インドネシアの怪物「Discus」の「1st」を入手
Musician●Discus
Title●1st(1999年)
■カケハシレコードより購入
2011年放送のNHK-FM「プログレ三昧」で一躍有名になった(?)インドネシアのプログレバンド「Discus」の「1st」を入手しました。1999年リリース。どうやら9人編成のバンドだったようで、男女ボーカル2人と管楽器、鍵盤、ギター、ヴァイオリンが主力構成です。
彼らにとって2枚目の「...tot licht !」(2003年)もあまりに素晴らしかったのですが、このアルバムでも凄まじいまでの演奏を聴かせてくれています。「...tot licht !」では民族音楽の要素をふんだんに取り入れワールドミュージック的な色彩が強かったのですが、このアルバムではプリミティヴな要素はあまりなく、ガチンコのジャズロック&プログレサウンドに徹しています。かといって西洋風のプログレとはまた違って、妙にアジア的な猥雑さと艶めかしいものを随所に感じさせます。あえて言うと、男女ボーカルが民族色としてスパイス的な要素として作用しているのかも。しかし、ボーカルもけっして前面に出過ぎることなく、絶妙なアレンジと構成力で聴く者を飽きさせることがありません。西洋のプログレに慣れ親しんできたリスナーにとっても、さほど違和感を感じさせることなく、むしろ新鮮なスタンスで臨めるのではないでしょうか。エネルギッシュに疾走する楽曲に南国特有のルーズさを求めると、いい意味で裏切られます。
圧巻は#3「Doc's Tune」で、滅茶苦茶格好いいハードロック風リフと暴れまくるギターがたまりません。ギターのIwan Hasanは若干、Holdsworthyなプレイヤーですね。このアルバム、なかなか入手困難なようですが、「欲しいものリスト」に入れておいたら我らがカケハシレコードさんはメールで入荷情報を教えてくれました。この場をお借りしまして御礼申し上げます。
●Musicians
Iwan Hasan / guitar
Balinese Rindik / percussion,vocal
Anto Praboe / flute,soprano,alto,tenor sax,clarinet,bass clarinet
Eko Partitur / violin,electronics
Fadhil Indra / keyboard,background vocal
Hayunaji / premier drums,electronic percussions
Kiko Caloh / bass
Krisna Prameswara / keyboards,
Noonie / lead vocal
●Numbers
1. Lamentation & Fantasia Gamelantronique
a) Lamentation
b) Fantasia Gamelantronique (for J.S.)
2. For This Love
3. Doc's Tune
4. Condissonance
5. Dua Cermin
6. Wujudkan!
7. Violin Metaphysics
8. Anugerah
9. Contrasts (incl.the traditional theme "Gambang Suling")
a) Opening & Meditation
b) Gambang Suling
c) Q/A & Odd Time Improvisations
d) Ostinato (Metal Attack!)
e) Lydian Piano Theme & Minor Dance
f) Gambang Suling
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