ヘビロテ決定!ジミヘンの新譜「People Hell & Angels」
Musician●Jimi Hendreix(guitar,vocal)
Title●People Hell & Angels(2012年)
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希代の天才ギタリストJimi Hendrixが生前に残したオフィシャル音源はたった3枚。しかし、自らが設立したスタジオ「Electric Ladyland Studio」で夥しい数のセッション活動を行っていました。死後、そうした音源が小出しに流出することで“新譜”がリリースされてきました。こうした商法に違和感を感じないわけではありませんが、やはり気になってしまうのも人情というもの。“前作”「Valleys of Neptune」(2010年)も素晴らしい出来映えだったのですが、この“新譜”はレアトラックの大量放出という点では前作を大きく凌いでいるのではないでしょうか。1968年から1969年にかけてのセッション音源を編集したものです。Billy Cox(bass,vocal)とBuddy Miles(drums,vocal)のトリオを基本とし、さまざまなミュージシャンが加わるという形です。
1968年以降、ジミヘンはトリオ編成以外のフォーマットを模索していたことはよく知られていますが、この音源でもその一端に触れることができます。#5「Let Me Move You」はデビュー前からの友人でもあるLonnie Youngboodというボーカル&サックス奏者を迎え入れていますが、ホーン入りでしかも自身がギタリストに専念するというのも珍しい。コテコテのR&Bサウンドに乗せてギターが天衣無縫に暴れまくります。#11「Mojo Man」も結構な割合でホーンを導入しています。
また、晩年はサイドギターを導入していたことも広く知られるところですが、#6「Izabella」と#7「Easy Blues」ではウッドストックでも存在を確認可能なLarry Leeを起用しています。特にジャズ的なアレンジが斬新とも言える#7「Easy Blues」は必聴ものです。ジミヘンがそのまま存命なら、ジャズを志向していたのではというどなたかの見解があった記憶がありますが、この曲がまさにそれでしょう。実際、帝王マイルス・デイヴィスはジミヘンとの共演を熱望していたのは事実で、まずは弟子のJohn McLaughlinをジミヘンの元に走らせ非公式セッションを実現させています。そして満を持しての帝王とのセッションが突然死の3日後に予定されていたそうで、そんなビッグな共演が本当に実現したら大変な話題を呼んだことでしょう。
●Musicians
Jimi Hendrix / guitar,vocal
Billy Cox / bass,vocal
Buddy Miles / drums,vocal
Stephen Stills / bass
Lonnie Youngblood / sax,vocal
Hank Anderson / bass
John Winfield / organ
Jimmy Mayes / drums
Larry Lee / Rhythm guitar
Mitch Mitchell / drums
Jery Verez / percussions
Juma Sultan / percussions
Rocky Issac / drums
Al Marks / percussions
Chris Grimes / percussions
Albert Allen / vocal
James Booker / piano
●Numbers
1. Earth Blues
2. Somewhere
3. Hear My Train A Comin'
4. Bleeding Heart
5. Let Me Move You
6. Izabella
7. Easy Blues
8. Crash Landing
9. Inside Out
10. Hey Gypsy Boy
11. Mojo Man
12. Villanova Junction Blues
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