Pat MartinoのMuse時代の名盤「Consciousness」
Musician●Pat Martino(guitar)
Title●Consciousness(1974年)
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ジャズギターの巨匠Pat Martino(パット・マルティーノ)の1970年代というと自身がもっとも脂が乗り切っていた時期です。1974年に「Muse Records」からリリースされたこの音源もそのひとつ。参加メンバーはEddie Green(piano)、Tyrone Brown(bass)、Sherman Ferguson(drums)というこの時期お馴染みの面子です。
いきなりJohn Coltraneの名曲「Impressions」で聴かれる凄まじい早弾きからして驚きの連続。相変わらず端正で正確無比なピッキングにはため息に次ぐため息の連続です。続くアルバムタイトル曲でもある#2「Consciousness」は12分近くにも及ぶ長尺の曲ですが、とてつもなく緊迫した雰囲気のなかでギターがエレピがベースがと、それぞれ壮絶なソロの応酬を繰り広げます。特にEddie Greenのエレピは格好いいの一言です。ギター1本だけで泣かせるフレーズを聴かせる#3「Passata on Guitar」も素晴らしい。こういう方向性はMartino自身が若い頃は想像できませんでした。
でもってこのアルバムの一番の聴きどころで、もっとも異質な曲が#「Both Sides Now」。カナダが生んだ歌姫というか姉御Joni Mitchellの代表曲なのですが、これまたギター1本で実に美しく歌い上げています。他の曲で見せる鬼気迫るギターソロからはまるで想像できない柔和なギターに良い意味で驚かされます。谷間に咲いた一輪の百合というか、何とも言えないほど優しさに満ちあふれたプレイです。再発盤にはボートラとして#4のオルタネートバージョンがついてきます。Pat Martinoは年代ごとに違った魅力があるのですが、70年代の代表作となるといの一番にこの作品をあげさせていただきます。
●Musicians
Pat Martino / guitar
Eddie Green / piano
Tyrone Brown / bass
Sherman Ferguson / drums
●Numbers
1. Impressions
2. Consciousness
3. Passata on Guitar
4. Along Came Betty
5. Willow
6. On the Stairs
7. Both Sides Now
8. Along Came Betty (alternate)
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