Hitomiの2nd「Negai」
Musician●Hitomi(tenor sax)
Title●Negai(2008年)
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サンフランシスコで生を受け当地で育った日本人サックス奏者、Hitomiの2ndです。2008年リリース。本名は「大羽ひとみ」さんといって、1984年生まれということですから御年29歳の若手ミュージシャンということになります。ジャズのみならずUCLA大学院ではクラシック音楽も学んだという本格派です。交換留学生制度を利用して明治学院大学で学んだ経歴もあるようです。
いまでこそ女性サックス奏者も珍しい存在ではなくなりましたが、それでも一般的には少数派であることも事実です。さては、お手並み拝見という感じなのですが、一聴して驚かされるのがその骨太なプレイスタイルです。女性らしいとか、女性ならではの感性などという陳腐な表現は、少なくてもこのアルバムでは一切無関係だと思います。よくいますよね、「その人、女の人?」「何歳ぐらいの人?」などと本質的なこと以外のことばかりに気をとられる人。確かに社会生活を送るうえでは重要な要素かもしれませんが、少なくとも音楽と接するうえでは無縁でいたいものです。#5「Take The Coltrane」というタイトルからしてColtraneフォロワーなのかと思ってしまいますが、それほどColtrane臭は感じられません。
個人的な興味の的はギタリストのCharles Altura(チャールズ・アルトゥラ)の存在です。いまでこそChick Corea楽団に加入し一躍“シンデレラボーイ”となった彼ですが、このアルバム参加当時は当然のごとく無名の存在です。荒削りながらも実に瑞々しいプレイを聴かせてくれています。わずか4曲のみ参加というのが惜しいところですね。欲を言えばもっとたくさん聴きたかったです。
全体的に素晴らしいの一語に尽きるアルバムなのですが、#8「Soran Bushi」だけが蛇足。日本の伝統音楽を愛するって、そういうことではないのだと思うのですが…。なぜだかジャス畑の人はこうした思いこみが強いような気がします。
●Musicians
Hitomi / tenor sax
Josh Nelson / piano
Tom Altura / bass
Zach Harmon / drums
Nick DyPinna / trumpet on #4#6#8
Charles Altura / guitar on #2#7#10#11
●Title
1. Alone Together
2. Nova
3. How Deep Is The Ocean
4. Across
5. Take The Coltrane
6. Bytheway
7. Corcovado
8. Soran Bushi
9. Have You Met Miss Jones?
10. Rika
11. Negai
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