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2013年7月

2013年7月28日 (日)

Chris Potterの新境地「Underground」

R0012348
Musician●Chris Potter(tenor sax)
Title●Underground(2006年)
■Amazonより購入


NYCを拠点に活躍するサックス奏者Chris Potter(クリス・ポッター)が2006年にリリースした“問題作”です。参加メンバーはWayne Krantz(guitar)、Craig Taborn(keyboards)、Nate Smith(drums)のカルテットが基本で、盟友Adam Rogersは2曲に参加しています。つまりは「ベース奏者」不在の変則構成ということですが、鍵盤楽器が上手いことフォローしているので、ベース不在をあまり意識させません。

「Follow the Red Line」(2007年)もけっこう尖った作風でびっくりした記憶があるのですが、こちらもかなりのぶっ飛びぶりです。聞けばこの「Underground」ユニット自体がChris Potterにとっては別働隊にあたり、「4ビート」を一切排した音楽をやりたかったそうです。確かに「4ビート」は出てきませんね。言ってみれば「変則リズムを基調としたハードフュージョン」という表現が相応しいかもしれません。Steve Colemanを祖とする「M-Base的サウンド」の新しい形と言ってもいいかと思います。ジャズから入る人にとっては違和感を感じるかもしれませんが、ロックやファンクから入った人にとってはドンピシャとハマる可能性が大です。

この手の音楽は大きく好き嫌いが分かれると思うのですが、個人的にはグリグリの「○」。横ベクトルではなく縦から攻め立ててくる変則リズムに乗ってPotterの激しいブロウが五臓六腑を刺激しまくります。このアルバムの最大の肝であるWayne Krantzのカッ飛んだフレーズも、このアルバム限定という意味では非常にマッチしています。釣られる形でAdam Rogersも「Lost Tribe時代」を思わせるような尖ったフレーズを連発してくれているのはご愛敬かもしれません。ラストの「Yesterday」はビートルズのカバーですが、いい意味でのクールダウンという位置づけなのでしょうか。

●Musicians
Chris Potter / tenor sax
Wayne Krantz / guitar
Craig Taborn / keyboards
Nate Smith / drums
Adam Rogers / guitar on #6,#9

●Numbers
1.  Next Best Western
2.  Morning Bell
3.  Nudnik
4.  Lotus Blossom
5.  Big Top
6.  The Wheel
7.  Celestial Nomad
8.  Underground
9.  Yesterday

2013年7月27日 (土)

「FRAGILE」の10th「The Sun And The Melodies」はキンクリのパクリにあらず

R0012100
Musician●FRAGILE
Title●The Sun And The Melodies(2009年)
■Amazonより購入


日本が誇るジャズロックユニット「FRAGILE」(フラジャイル)のよる3年ぶり10枚目のアルバムです。2009年リリース。不動のメンバーは矢堀孝一(guitar)、水野正敏(bass)、菅沼孝三(drums)の3人組です。

アルバムタイトルを見てニヤリとさせられるようにあの「太陽と戦慄」のパクリなのですが、音のほうはプログレではなくいつものハード系ジャズロックなのでご安心を。この「FRAGILE」はデビュー当時から追いかけているバンドなのですが、いい意味でのマンネリズムというかどこから聴いても金太郎飴的なサウンド作りには、妙な安心感を感じさせます。と書くと何だかマイナス評価として受け取られてしまいそうですが、個人的にはFRAGILEにはずっと同じ路線で歩んでいってほしいと思いますし、いつどのアルバムを聴いてもFRAGILEはFRAGILEのままでいてほしいというのが一ファンとしての勝手な願いなのです。メンバーにとってはそれこそ大きなお世話であることは重々承知のうえですが。

ただ、あえてこのアルバムの難点を挙げると、なぜだか全体的に音質が悪く、特に#3あたりでは肝心のハイライトが音割れしてしまっています。これはせっかくの音源が台無しなわけで何とかならなかったのかと少しばかり残念です。

●Musicians
矢堀孝一 / guitar
水野正敏 / bass
菅沼孝三 / drums

●Numbers
1.  The Sun and The Melody - PART1
2.  The Sun and The Melody - PART2
3.  Sense of Crisis
4.  Roma Dance
5.  Jog Trot
6.  Domino Fufu
7.  Inns of Sparrow
8.  Insomnia
9.  Sustain47
10. Around-about

