Marc Ducretの「Towerシリーズ」完結編? Vol.3をやっと入手
Musician●Marc Ducret(guitar)
Title●Tower,vol.3(2013年)
■Ayler Recordsより購入
フランスが生んだ奇才、Marc Ducret(マルク・デュクレ)がお届けする「Towerシリーズ」のおそらく完結編と思われる「Vol.3」をやっとこさ入手しました。どうやら6月頃に発売されたようですが、相変わらず公式サイトは更新されていませんでしたし、Amazon Franceも予約販売のスタートが遅かったのでなかなか気がつきませんでした。というわけで、版元「Ayler Records」から直接個人輸入(Pay Pal払い)。実はこれが一番安く入手できるようです。14ユーロほどでした。
さて「Vol.1」「Vol.2」ときて、「Vol.3」を抜かして「Vol.4」へ飛んでしまったのですが、「Vol.4」がリリースされた時点で「Vol.3」は2011年にレコーディング済みとアナウンスされていました。しかし、クレジットを見ると2012年12月17日~19日の3日間にかけてレコーディングされたと明記されています。何らかの事情で2011年音源は“お蔵入り”してしまったようですね。参加ミュージシャンはFidel Fourneyron(trombone)、Sylvain Lemetre(vibraphone,etc)、Matthias Mahler(trombone)、Alexis Persigan(trombone)、Antonin Rayon(piano,celesta)というベースレス、ドラムレスの変則構成。トロンボーン奏者3人というのは「Vol.1」と同じですが、メンバー的にはMatthias Mahlerが被るだけで、ほかは一新されています。Sylvain Lemetreというヴィブラフォン奏者とAntonin Rayonという鍵盤楽器奏者が加わったのが大きな違いですね。
「Vol.1」では管楽器軍団とDucretによる丁々発止のインプロ合戦という趣でしたが、今回は割とおとなしめの演奏で終始しています。おとなしめと書いたのはあくまでも「Vol.1」との比較のうえでの話で、完全フリーの状況下でのインプロ合戦は熾烈を極めています。ただ、トロンボーンの露出が多いので、その辺りが全国5万人のDucretファンにとっては欲求不満が残るかもしれません。
今回はSylvain Lemetreが奏でるヴィブラフォンが絶妙なアクセントとして機能しているのですが、奇妙なリフレインが現れては消え、気がついたら浮上してくるという塩梅で、奇妙なトランス状態を作り上げています。面白い仕上がりになっているとは思いますが、欲を言えばDucretにはもう少しバリバリ弾いてほしいというのが本音です。
タイトルでは勝手に「完結編」としましたが、奇才Ducretだけに「実はまだ隠し玉がありまっせ」と続編を出してくるような予感もしますね。
●Musicians
Marc Ducret / guitar
Fidel Fourneyron / trombone
Sylvain Lemetre / vibraphone,xylophone,marimba,percussions
Matthias Mahler / trombone
Alexis Persigan / trombone
Antonin Rayon / piano,celesta
●Numbers
1. Real Thing #1
2. Real Thing #2
3. Real Thing #3
4. Softly Her Tower Crumbled in the Sweet Silent Sun
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