辺境ジャズロック。インドネシア産Dewa Budjanaの「Dawai In Paradise」
Musician●Dewa Budjana(guitar,guitar-synthesizers)
Title●Dawai In Paradise(2013年)
■Amazonより購入
久々に「辺境ネタ」の投入です。何となくネットを回遊していて発見した物件です。インドネシアを代表するロックバンド「GIGI」のギタリスト、Dewa Budjanaというお方のリーダー作です。2013年リリース。実は某レコードショップさんが得意としている「辺境シリーズ」でインドネシア特集が組まれていたのですが、You Tubeの映像を見ていて「これは!」という塩梅で入手に至った次第です。参加ミュージシャンは名前から判断しておそらく当地の人たちと思われますが、1曲のみPeter Easkineが参加しています。どういう経緯での参加オファーなのかはわかりませんが、その世界ではDewa Budjanaの名はそれなりに認知されているということなのでしょうか。おっと、あのDave Carpenterの名前もクレジットされています。
さて、触れ込みでは「Return To Forever」や「80年代型King Crimson」あたりとの類似性が書かれていましたが、聴いた感じでは良質なジャズフュージョンというイメージです。インドネシアといえば「ガムラン」と短絡的に連想してしまうのですが、西洋的なフュージョンにそうした民族音楽の要素を上手い具合に取り入れています。民族音楽と西洋音楽の融合というと、いかにもとって付けたような無理なアレンジになりがちなのですが、そのあたりは実に巧みにクリアしているので、実に心地よく音が耳に入ってきます。インドネシア、侮ってはいけません。
Dewa Budjana自身はジョン・マクラフリンをギターアイドルとして挙げているようですが、本家ほど唯我独尊的にゴリゴリと弾きまくる感じではありませんね。あくまでも全体のアレンジを重要視するタイプのギタリストです。ですから、聴いていてあまり疲れません(笑)。
そんなわけであの「Discus」に続く存在として十分な実力を持っていると思うのですが、残念ながら音質はあまり良好とは言えません。せっかくの高い演奏能力を持っているのに、それを十二分に味わえないのは残念です。
<追記>このアルバムに参加しているベース奏者、Dave Carpenterは2008年に48歳という若さで亡くなっています。したがって2008年以前にレコーディングされているということになります。Dave CarpenterはPeter ErskineやAlllan Holdsworthなどの多くの作品に参加しています。あらためて合掌。
ついでというわけではありませんが、Dave CarpenterとAllan Holdsworthの共演です。
●Musicians
Dewa Budjana / guitar,guitar-synthesizers
Sandy Winata / drums
Shadu Rasjidi / bass
Irsa Pratiwi / piano
Vinod Gangani / voice
Ronald Fristianto / drums
Rishanda Singgih / bass
Peter Erskine / drums
Dave Carpenter / bass
etc,
●Numbers
1. Lulu Lintas
2. Gangga
3. Masa Kecil
4. Dawaiku
5. Kromatik Lagi
6. Backhome
7. Malacca Bay
8. Kunang Kunang
9. Caka 122
10. Rerad Rerad
11. On The Way Home
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