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2013年6月21日 (金)

Steve Marcusの「Something」が待望のCD化

R0012267
Musician●Steve Marcus(tenor sax,soprano sax)
Title●Something(1970年)
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アメリカ出身のジャズサックス奏者Steve Marcus(スティーヴ・マーカス)といえば、60年代後半から70年代にかけて当時のジャズロックムーブメントを支えた重要人物です。初リーダー作「Tomorrow Never Knows」(1968年)ではLarry Coryellとの激しいバトルを展開し、ジャズロックとしてのひとつの形式を示したのではないかと思います。そんなSteve Marcusが日本人ミュージシャンと組んで制作したのがこの音源です。1970年9月14日、東京のスタジオで録音。参加メンバーは稲垣次郎 (tenor sax)、川崎燎 (guitar)、佐藤允彦 (piano,electric-piano)、荒川康男 (bass)、石松元 (drums)、田中清司 (drums)という構成。日本人のリーダーは稲垣次郎で、元々は「Soul Media」というユニットの中心人物でしたが、本作のレコーディングは制作決定後、なんと2日後という実にタイトな日程であったため、本来の「Soul Media」のメンバーとは異なっているとのこと。アレンジは佐藤允彦が担当しています。

1970年という時代、ジャズロックの黎明期ということを踏まえつつ聴いてみると、まさに70年代ジャズロックの教科書と言うべき内容です。この頃はロックの名曲をジャズ風にアレンジすることで、ジャズロックの出来上がりといういま考えると結構安直な手法が流行ったのですが、この「Something」もジョージ・ハリスン作の名曲をアレンジしたわかりやすい「ツカミ」からスタートします。ちなみにMarcusの「Tomorrow Never Knows」もビートルズの楽曲のカバーですね。むしろこのアルバムの本質がわかるのは#2、#3です。今の時代の形容で言えば「スピリッチャル系」ということになるのですが、ややサイケミュージックの色合いが濃厚なジャズロックが展開されています。若き川崎燎が頑張っています。

ちなみにこの音源は「世界初のデジタルレコーディング」になるそうです。これまで初めてのデジタルレコーディングはツトム・ヤマシタ「ツトム・ヤマシタの世界」であるとされていましたが、「ツトム・ヤマシタの世界」のレコーディングは1971年1月11日。この音源は1970年9月14日ですから、4ヶ月ほど先んじていることになります。そんな事実を差し置いても、音質は驚くほど良好です。あらためて日本の録音技術の高さに敬服です。

●Musicians
Steve Marcus / tenor sax,soprano sax
稲垣次郎  / tenor sax
川崎燎 / guitar
佐藤允彦 / piano,electric-piano
荒川康男 / bass
石松元 / drums
田中清司 / drums

●Numbers
1.  Something
2.  FairlyA Rings
3.  Serenity
4.  Something(alternative)

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