札幌産プログレバンド「Providence」の2nd「蝶湖夢楼の一夜」
Musician●Providence
Title●蝶湖夢楼の一夜(1996年)
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札幌出身のプログレバンド「Providence」(プロビデンス)の2ndです。1996年リリース。1st「伝説を語りて」以来6年ぶりの作品になります。この間、バンドの表看板だった久保田陽子(vocal)が脱退してしまい、菅原貴子が2代目ボーカルとして参加しています。メンバーを列挙しますと、塚田円 (keyboard)、杉山雄一 (drums)、木ノ内亜土夫 (guitar)、中陣文敬 (bass)、菅原貴子 (vocal)、斉藤孝男 (sax)という構成に。1stから鍵盤楽器とドラム以外はメンバーが代わっています。
サウンドは相変わらずシンフォ系プログレという感じで、複雑な曲構成と変拍子の多用とプログレの醍醐味を存分に表現しています。時折和風なテイストを織り交ぜながら、ダイナミックに展開する大作主義は1stからしっかりと継承されています。そのあたりはメンバー交代の影響はさほど感じさせません。前任の久保田陽子はハードロック出身だったためか力強く時折ドスの効いた歌唱が特徴的でしたが、対して菅原貴子はいかにもプログレ系女性ボーカルという感じで、聴きようによってはフィメール系ゴシックメタルのそれとの類似性を感じさせます。どちらが好みかと言えば、単なるプログレという狭い枠に収まらないダイナミックさを感じさせる久保田陽子のほうなわけですが。
サウンド面の変化といえば1stではあまり使われなかったメロトロンが随所で効果的に導入されているという点です。元Crimsonのカバーバンドの血が騒いだのでしょうか。1stよりも鍵盤の露出が増えたことで、音的に叙情性が増しているようです。
何度も書きますがキングレコードがAKB48で稼ぎ出したアブク銭でもって、元所属のいにしえのプログレバンドの音源を復刻したことは慶賀の至り。秋元康さんに感謝しつつ、廃盤にならないうちに即ゲットを強くお勧めいたします♪
●Musicians
塚田円 / keyboards
杉山雄一 / drums
木ノ内亜土夫 / guitar
中陣文敬 / bass
菅原貴子 / vocals
斉藤孝男 / sax on #2
●Numbers
1. HCHO 40
2. 籠絡の終章 (an epilogue for cajolment)
3. 蝶湖夢楼の一夜
4. エルリオ
5. 黎明風 (a breeze in the dawn)
6. 蝶湖夢楼の一夜 (Reprise)
7. 月下にて (in the moonlight)
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