2013年7月26日 (金)

Andy Timmonsの別働隊「Pawn Kings」のライブ音源

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Musician●Andy Timmons(guitar,vocal)
Title●Pawn Kings Live(1998年)
■ディスクユニオンで購入


テキサス出身のテクニカル系ギタリストAndy Timmons(アンディ・ティモンズ)が地元でR&Bを中心とした音楽活動する時に使う別働ユニット「Pawn Kings」によるライブ音源です。1998年8月26日、テキサスの「Blue Cat Blues In」というクラブで録音されています。参加メンバーはMike Medina(bass,vocals)、Tommy Young Hammond(B3,vocals)、
Mitch Marine(drums)、Dan Wojciechowski(drums)、Keith Carlock(drums)とクレジットされています。2004年、自らのレーベルよりリリースされています。

自身名義でリリースされた音源と比較すると、地元テキサスでもライブということもあって、終始リラックスリラックスした雰囲気で進行するこの音源。自他ともに認めるビートルズマニアだけに随所に「ビートルズ愛」を披露するとともに、JBやサンタナの曲を取り上げるなど、60年代、70年代ロック好きには実に魅力的な楽曲が並んでいます。同時に全体から感じられるのが、同郷の先輩であるStevie Ray Vaughanへの尊敬の念です。Timmons自身はエフェクターを使って音を歪ませるタイプではありませんが、この日ばかりはRay Vaughanばりにエフェクトさせたギターを披露しています。リラックスした雰囲気の中にも凄まじいギターを堪能できる好盤なのですが、Andy Timmons名義のアルバムから入った若い世代にとっては、もしかしたら時代感覚に戸惑いを覚えるかもしれません。

これは余談ですが、なぜかこのアルバム、台湾の「台北講習演奏會」というところから発売されています。単なるジョークなのか、真面目に作られたのか…かなりの謎です。


●Musicians
Andy Timmons / guitar,vocals
Mike Medina / bass,vocals
Tommy Young / Hammond B3,vocals
Mitch Marine / drums on #1,#6,#7,#9,#11
Dan Wojciechowski / drums on #5,#8,#10,#12
Keith Carlock / drums on #2,#3,#4

●Numbers
1.  Guess Who's Back in Town      
2.  I Feel Good      
3.  Black Magic Woman      
4.  The Loner      
5.  Money      
6.  Way That I'm Livin'      
7.  I've Been in Dallas (For A Long, Long Time)      
8.  Come Together      
9.  Sweet Home Chicago

2013年7月21日 (日)

「ASIA」の残党「GPS」の日本ライブ

R0012400
Musician●GPS
Title●Live In Japan Two Sessions Volume.1(2007年)
■Amazonより購入


80年代に一世を風靡したプログレバンド「ASIA」は大黒柱的存在だったJohn Wettonが脱退した後、John Payne(bass,vocal)が中心になって細々と活動していましたが、2006年に本家「ASIA」がオリジナルメンバーで再結成するという“反則技”によって、バンドを懸命に維持していたJohn Payne、Guthrie Govan(guitar)、Jay Schellen(drums)は職を失うという憂き目にあいます。何という不幸な巡り合わせなのでしょう。そこでやむなく立ち上げたユニットが3人の頭文字を冠した「GPS」ということになるようです。「GPS」は日本人鍵盤楽器奏者、奥本亮を迎え入れアルバム「Window To The Soul」を2006年にリリースします。奥本氏を加えた「GPS」はアルバムのセールスプロモーションのために世界ツアーを敢行しますが、2007年10月に来日公演を実現させています。同年10月14日、渋谷「O-WEST」でのライブ音源がこのアルバムです。2012年になって突如リリースされています。

その後、「GPS」は2ndをリリースするわけでもなく、やがてGuthrie Govanが脱退するに及んで自然消滅に近い状態ですが、John Payneの手によって2ndアルバムリリースの計画はあるようです。もちろんこの手の情報はほとんどアテになりません。その意味ではこれは大変貴重なライブ音源ということになるわけですが、そもそもは商品化の予定はなく関係者用の資料音源&映像だったという“オチ”がついています。したがって、CDの音質はもちろん、映像もまるでホームビデオで撮影したようなクオリティです。正直に言いまして、鑑賞に耐えうるレベルとは言えません。

