Brian Charetteの「Upside」にBen Monderが参加
Musician●Brian Charette(organ)
Title●Upside(2009年)
■Amazonより購入
Brian Charette(ブライアン・シャレット)を中心としたトリオによる音源です。この人は恥ずかしながらお初にお耳にかかるのですが、本来はピアノ奏者だったそうで、ハモンドB3奏者としてのキャリアはこれからという感じだとか。「Steeple Chase」レーベルからは初リーダー作にあたるそうです。恥ずかしながら「Steeple Chase」がデンマークのレーベルだったことを今回初めて知りました。
さて、この盤での“お目当て”は言うまでもなくギターのBen Monder(ベン・モンダー)なのですが、「Steeple Chase」にはおそらく初参加、かつオルガントリオというフォーマットでプレイするのもおそらく初ではないかと思いつつ、興味本位で購入というのが本当のところです。ドラム奏者はJochen Ruckert。
オルガン奏者主導ということである程度は事前予想はできました、中身は完全にコンテンポラリー系。全12曲中8曲がオリジナルでほかはDuke EllingtonやBilly Strayhorn、Andy LaVerneの曲を取り上げていますが、Andy LaVerneとはこれまた地味なセレクトですね。肝心のBen Monderですが、これまた完璧ともいっていいほどコンテンポラリー系ギタリストとして振る舞っています。彼本来の持ち味と勝手に思っている高速アルペジオや幽玄なコードヴォイシングは一切封印して、普通にジャズギターを弾いています。最近のMonderはこうした“スカシ”をかますケースが増えていますね。それはそれで新鮮かも。しかし、本音を言えばもう少し“らしさ”を主張しても良かったのではないかと思います。
アルバム自体はコンテンポラリー系のジャズアルバムとして十分に楽しめます。ただ録音状態が悪いのか、たまに低音部が割れるのが珠にきずです。昔だったらいざ知らず、いまの時代では勘弁して欲しい…。
●Musicians
Brian Charette / organ
Ben Monder / guitar
Jochen Ruckert / drums
●Numbers
1. Yolk
2. Silicone Doll
3. Look Elsewhere
4. Public Transportation
5. You've Changed
6. Furthering Adventures
7. Altered Waltz
8. Girls
9. Prelude To A Kiss
10. Upper Manhattan Medical Group
11. Upside
12. Wish List
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コメント
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レスペクトするben monderの自己名義盤はfluxが頂点。
モチアンバンドでの立ち位置もよろしからずや…
って思いながら、新譜や参加作品が出るとゲットしてしまいます。
真に中毒性の強いジャズギタリストです!
投稿: betta_taro | 2013年12月20日 (金) 20時35分
betta_taroさま
コメントありがとうございます。
最新のソロ作品では久々に“Monderらしさ”を見せましたが、
客演時ではあえてキャラを使い分けているように思います。
本作もその典型例ではないかと思われます。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2014年1月15日 (水) 23時21分