インド系フリーギタリストPrasannaが贈る変態世界「Electric Ganesha Land」
Musician●Prasanna(guitar)
Title●Electric Ganesha Land(2006年)
■Amazonより購入
スーパードラマーSteve Smithが結成した「Raga Bop Trio」(2010年)で珍妙なギターとインド風ラップを披露していたインド出身のギタリスト、Prasanna(プラサンナ)によるリーダー作です。2006年リリース。タイトルはもちろんJimi Hendrixの名盤「Electric Lady Land」をオマージュしたもので、Prasanna自身もジミヘン信奉者であると同時に、アルバム自体もジミヘンへのトリビュートものとして謳われています。
Prasannaの芸風はギターでシタールのような珍妙なフレーズを凄まじいスピードで弾き倒すという特異なスタイル。そんな彼がジミヘンをどうやってトリビュートするのか大変興味深いところですが、期待に違わぬ珍妙なフレーズの連発を披露してくれています。注意深く聴いてみると、フレーズの端々にブルース、ハードロック、ジャズの要素をさりげなく取り入れつつ、自らのルーツであるインド民族音楽をしっかりと現代音楽へと昇華しています。ただ単純に「民族系ミュージシャン」としてカテゴライズするのは勿体ないほど、芸風に奥行きが感じられます。
さて、ふと我に返るとこのアルバムのどこがジミヘントリビュートなのだろうかと思ってしまいますが、ジミヘン的な要素から音楽的に自由になることで、自分のやりたい音楽を作り上げることに成功しているのではないでしょうか。
「Raga Bop Trio」も投入します♪
●Musicians
Prasanna / guitar,konnakol,bass
Haridwaramangalam A.K.Palanivel / thavil
B.S.Purushotham / kanjira,konnakol
Prapancham Ravindran / mridangam
S.Karthick / ghatamand konnakol
●Numbers
1. Eruption in Bangalore
2. Snakebanger's Ball
3. 4th stone from the Sun
4. Dark Sundae in Triplicane
5. Indra's necklace
6. 9th Stone from the Sum
7. Iguana on a funky trail
8. 8th Avenue and East Mada street
9. Pot Belly Blues
10. Sri Jimi
11. Bowling for Peace
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コメント
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Raga Bop Trioの1曲目でノックアウトされて以来 Prasanna をおっかけてきました。
こんな盤があるのは知りませんでした! すばらしいです!!!
Prasannaのテクニックは基本的にはシタールに基づくものと思われますが、ジャズも解するところが凄い!
ガネーシャはちなみに、象の姿をしたヒンドゥー神ですね。
ジョン・アーヴィングの「サーカスの息子」を読んで知りました(T T)
Rez Abbasi も西アジア?では注目のギタリストですが、M-Baseの洗礼を受けているためPrasannaと比較すると、ちょっとスノッブぎみでしょうか…
しかし「Suno Suno」とか最高にイケてます。
Vijay Iyer とか Rudresh Mahanthappa とか、西アジア?は密かにジャズ界の台風の目になりつつある今日この頃を感じました。
ではでは
投稿: betta taro | 2013年9月 3日 (火) 22時47分
betta taroさま
コメントありがとうございます。
この盤はネットを回遊していて偶然発見したものですが、
ラッキーな拾い物でしたね。
数年後、インドは中国を抜いて最多人口国になりますね。
とすると、まだまだとんでもない逸材が出てくる可能性が大です。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2013年9月16日 (月) 13時53分