ことの経緯を考慮に入れたとしても、やはりこうした音源・映像を商品化してしまうことはあんまりだとは思います。もしかしたらJohn Payneに焦りのようなものがあったのでしょうか。とは言え、Guthrie Govanのギターはすでに素晴らしい出来映えなわけで、個人的にはGovanのプレイを聴くための資料として割り切っております。いろいろと文句を書き連ねていますが、それでも「Heat Of The Moment」のイントロが聴こえてくるとついついウルっとしてしまうのは年齢からくるものでしょうね。

●Musicians
John Payne / vocals,bass,guitar
Jay Schellen / drums,percussion
Guthrie Govan / guitars
Ryo Okumoto / keyboards

●Numbers
[CD 1]
1.  The Objector
2.  All My Life
3.  Since You’ve Been Gone
4.  Heaven Can Wait
5.  Window To The Soul
6.  Taken Dreams
7.  Ryo’s Keyboard Solo
8.  Military Man
9.  Gold

[CD 2]
10. Written On The Wind
11. Silent Nation
12. Long Way From Home
13. Jay Schellen Drum Solo
14. Only Time Will Tell
15. Guthrie Govan Guitar Solo
16. Heat Of The Moment
17. New Jerusalem

2013年7月20日 (土)

Trilok Gurtuのリーダー作「Kathak」

R0012358
Musician●Trilok Gurtu(drums,percussins)
Title●Kathak(1998年)
■ディスクユニオンで購入


インド出身のパーカッション奏者Trilok Gurtu(トリロク・グルトゥ)の名前が知られるようになったのは「OREGON」のコリン・ウォルコットが不慮の事故で亡くなってしまい、その後釜として加入してからではないかと思われます。その後、インドマニアのJohn McLaughlinとの共演(「Live at the Royal Festival Hall」「Que Alegria」)やJan GarbarekやJoe Zawinulの作品でも名前を見つけることができます。

1998年にリリースされたこの「Kathak」は1曲のみですがSteve Lukatherが参加しています。Lukather自体の存在感は大したことことはないのですが、アルバム全体に漂うエスニカルというかインド趣味全開の音づくりはかなり珍妙で面白い仕上がりになっています。もちろん例のインド風チャット「タケダタケダタタタ…」もほとんどの曲で入っています。

Trilok Gurtuのお勧め盤としてはパット・メセニーが参加した「Crazy Saints」もぜひ。こちらは中近東風のサウンドで怪しさ全開。かなり楽しめます。
 
●Musicians
Trilok Gurtu / drums,tabla,percussions,voice
Jaya Deva / ganawa,voice,guitar
Kai Eckhardt de Camargo / bass
Ravi Chary / sitar,harmonium
Neneh Cherry / voice
Shobha Gurtu / voice
Steve Lukather / guitar on #3
Theodosii Spassov / kaval on #3,#7

●Numbers
1.  Ganapati
2.  You,Remember This
3.  Seven Brings Return
4.  Shunyai
5.  Who Knows The Mind
6.  Kathak
7.  Brasilian

2013年7月19日 (金)

Planet Xの1st「Universe」

R0012398
Musician●Planet X
Title●Universe(2000年)
■Amazonより購入


元「Dream Theater」の鍵盤楽器奏者Derek Sherinian(デレク・シェリニアン)が立ち上げた超絶ユニット「Planet X」のバンドとしては1stアルバムです。1999年にVirgil Donati(drums)とBrett Garsed(guitar)という豪州人2人の助けを受けて本人名義のリーダー作「Planet X」をリリースしていますが、Virgil Donatiとともにアルバム名をそのままユニット名としたのが「Planet X」という流れになります。このアルバムの最大のポイントはBrett Garsedに代わるギタリストとして、Tony MacAlpineを招聘した点にあることは間違いありません。当時、MacAlpineはDenis Chambers(drums)らと「CAB」での活動も行っていましたから、彼の人気のほどを推し量ることができます。ベース奏者が不在ということで、かつてBill Connorsのリーダー作に参加したTom Kennedyがサポートに回っています。クレジットを見るとT.J.Helmerichの名前が発見できます。

