新鋭トロンボーン奏者Samuel Blaser「As The Sea」にMarc Ducretが参加
Musician●Samuel Blaser(trombone)
Title●As The Sea(2012年)
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Samuel Blaser(サミュエル・ブラッサー)はスイス出身の新進気鋭のトロンボーン奏者です。前作「Boundless」(2011年)に続くフランスの奇才Marc Ducret(マルク・デュクレ)が参加しているということで漁盤しました。2011年11月5日、6日にかけてベルギーで行われたライブ音源になります。参加メンバーはMarc Ducret(guitar)に加えてBaenz Oester( bass)、Gerald Cleaver(drums)と前作とまったく同じ構成です。Gerald CleaverはRaoul Bjorkenheim(guitar)のアルバムに参加するなど、最近個人的に注目しているミュージシャンです。引き続きフリー系としては知る人ぞ知るスイスのレーベル「Hat Hut」からリリース。
内容はというと前作と同様、完全な欧州系フリージャズ。一応、曲タイトルとしては4編から構成される組曲の形をとってはいますが、これも前作と同じようにBlaserとDucret両者によるインタープレイの連続です。こうしたフリーインプロの場合、メンバーの誰かが緊張感に欠いたり、誰かが極端に場を乱すような行動に出てしまうと、途端に冗漫でつまらない作品になってしまうように思えます。かといって、逆に調和を重視してしまうとフリーとは言い難くなるという、実にややこしい二律背反性を秘めています。ぎりぎりのラインで成立させてしまう力技と高度なインテリジェンスにはひたすら感心してしまいます。耳はどうして主役級の二人に傾いてしまいますが、リズム隊の活躍ぶりにも注目です。
●Musicians
Samuel Blaser / trombone
Marc Ducret / guitar
Baenz Oester / bass
Gerald Cleaver / drums
●Numbers
1. As The Sea Part 1
2. As The Sea Part 2
3. As The Sea Part 3
4. As The Sea Part 4
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