Ben Monder久々の新譜「Hydra」
Musician●Ben Monder(guitar)
Title●Hydra(2013年)
■Amazonより購入
売れっ子ギタリストBen Monder(ベン・モンダー)による久々のリーダー作を入手しました。この人、相変わらず盛んにセッション活動を行う割には自身名義のアルバムは数枚程度なんですよね。2013年リリース。参加メンバーはJohn Patitucci(bass)、Skuli Sverrisson(bass)、Ted Poor(drums)、Theo Bleckmann(voice)、Gian Slater(voice)、Martha Cluver(voice)という布陣です。お馴染みTheo Bleckmannに加えて2人のボーカルを迎えています。John Patitucciの参加は彼のキャリアを考えると意外といえば意外ですが、4曲に参加しています。
さて、内容のほうは相変わらずの「Monder節」が聴けますので往年のファンにとっては一安心というところでしょうか。というのも最近のセッション活動では「らしくない」プレイが目立っていたからです。妙に聴く立場を意識ししすぎているというか、一般的な受けを狙いにいっているというか。このアルバムではMonderの十八番とも言える独特のコード展開、ヴォイシング、そして変幻自在の高速アルペジオは円熟味が増し、ますます磨きがかかってきたように思えます。Theo Bleckmannのボーカルも相変わらず幽玄な雰囲気を盛り上げてくれています。複雑極まるリズムをバックに、Bleckmannのヴォイスが幾重にもなって幻想世界を築き上げる#4「39」が目下のところ最大のお勧め曲です。
もとよりNYCのアンダーグラウンド音楽から出てきたMonder。やはりこの手の音楽をプレイしているときがいちばん持ち味が発揮されるのではと、あらためて確信した次第です。はっきり言ってとても一般向けの音楽とは言い難いのですが、古くからMonderを追いかけている身としては、久々に溜飲を下げた会心の一作です。
●Musicians
Ben Monder / guitar,bass on #4
John Patitucci / bass on #1,#5,#6,#7
Skuli Sverrisson / bass on #2,#3
Ted Poor / drums #2,#3,#4,#5,#6
Theo Bleckmann / voice on #2,#3,#4,#6,#7,#8
Gian Slater / voice on #1,#7
Martha Cluver / voice on #5,#7
●Numbers
1. Elysium
2. Hydra
3. Aplysia
4. 39
5. Yugen
6. Tredecadrome
7. Postlude
8. Charlotte's Song
« インド系ギタリストPrasannaの2nd「Be The Change」 | トップページ | 米国産プログレバンド「Underground Railroad」の2nd「The Origin Of Consciousness」 »
「ジャズギター」カテゴリの記事
- David Gilmore / Transitions(2017年)(2017.04.08)
- Kurt Rosenwinkel / Caipi(2017年)(2017.04.02)
- Wolfgang Muthspiel,Mick Goodrick / Live At The Jazz Standard(2010年)(2016.08.06)
- John Abercrombie / Within A Song(2012年)(2016.07.03)
- Albert Vila / The Unquiet Sky(2014年)(2016.06.25)
この記事へのコメントは終了しました。
« インド系ギタリストPrasannaの2nd「Be The Change」 | トップページ | 米国産プログレバンド「Underground Railroad」の2nd「The Origin Of Consciousness」 »
コメント