プログレ色が強かった前作「Planet X」と聴き比べると、サウンドはシンプルになり、HM色が明らかに増しています。これはMacAlpineの影響が大ということだと思います。サウンドがシンプルになったとはいえ、楽曲自体は複雑さを極め、変拍子につぐ変拍子による狂おしいまでの波状攻撃は、この手の音楽が好きな御仁にとってはまさに大好物でしょうね。

同じ「Dream Theater」出身の鍵盤楽器奏者Jordan Rudessのリーダー作は「俺が俺が」的な雰囲気が感じられてしまい、正直言ってあまり好みではないのですが、対するDerek Sherinianはメンバーの力量を最大限に引き出すようなアプローチ、楽曲作りをするではないかと思います。ギターが生きているという点からもそう思ってしまうのです。

●Musicians
Derek Sherinian / keyboards
Virgil Donati / drums
Tony MacAlpine / guitar
Tom Kennedy / bass

●Numbers
1.  Clonus
2.  Her Animal
3.  Dog Boots
4.  Bitch
5.  King Of The Universe
6.  Inside Black
7.  Europa
8.  Warfinger
9.  Chocolate
10. Poos Of Trance
11. 2116

2013年7月15日 (月)

辺境ジャズロック。インドネシア産Dewa Budjanaの「Dawai In Paradise」

R0012342
Musician●Dewa Budjana(guitar,guitar-synthesizers)
Title●Dawai In Paradise(2013年)
■Amazonより購入


久々に「辺境ネタ」の投入です。何となくネットを回遊していて発見した物件です。インドネシアを代表するロックバンド「GIGI」のギタリスト、Dewa Budjanaというお方のリーダー作です。2013年リリース。実は某レコードショップさんが得意としている「辺境シリーズ」でインドネシア特集が組まれていたのですが、You Tubeの映像を見ていて「これは!」という塩梅で入手に至った次第です。参加ミュージシャンは名前から判断しておそらく当地の人たちと思われますが、1曲のみPeter Easkineが参加しています。どういう経緯での参加オファーなのかはわかりませんが、その世界ではDewa Budjanaの名はそれなりに認知されているということなのでしょうか。おっと、あのDave Carpenterの名前もクレジットされています。

さて、触れ込みでは「Return To Forever」や「80年代型King Crimson」あたりとの類似性が書かれていましたが、聴いた感じでは良質なジャズフュージョンというイメージです。インドネシアといえば「ガムラン」と短絡的に連想してしまうのですが、西洋的なフュージョンにそうした民族音楽の要素を上手い具合に取り入れています。民族音楽と西洋音楽の融合というと、いかにもとって付けたような無理なアレンジになりがちなのですが、そのあたりは実に巧みにクリアしているので、実に心地よく音が耳に入ってきます。インドネシア、侮ってはいけません。

Dewa Budjana自身はジョン・マクラフリンをギターアイドルとして挙げているようですが、本家ほど唯我独尊的にゴリゴリと弾きまくる感じではありませんね。あくまでも全体のアレンジを重要視するタイプのギタリストです。ですから、聴いていてあまり疲れません(笑)。

そんなわけであの「Discus」に続く存在として十分な実力を持っていると思うのですが、残念ながら音質はあまり良好とは言えません。せっかくの高い演奏能力を持っているのに、それを十二分に味わえないのは残念です。

<追記>このアルバムに参加しているベース奏者、Dave Carpenterは2008年に48歳という若さで亡くなっています。したがって2008年以前にレコーディングされているということになります。Dave CarpenterはPeter ErskineやAlllan Holdsworthなどの多くの作品に参加しています。あらためて合掌。


ついでというわけではありませんが、Dave CarpenterとAllan Holdsworthの共演です。

●Musicians
Dewa Budjana / guitar,guitar-synthesizers
Sandy Winata / drums
Shadu Rasjidi / bass
Irsa Pratiwi / piano
Vinod Gangani / voice
Ronald Fristianto / drums
Rishanda Singgih / bass
Peter Erskine / drums
Dave Carpenter / bass
etc,

