地味ですが佳作。Larry Coryellの「Air Dancing」
Musician●Larry Coryell(guitar)
Title●Air Dancing(1988年)
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ジャズロックギターの革命児Larry Coryell(ラリー・コリエル)ですが、個人的な印象としては70年代後半までが全盛期で、80年代以降、特に「ボレロ」以降はあまり面白味のないプレイヤーに成り下がってしまったように感じます。そんなこともあって80年代以降の作品はほとんど聴いていないのですが、思いもよらず当たりを引き当てたのがこの音源です。西ドイツ(当時)のレーベル「Jazz Point」からリリースされたもので、1988年6月4日、パリでのライブ音源が収録されています。参加メンバーはStanley Cowell (piano)、Buster Williams (bass)、Billy Hart (drums)という堅実極まる面子ですが、よくよく考えてみればCoryell自身の作品で、こんなオーソドックスなカルテット構成による演奏はほとんどないように思えます。付け加えれば前作「Welcome My Darling」(1986年)と同一メンバーです。
ライブ音源ということで多少の荒っぽさには目をつぶるとしても、久々に生き生きとしたCoryellのギターが聴けます。速いフレーズになるともたつく部分はご愛敬として、堅実なバックの好サポートを得て自由奔放に暴れまくるCoryellを聴くことができます。#3は言うまでもなくColtraneの定番曲カバーですが、Coryellさん頑張っています♪
このアルバム、存在自体があまり認知されていないのは、西ドイツのレーベルからリリースされたのも要因なのかもしれません。見つけるのには若干骨が折れますが、買って損はない佳作です。この音源の関連作としてまったく前述「Welcome My Darling」(1986年)もありますが、こちらはやや面白味に欠けます。
●Musicians
Larry Coryell / guitar
Stanley Cowell / piano
Buster Williams / bass
Billy Hart /drums
●Numbers
1. Prayer For Peace
2. Air Dancing
3. Impressions
4. Sienna "Welcome, My Darling"
5. Rhapsody in Blue
6. Zimbabwe See
7. Dual Force
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