Porcupine TreeのフロントマンSteven Wilsonの「The Raven that Refused to Sing」を聴く
Musician●Steven Wilson(vocal,mellotoron,keyboards)
Title●The Raven that Refused to Sing(and other stories)(2013年年)
■Amazonより購入
英国のOPETH系プログレバンド「Porcupine Tree」(ポーキュパイン・トゥリー)のフロントマン、Steven Wilson(スティーヴン・ウィルソン)によるリーダー作です。2013年年リリース。正直に言いまして「Porcupine Tree」自体が個人的にはあまり馴染みがないのですが、OPETHのMikael Akerfeldtと組んだ「Storm Corrosion」(2012年)で耳にしたことがあります。喩えとして適切かどうかは自信がありませんが、「デス抜きのOPETH」という感じでしょうか。いまどき珍しくメロトロンを操るあたりなどはOPETHからの強い影響を感じさせます。今回、この音源を購入する決め手となったのは、参加メンバーの豪華さに尽きます。
今をときめくGuthrie Govan(guitar)とMarco Minnemann(drums)が参加。さらにはAdam Holzman(keyboards)の名前を見つけたらこれは買わざるを得ません。ほかはNick Beggs(bass)、Theo Travis(sax)という面子です。Nick Beggsという人は最近注目を集めているベース奏者だそうです。
当欄の趣向としては、やはり注目はGuthrie GovanとMarco Minnemannなわけですが、これが意外というか前面に出てきません。まるで借りてきた猫のような大人しさ。あれれ。おそらく「Porcupine Tree」の音楽性を崩さないという彼らなりの判断なのだと思われますが、やや肩すかしを食らった感も否めません。「The Aristocrats」ほどの緊迫感を求めることは無理筋としても、もう少しこの2人を活かし切る手法はなかったものだろうかと思ってしまいます。もちろん、演奏自体はとても素晴らしいのですが、いや、でもね~。この2人という言わば劇薬投入の正否を固唾を呑んで見守っていたと思われるPorcupine Treeファンはホッと安堵したと思われますが、門外漢の当欄としては残念ながらやや期待ハズレでした。もちろん前出「Storm Corrosion」はしっかりと成立していると思います。あの2人ならこう出てくるだろうと十分に予測できたからです。要は参加メンバーに対する期待値と実際のナカミは必ずしも一致しないという当たり前のことを再認識した次第です。
通常のCD版に加えてBlu-ray版、アナログ版も同時発売されているようです。
●Musicians
Steven Wilson / vocal,mellotoron,keyboards
Guthrie Govan / guitar
Marco Minnemann / drums
Adam Holzman / keyboards
Nick Beggs / bass
Theo Travis / sax
●Numbers
1. Luminol
2. Drive Home
3. The Holy Drinker
4. The Pin Drop
5. The Watchmaker
6. The Raven that Refused to Sing
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