●Numbers
1.  Lulu Lintas
2.  Gangga
3.  Masa Kecil
4.  Dawaiku
5.  Kromatik Lagi
6.  Backhome
7.  Malacca Bay
8.  Kunang Kunang
9.  Caka 122
10. Rerad Rerad
11. On The Way Home

2013年7月14日 (日)

Pat Martinoの異色作「Baiyina Clear Evidence」

R0012287
Musician●Pat Martino(guitar)
Title●Baiyina Clear Evidence(1968年)
■ディスクユニオンで購入


ジャズギターの巨匠Pat Martino(パット・マルティーノ)が1968年にリリースした「Baiyina Clear Evidence」です。参加メンバーはBobby Rose(second guitar)、Gregory Herbert(alto sax,flute)、Richard Davis(bass)、Charlie Persip(drums)、Reggie Ferguson(tabla)、Balakrishna(tambours)という布陣。

イタリアとアラブ系の混血という自身の出自がそうさせたのかもしれませんが、このアルバムは全曲にインド楽器が使われているというジャズギターアルバムとしては異色の趣向になっています。イタリアやアラブとインドがどうやって結びつくのかという細かいことは差し置くとして、後にJohn McLaughlinがマハヴィシュヌ・オーケストラを率いてインド趣味バリバリの作品を発表したのが1972年頃の話ですから、時代を考えるとかなり先を行っていたことになります。The Beatlesがジョージ・ハリスンのインド趣味を取り入れた「White Album」を発表したのが1968年ですから、ジャズ界でも当時の先端を行っていた形です。

アルバムジャケットに「A Psychedelic Excursion Through The Magical Mysteries Of The Koran」と印字されているように、インド趣味と言ってもコーランが醸し出す不思議な音世界を通してサイケミュージックを作りだそうとしています。ほぼ全曲が変拍子で進行し、タブラが妖しい雰囲気を醸しだしあくまでもダークな曲調。フルートの調べがますます黒い雰囲気を盛り立てます。ジャズアルバムというよりはサイケミュージックと評価したほうが相応しいかも。Martinoのアルバムとしては異例とも言えるもう1人のギタリストを起用している点にも注目です。

●Musicians
Pat Martino / guitar
Bobby Rose / second guitar
Gregory Herbert  / alto sax,flute
Richard Davis / bass
Charlie Persip / drums
Reggie Ferguson / tabla
Balakrishna / tambours

●Numbers
1. Baiyina
2. Where Love's a Grown-Up God
3. Israfel
4. Distant Land

2013年7月13日 (土)

究極のギターシンセ。John Abercrombieの「Animato」

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Musician●John Abercrombie(guitar,guitar-synthesizers)
Title●Animato(1989年)
■ディスクユニオンで購入


ECMを代表する知性派ギタリストJohn Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)による1989年の作品です。参加メンバーはJon Christensen(drums.percussions)、Vince Mendoza(synthesizers,composer)という少人数制編成です。

このアルバムはギターというよりもギターシンセの可能性を探るための実験作なのだと思われます。ご存じのように80年代から90年代にかけてAbercrombieはギターシンセを好んで演奏していましたが、全曲ともギターシンセ中心という作品はおそらくこのアルバムが初めてではないかと思われます。たぶんにギターシンセアルバムの集大成的な位置づけではないかと。

このことは作曲面にも表れていて全8曲中、Abercrombieが作曲に関わっているのは2曲のみ。残りはVince Mendozaに託しています。一言で言ってしまえば、このアルバムはジャズという枠組みにも収まらない壮大な幻想音楽であり、音と音とを幾重にも重ねて制作された組曲の集合体です。その意味ではAbercrombieの作品としてもかなり異色中の異色です。ギターシンセが持つ楽器としての可能性を極限にまで追究した結果、このような作品が出来上がるというか、こうならざるを得ないという一つの指針を指し示しているように思われます。このアルバムの発表後、Abercrombie自身もあまりギターシンセを導入していないことを考えると、完全に「やり切った感」が伝わってきます。

●Musicians
John Abercrombie / guitar,guitar-synthesizers
Jon Christensen / drums.percussions
Vince Mendoza / synthesizers,composer

