北欧の爆裂系ギタリストRaoul Bjorkenheimの新ユニット「KALABALIK」
Musician●Raoul Bjorkenheim(guitar)
Title●Kalabalik(2013年)
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フィンランド出身の爆裂&フリー系ギタリスト、Raoul Bjorkenheim(ラウル・ビョーケンヘイム)といえば「Scorch Trio」での活動が有名ですが、突如として別ユニットを立ち上げることでも知られています。ECMからリリースされている東洋音楽に強くインスパイアされた「Krakatau」などもその一つだと思われます。今回のユニット「KALABALIK」はトルコ語で「雑踏」という意味だそうです。ユニット名の珍妙さはともかく、ギター2本と打楽器奏者という変則編成にも驚かされます。Anders Nilsson(guitar)とGerald Cleaver(drums)というトリオなのですが、もう一人のギタリストAnders Nilssonは名前から判断してスウェーデン出身、打楽器奏者Gerald Cleaverはアフリカ系ミュージシャンです。最近ではトロンボーン奏者Samuel BlaserのアルバムでMarc Ducret(guitar)と共演しています。
このアルバムは2011年1月2日、NYCの「Downtown Music Gallery」でのライブ音源になります。数年前に同会場でのライブ音源がリリースされていますが、同じ流れというなるのでしょうか。リミックス作業はやはりNYCを拠点に活動するフリー系ギタリスト、Robert Mussoが担当しています。Anders NilssonはMarc RibotやElliot Sharpが一押しのギタリストということですから、その芸風たるや推して知るべし、という塩梅でしょうか。
ギタリスト2名と打楽器奏者という編成にかなりの戸惑いを感じてしまうのですが、Bjorkenheimは左サイド、Anders Nilssonは右サイドを担当。Bjorkenheimへ例によって例のごとく、凄まじい爆裂ソロをいきなり炸裂させていますが、Anders Nilssonも負けじと応戦。いきなりハイテンション極まりないギターバトルで始まり、これがなんと最後まで延々と続きます。これは楽曲というより完全フリーのインプロ合戦であり、聴く側にとっては相当な気力と体力が必要とされます。打楽器奏者Gerald Cleaverもこれまた重量感満載のど迫力で、2人のギタリストを熱血サポート。「Scorch Trio」もかなりのものでしたが、変態度とど迫力という点ではこの「KALABALIK」もかなりのものだと思います。とにもかくにも、かなり聴く人間を選ぶ作品であることは間違いありません。
●Musicians
Raoul Bjorkenheim / guitar
Anders Nilsson / guitar
Gerald Cleaver / drums
●Numbers
1. Spiraling Skies
2. Vortex
3. Incarnation
4. Robot Tango
5. Saga Raga
6. Descension
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