幻の作品「Magic Meeting」
Musician●Jim Hall(guitar)
Title●Magic Meeting(2004年)
■ディスクユニオンで購入
昨年暮れに亡くなったコンテンポラリーギターの巨匠、Jim Hall(ジム・ホール)による晩年のライブ音源です。2004年4月30日から5月2日にかけてNYCヴィレッジ・ヴァンガードで行われたライブでのベスト音源が収録されています。2004年ということは御年73歳という勘定になりますね。
参加メンバーは
Scott Colley(bass)
Lewis Nash(drums)
という旬な面子です。
奥さんのDevra Hallが記したライナーによれば、このライブ音源がトリオ構成による最後の作品にあたるそうです。「Artist Share」よりリリース。
そもそもこの音源は発売当初はネット販売限定で、一般市場にはごく少量しか出回らなかったということで「幻の作品」とされていたのですが(2007年にプレスCDが流通するようになって比較的簡単に入手できるようになりました)、なぜ普通に発売しなかったのかが不思議に思えるほど素盤らしい出来映えです。何よりもとても73歳の“老人”が弾いているとは思えないアグレッシヴかつプログレッシヴなギターに度肝を抜かれます。決して予定調和に陥ることなく攻め続ける究極のインプロヴィゼーションの嵐に、遙かに年下のScott ColleyとLewis Nashがかえって煽られている様が手に取るように伝わってきます。エフェクターを駆使したり、時々ハッと思わせるフレーズをぶち込んできたりととんでもない爺さんですね。いやはや、何と恐ろしい作品なのでしょう。
●Musicinas
Jim Hall / guitar
Scott Colley(bass)
Lewis Nash(drums)
●Numbes
1. Bent Blue
2. Blackwell's Message
3. Skylark
4. Canto Neruda
5. Furnished Fats
6. Body And Soul
7. St. Thomas
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コメント
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奇天烈音楽士さん、はじめまして。
このJim Hallのライブ、当時はartistshareからの限定リリースだったんですか。手に入りやすくなったありがたみを知らずに手に入れていました。
当時で73歳とは思えない実験的な演奏も聞けて、かつエンターテイメント性もあって、魅力的なライブですね。
以前記事にしたことがあったので、リンクを張らせて頂きます。
http://musicpromenade.blogspot.jp/2010/07/jim-hall-magic-meeting_31.html
投稿: とっつぁん | 2014年3月 1日 (土) 10時32分
J.Hall は Power of Three 以外の作品は、基本的にアウトオブ眼中な私ですか、音楽士様の記事が素晴らしく、データ購入しました。
確かに、チャレンジ精神にみちていながら、楽しめる作品でした。
今後も、目から鱗盤の記事、楽しみにしております<(_ _)>
投稿: betta_taro | 2014年3月 4日 (火) 11時53分
とっつぁんさま
亀レスご容赦願います。
この盤は確かに最初は限定リリースだった記憶があって、
某店限定で店頭販売されていたように思います。
とても70代の老人がプレイしたとは思えないほどアグレッシヴですよね。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2014年3月31日 (月) 23時48分
betta_taroさま
コメントありがとうございます。
亀レスご容赦願います。
Jim Hall関連は常にフォローしているわけではないのですが、
たまに聴くとやはりとんでもない刺激を受けますよね。
この盤もまさにそうです。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2014年3月31日 (月) 23時50分