Kurt Rosenwinkelの傑作ライブ「The Remedy」を聴く
Musician●Kurt Rosenwinkel(guitar)
Title●The Remedy(2006年)
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現代ジャズギター旗手と言われるKurt Rosenwinkel(カート・ローゼンウィンケル)は自分にとって一種の“踏み絵”的な存在で、手放しで絶賛するほど聴き込んでいるわけではなし、はたまたロクに聴かないでいてうっかりと評価を下すほど大胆不敵でもなし、と自分の中では中途半端な位置づけのまま放置してきたミュージシャンです。というのも、少し聴いただけでそれと分かる強烈な個性が感じられるわけではなく、何枚かの作品を聴いてみてもその都度違う印象を受けたりして、どうにもこうにも捕らえ所に苦慮させられるわけです。まぁ、食わず嫌いということも否めませんが。1970年、ペンシルバニア生まれの彼は、ドイツ系の父親とノルウェー系の母親という家で生まれ、トニーマカパインの兄クリス・マカパインにギターの手ほどきを受けたとか。
この盤は当初はネット流通限定だったようで、CDもすぐ廃盤になってしまったようです。しばらく入手困難な時期がありましたが、再プレスのおかげで何とか手に入れることが出来ました。2006年1月、NYCはVillage Vanguardでのライブ音源になります、参加ミュージシャンはMark Turner(tenor sax), Aaron Goldberg(piano), Joe Martin(bass), Eric Harland(drums)という構成。Mark Turnerとはアマチュア時代から行動を共にしてきたいわば盟友になります。
そのミュージシャンの本質をてっとり早く把握するには、作り込まれたスタジオ盤よりもライブ音源に接するのが一番。まぁ、Rosenwinkel君は弾きまくること、弾きまくること。ギター好きの人間にとっては十分に楽しめるのではないでしょうか。CD2枚はかなりの聴き応えがありますが、やはり最後の最後までRosenwinkelの本質はよく分かりませんでした。
●Musicians
Kurt Rosenwinkel / guitar
Mark Turner / tenor sax
Aaron Goldberg / piano
Joe Martin / bass
Eric Harland / drums
●Numbers
[CD 1]
1. Chords
2. The Remedy
3. Flute
4. A Life Unfolds
[CD 2]
1. View From Moscow
2. Terra Nova
3. Safe Corners
4. Myrons World
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コメント
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この盤は熱いですよね。素晴らしいです。
モチアン バンド 在籍中から追っかけてきましたが…
デビュー曲のイースト コースト ラブ アフェアが、やはり核心に近いかと思います。
ダークなリリシズムと当時の批評家は称していましたね。表層的な事ですが、ジャズ奏者にしては珍しい厚化粧(モュジレーテッド ディレイ使用)なクリーントーンは、いまやトレードマークですね。
奏法的には、意外とケレンミがなく、ブルーノートを使わないとか、チョーキングしないとか、リディアン#9thスケールの導入等の個性がありすが… エスニック色を排した、ポストビバップ奏者と言えるかと思います。 作品としてはターナー名義のDharma Daysも、核心に近い感じがします。
投稿: betta_taro | 2013年10月17日 (木) 07時47分
betta_taroさま
コメント、ありがとうございます。
喰わず嫌いの感もありますが、まだまだ私にとっては正体不明なギタリストなんです。
盤によって受ける感じが変わるので、聴く立場としても面喰ってしまう…
不思議なプレイヤーですよね。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2013年11月18日 (月) 12時03分