●Numbers
1.  Right Now
2.  Single Moon
3.  Agitato
4.  First Light
5.  Last Light
6.  For Hope Of Hope
7.  Bright Reign
8.  Ollie Mention

2013年7月12日 (金)

Larry CoryellとStanley Cowellが共演「Welcome My Darling」

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Musician●Larry Coryell(guitar)
Title●Welcome My Darling(1986年)
■ディスクユニオンで購入


ジャズギターの革命児Larry Coryell(ラリー・コリエル)は自身のスタイルなのだと思われますが、ピアノ入りカルテット構成による作品がほとんどないように思われます。鍵盤楽器を起用するとしてもどちらかというとエレピというイメージがあります。そんなコリエルが1986年にレコーディングした作品です。参加メンバーはStanley Cowell(piano)、 Buster Williams(bass)、 Billy Hart(drums)という何とも手堅い面子です。1986年3月5日、NYC「Ally's Alled」というクラブでのライブ音源になります。

いきなり#1「An Ameican In Paris」でアコギによるソロで始まりますが、聴く立場を不安にさせる相変わらずの「もたつき」を披露し若干波乱気味のオープニングです。これもご愛敬なのかなと思わせおいて、抜群の安定感を示し出すのが#2「Welcome My Darling」。Stanley Cowellをはじめとしたバックの好サポートを得て、コリエルも珍しくストレートアヘッドなジャズギターを聴かせてくれます。#3「Duo Force」もなかなか。エンジンが掛かり始めたコリエルがこの曲でもモタモタしながらも好演を披露しています。それでも結局しっかりと締めてくれるのはStanley Cowellなわけですが。いままでカルテットというフォーマットに手を出さなかったのは、もしかしたら準主役の存在感が引き立つことによって自分の立場が危うくなる危険性をハラんでいるからだったのでしょうか。

お決まりはラスト「Stella By Starlight」ということなのですが、全体としてやや面白味に欠けるのも否めません。まったく同メンバーでのライブ音源「Air Dancing」(1988年)のほうが演奏、楽曲とも数段優れているように思います。

●Musicians
Larry Coryell / guitar
Stanley Cowell / piano
Buster Williams / bass
Billy Hart /drums

●Numbers
1.  An Ameican In Paris
2.  Welcome My Darling
3.  Duo Force
4.  Stella By Starlight

2013年7月 7日 (日)

滝野聡(g)が参加。若手ジャズピアノ奏者、堀秀彰の8th「Celebration -Live at Nardis-」

R0012346
Musician●堀秀彰(piano)
Title●Celebration -Live at Nardis-(2011年)
■Amazonより購入


ギター奏者、滝野聡参加作品を探していて拾い上げた音源です。堀秀彰は1978年生まれということでまだ30代の若さながらすでに9枚のリーダー作を出している実力派。高校時代からジャズピアノに熱中し始め早稲田大学モダンジャズ研究会へ。2002年にアルバムデビューを果たし2007年「SwingJournal誌」の読者人気投票で11位に入ったとのこと。ジャズに音楽的拠点を置きながら、Dreams Come True、SILVA、DA PUMP、青山テルマなどのJ-POP作品にも参加しています。Dreams Come Trueのツアーメンバーに名を連ねているようです。

恥ずかしながら堀秀彰の存在を今回初めて知ったのですが、スタイルとしてはややコンテンポラリー系に近い色合いを見せるもののケニー・カークランド、セロニアス・モンクあたりが尊敬する先達だとか。このアルバムは堀氏がホームグラウンドとしている千葉県柏市の「Nardis」で行われたライブを収めたもので、滝野聡(guitar)、中林薫平(bass)というドラムレスによるトリオ。2011年5月2日~4日録音です。

選曲からしてどちらかというとストレートアヘッドなジャズアルバムに仕上がっていますが、なんと言っても“幻のギタリスト”滝野聡が参加しているのが最大のポイント。「TAKINO」や「Clair Voyant Clamor」あたりの尖った印象とは打って変わったストレートなジャズギターを聴かせています。往年のイメージを求める人にとってはやや拍子抜けの感があるかもしれませんが、それでも滝野氏のギターを聴けただけで個人的には大満足です。

