Pat Martinoの異色作「Baiyina Clear Evidence」
Musician●Pat Martino(guitar)
Title●Baiyina Clear Evidence(1968年)
■ディスクユニオンで購入
ジャズギターの巨匠Pat Martino(パット・マルティーノ)が1968年にリリースした「Baiyina Clear Evidence」です。参加メンバーはBobby Rose(second guitar)、Gregory Herbert(alto sax,flute)、Richard Davis(bass)、Charlie Persip(drums)、Reggie Ferguson(tabla)、Balakrishna(tambours)という布陣。
イタリアとアラブ系の混血という自身の出自がそうさせたのかもしれませんが、このアルバムは全曲にインド楽器が使われているというジャズギターアルバムとしては異色の趣向になっています。イタリアやアラブとインドがどうやって結びつくのかという細かいことは差し置くとして、後にJohn McLaughlinがマハヴィシュヌ・オーケストラを率いてインド趣味バリバリの作品を発表したのが1972年頃の話ですから、時代を考えるとかなり先を行っていたことになります。The Beatlesがジョージ・ハリスンのインド趣味を取り入れた「White Album」を発表したのが1968年ですから、ジャズ界でも当時の先端を行っていた形です。
アルバムジャケットに「A Psychedelic Excursion Through The Magical Mysteries Of The Koran」と印字されているように、インド趣味と言ってもコーランが醸し出す不思議な音世界を通してサイケミュージックを作りだそうとしています。ほぼ全曲が変拍子で進行し、タブラが妖しい雰囲気を醸しだしあくまでもダークな曲調。フルートの調べがますます黒い雰囲気を盛り立てます。ジャズアルバムというよりはサイケミュージックと評価したほうが相応しいかも。Martinoのアルバムとしては異例とも言えるもう1人のギタリストを起用している点にも注目です。
●Musicians
Pat Martino / guitar
Bobby Rose / second guitar
Gregory Herbert / alto sax,flute
Richard Davis / bass
Charlie Persip / drums
Reggie Ferguson / tabla
Balakrishna / tambours
●Numbers
1. Baiyina
2. Where Love's a Grown-Up God
3. Israfel
4. Distant Land
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