キンクリの名作ライブ「USA」の40周年バージョンを聴く
Musician●King Crimson
Title●USA 40th Anniversary(2013年)
■Amazonより購入
相変わらず中高年の財布が狙われ続けています。
もはやライフワーク(?)になりつつあるKing CrimsonのAnniversaryシリーズ蒐集。中期キンクリの最終作「Red」と「USA」の記念バージョンがリリースされてしまいました。個人的には80年代以降はさほど食指がのびないので、これでいったん終息という感じでしょうか。まずは、一安心、これで枕を高くして眠りにつくことできます(なんのこっちゃ)。
さて、「USA」です。ほぼ同時期発売の24枚組ボックス「The Road To Red」収録の音源と当然のことながら重複しています。いわば「The Road To Red」の抜粋版が「USA」ということですからボックスを手に入れた人にとっては、別に買う必要もないわけです。でも、このジャケットで欲しいという人もいるわけで…。
今回のリマスターの肝は、「USA」に合わせた形の編集を一切せず、原音再現にこだわったという点に尽きるように思われます。つまり、後にEddie Jobsonがお化粧を施した従来のものではなく、David Crossバージョンということになります。試しに「Larks' Tongues In Aspic:Part II」を30th Anniversaryバージョンと聴きみると両者の違いは一目瞭然。30th Anniversaryでは、左チャンネルで強めの自己主張をしていたヴァイオリンと鍵盤が奥に引っ込んだように聴こえ、その代わり右チャンネルでのRobert Frippの存在感が増しています。また、従来盤では途中でカットされた「Asbury Park」と「Easy Money」の収録時間が長くなり、同時に当時のセットリストを意識して「21st Century Schizoid Man」をラストにもってくるという曲順変更が施されています。
従来盤のようなお化粧をした“派手さ”は薄れたものの、全体としては聴きやすくなった印象を受けます。リスナーの高齢化に合わせた音づくりであるとも言えるかもしれませんが(笑)。そして何よりも「Asbury Park」での熱演がしっかりと最後まで聴くことができるという点で、今回のリマスター盤は成功しているのではないでしょうか。
●Musicias
Robert Fripp / guitar,mellotron
John Wetton / bass,vocal
David Cross / violin.keyboards
Bill(William) Briford / drums,percussions
●Numbers
[CD]
1. Walk on.No Pussyfooting
2. Larks' Tongues In Aspic:Part II
3. Lament
4. Exiles
5. Asbury Park
6. Easy Money
7. Fracture
8. Starless
9. 21st Century Schizoid Man
[DVD]
Casino Arena,Asbury Park 2013 mix.
Casino Arena,Asbury Park 2005 mix.
USA:40th Anniversary Remaster
USA:Original UK Vinyl Transfer
« Chris Polandの「OHM」プロジェクト第1弾「OHM」 | トップページ | Robin Trowerの発掘ライブ音源「State To State」 »
「プログレ」カテゴリの記事
- 【追悼】巨星墜つ John Wetton亡くなる(2017.01.31)
- King Crimson / Radical Action (to Unseat The Hold of Monkey Mind)(2016年)(2016.10.16)
- Pageant / 奈落の舞踏会(1994年)(2016.06.19)
- Coda / Sounds of Passion(1986年)(2016.05.29)
- King Crimson / Live In Toronto(2016年)(2016.04.10)
« Chris Polandの「OHM」プロジェクト第1弾「OHM」 | トップページ | Robin Trowerの発掘ライブ音源「State To State」 »
コメント