よくよく調べてみると、滝野氏は堀氏の2nd、3rdアルバムにも参加していて(実はすでに2枚とも入手済み)、こちらも機会があればレポートしてみたく思います。

●Musicians
堀秀彰 / piano
滝野聡 / guitar
中林薫平 / bass

●Numbers
1.  Celebration
2.  Giraffe
3.  I'll Remember April
4.  All The Things You Are
5.  RB
6.  Color of K
7.  Alone Together
8.  Body&Soul

2013年7月 6日 (土)

Andy Timmonsの別働隊「Orange Swirl」

R0012351
Musician●Andy Timmons(guitar,vocal)
Title●Orange Swirl(2000年)
■ディスクユニオンで購入


テキサスを拠点に活動するテクニカル系ギタリストAndy Timmons(アンディ・ティモンズ)が「Orange Swirl」名義で発表した唯一のアルバムです。2000年リリース。Andy Timmonsといえば熱心なビートルズファンであることでも有名ですが、この音源はそんな彼の「ビートルズ愛」に満ちあふれた内容になっています。確か彼のサイト限定発売だったと思いますが、最近では配信発売も行われているようです。Mike Daane(bass)とMitch Marine(drums)という気心が知れたレギュラートリオに加えて、何人かゲストミュージシャンを迎えています。

自他ともに認めるビートルズマニアだけに、もろにカバーした#13はもちろんとしてビートルズの影響を強く感じさせる楽曲がズラリ。#4などは「Because」からの強いインスパイアを感じさせます。ビートルズにあまり興味がない人にとってはもしかしたら退屈かもしれないのですが、私などは「あれ、この曲!」「おやま、このフレーズ♪」などと聴きながらニヤリとすることの連続で、個人的にかなり楽しめる音源なのです。Timmonsを単なる一介のテクニカル系ギタリストと捉える人には実はあまりお勧めできない物件であることは確かかもしれません。

●Musicians
Andy Timmons / guitar,bass,drums,vocals
Mike Daane / bass
Mitch Marine / drums
Dan Wojciechowski / drums on #7,#9,#11
Greg Beck / percussion
Mike Medina / percussion
Cindy Horstman / harp on #13

●Numbers
1.  Please Come Home
2.  State of Mind
3.  My Friend
4.  It's a Shame
5.  In His Arms
6.  Wherever You Are
7.  Nobody Cares About Julie
8.  Now That You've Been Gone
9.  Nothing You Can Do
10. Homeless
11. Leave It Alone
12. Call My Name
13. She's Leaving Home

2013年7月 5日 (金)

ロシアの気鋭Andrei KondakovとPaul Bollenbackのデュオ「Alone and Together」

R0012364
Musician●Andrei Kondakov(piano)
Title●Alone and Together(2002年)
■Gemm.comより購入


ロシアの鍵盤楽器奏者Andrei Kondakov(アンドレイ・コンダコフ)がアメリカ人ギタリストPaul Bollenback(ポール・ボーレンバック)と組んだギターデュオアルバムです。タイトルの「Alone and Together」はあの名盤「Alone Together」を意識していることは明らかすぎるわけですが、時としてジャズ畑の人はこうしたことを平気でやらかしますね。KondakovとBollenbackは同時期に傑作「Kind of Optimistic」を制作しており、並行して録音されたのだと思われます。2000年と2002年にロシアでレコーディングされています。

デュオアルバムということでバンド形式で制作された「Kind of Optimistic」と比較してもあまり意味をなさないのですが、ここでの2人はあくまでも「静かな対話」に徹しています。繊細すぎるKondakovのピアノと太い弦をバリバリと弾きまくるBollenbackとは対照的とも言えますが、それはそれでしっかりと成立しているように感じられます。Jim HallとBill Evansのラインを狙ったわけではないとは思いますが、全体的に地味すぎるように思います。

ちなみに#3「And I Love Her」はレノン&マッカートニーの名曲です。

●Musicians
Paul Bollenback / guitar
Andrei Kondakov / piano,electric piano

●Numbers
1.  Song for Michel
2.  Together
3.  And I Love Her
4.  Alone Together
5.  Skylark
6.  If I Should Lose You
7.  Cat's Eye
8.  Alone
9.  I Thought about You

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