TRIBAL TECH / TRIBAL TECH(1991年)
Musician●Tribal Tech
Title●Tribal Tech(1991年)
■ディスクユニオンで購入
Scott Henderson(guitar)とGary Willis(bass)が率いる双頭バンド「Tribal Tech」の記念すべき第1弾です。David Goldblatt(keyboards)、Joey Heredia(drums)、Brad Duts(percussions)という面子です。当時はKeyとDrumsに関してはまだ流動的だったのですね。
スコヘンファンに間では「Tribal Tech」以前に「Passportレーベル」からリリースされた初期3作が入手困難というバイアスがかかって注目されているようですが、スコヘンのプレイスタイルが確立したという意味では、やはりこの作品を抜きには語れません。スピード感とスリル感、楽曲の素晴らしさ、そしてメンバーの超絶技巧とどれをとっても隙がないというか、とにもかくにも完璧すぎるのです。
いきなり#1「Signal Path」で聴かれる目の覚めるような流麗なレガート、そして全曲にわたってウネリにウネるギターと、90年代のハードフュージョンの指針を指し示すお手本のような作品です。スコヘンのギターばかりが注目されるのは仕方がないのですが(個人的にはもっと注目されるべきと思います)、サウンド的にはWeather ReportやZawinul Syndicateあたりの先達が築き上げた良き伝統をしっかりと継承しつつも、自らの音楽へとしっかり昇華しています。「Tribal Tech」は「Face First」(1993年)以降、急激にブルース色を強めていきますが、個人的には直球勝負でわかりやすいこの時期の音づくりのほうが好みです。
●Musicians
Scott Henderson / guitar,guitar-synthesizers
Gary Willis / bass,synthesizers
David Goldblatt / keyboards
Joey Heredia / drums
Brad Duts / percussions
●Numbers
1. Signal Path
2. Big Girl Blues
3. Dense Dance
4. Got Tuh B
5. Peru
6. Elvis At The Hop
7. The Necessary Blonde
8. Fight The Giant
9. Sub Aqua
10. Formula One
11. Wasteland
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はじめまして。
私はちょうど、このアルバムがリリースされた時に、
運よく、アメリカのライブハウス、ベイクドポテトで、
このアルバムの面子でのライブを観る事が出来ました。
当時の、スコヘンの音は、ホールズワース系の音からアウト系プレイ、ブルース系のプレイ満載という感じでバリバリでした。
あと、ギターシンセなんかも使っておりました。
とにかく当時の楽曲は、非常に難解なコード進行の曲が多いのに、
凄く滑らかに、その難解なコード進行の曲の上を、見事なソロで展開していくという感じで、
今となっては、貴重なライブを観れたと思っております。
投稿: けい | 2013年6月24日 (月) 18時03分
けいさま
はじめまして。
コメントありがとうございます。
今年の来日公演も見に行くことができずで、
生スコヘンを目撃されたということで羨ましい限りです。
スコヘンは作品を出すごとに自分名義とTribal Techとの棲み分けに、
少しばかり苦慮しているように思われますね。
最新作「X」までかなりインターバルがあったのは、
そこなのかと勝手に妄想している次第です。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2013年6月29日 (土) 16時14分
双頭バンドになってから特に、個人的にはベースのゲイリー・ウィリスの方にも、けっこう耳が行ってしまいます。前からそうでしたけど、より速いフレーズの個性的なアプローチで、それがグルーヴを作り出していて、その上をギターが奔放に舞い飛ぶ、という感じでしょうか。超絶技巧を必要とする曲が多いのに、難なく弾きこなしていて、まさにハードコア・フュージョンのグループとして君臨しているような存在感ですね。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2015年9月17日 (木) 21時51分
910さん
コメント&TBありがとうございます。
おっしゃる通り、ゲイリー・ウィリスの役割の重要性も相対的に大きくなりましたよね。あれだけ速いパッセージを苦もなく、かつファンキーに弾きこなすベース奏者はなかなかいません。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2015年9月17日 (木) 22時05分