2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

« 2013年4月 | トップページ | 2013年6月 »

2013年5月

2013年5月31日 (金)

1970年初頭のサイケバンド「Sainte Anthony's Fyre」唯一の音源

R0012297
Musician●Sainte Anthony's Fyre
Title●Sainte Anthony's Fyre(1970年)
■Amazonより購入


米ニュージャージー出身のサイケ&ガレージ系バンド「Sainte Anthony's Fyre」が1970年に自主制作盤としてリリースした唯一の音源です。一度だけ再発売されているとのことですが、2013年の今回のCD化で初めて存在を知った次第です。Greg "Ohm" Onushko(guitar,vocal)、Tomm Nardi(bass,vocal)、Savona "Bob" Sharples(drums,percussions)というパワートリオです。オリジナル盤は相当な高価でトレードされているようで、唯一の音源という希少価値も相まってカルト的人気という存在なのだと思われます。

「ハード・ロック&ヘヴィ・サイケ」「ガレージ・ファズ・サイケ」などといろいろと書かれているようですが、実際に聴いてみると「サイケデリックロック」という表現が個人的にはしっくりときます。当時はせいぜい「ロック」「ハードロック」「サイケミュージック」くらいの表現しかなかったはずです。「ガレージ」なんて言ってましたかね。いまのように音楽をそんなに細分化して論じる時代ではなかったと思います。後付けならいくらでも好きなように言えるわけです。

まあ細かいことはさて置いて、内容はというと下品なまでにサイケがかったハードロック。若干ジミヘンの影響を受けた楽曲が数曲。あとはとにもかくにもドタドタという塩梅でヤケクソ気味に疾走しまくります。そもそもが自主制作盤ということなので、録音状態も良好とは言えず、まるで風呂場でレコーディングされたかのような曲もちらほらと。言ってしまえば即座にB級バンド認定決定なわけですが、この手のアングラ系が好きな人にとってはたまらない魅力なのだと思われます。ロックのアングラ歴史を語るうえで資料価値を求める人に…

●Musicians
Greg "Ohm" Onushko / guitar,vocal
Tomm Nardi / bass,vocal
Savona "Bob" Sharples / drums,percussions

●Numbers
1.  Love Over You
2.  Get Off
3.  Summer Fun
4.  Starlight
5.  Lone Soul Road
6.  With Your Beau
7.  Chance of Fate
8.  Wet Back

R0012298


2013年5月26日 (日)

John McCracken率いる「Outloud」唯一の音源「Blood For A Tone」

R0012294
Musician●John McCracken(guitar,guitar-synthesizers)
Title●Blood For A Tone(1992年)
■ディスクユニオンで購入


フリー&アヴァンギャルドシーンで活動していると思しきギタリストJohn McCrackenの作品です。自らリーダーを務める「Outloud」というユニット名義でのスタジオライブ、しかも一発録り音源です。NYCのフリー系ミュージシャンを多く抱える「Muworks Records」というところが版元ですが、お抱えにRobert Musso、Last Exitの名前が見られるだけにこれはゴリゴリのフリー系ですね。メンバーはギターとギターシンセを操るJohn McCrackenを筆頭に、Charles Baldwin(bass)、Abe Speller(drums,percussions)、Thomas Chapin(sax,flute,percussions)という構成。ちなみにディスクユニオンお茶の水店ジャズ館でフリー系の棚で捕獲しました。

まるで情報がなく事前知識がないままに聴いたのですが、これは恐ろしいまでにファンク&フリー&アバンギャルドミュージックでした。リズム隊はあくまでも強力でそこに狂おしいまでのサックスが雄叫びを上げ続けます。バンマスのJohn McCrackenはギターとギターシンセを実に効果的に使い分けるのですが、バックの狂乱ぶりとは正反対に実に冷徹でクール。心臓をえぐるかのような鋭角的なソロをぶちかましてくれたと思ったら、今度は見事すぎるファンキーなカッティング。喩えとしてはもの凄く変ですが、Sonny Sharrockを数百倍テクニカルにして滅茶苦茶ファンキーにした感じでしょうか。いやSharrockのような「下手うま感」は一切ございません。ともかく抜群に格好よろしいという陳腐な形容しか浮かばなくて恐縮ですが、とにもかくにも一聴の価値ありです。おそらく当時のNYCのクラブシーンは熱狂の坩堝だったでしょう。

NYCにはこんな怪物級がゴロゴロとしているのですね。これだからとんだ掘り出し物に出会える漁盤生活はやめられないのです。

●Musicians
Charles Baldwin / bass
Abe Speller / drums,percussions
John McCraken / guitar
Thomas Chapin / sax,flute,percussions

●Numbers
1.  Vibes    
2.  The Detuned    
3.  Rough Sax Defense    
4.  Abuse Of Power    
5.  Rock Mantras    
6.  Slobo

2013年5月25日 (土)

「Planet X」唯一のライブ音源「Live from OZ」

R0012292
Musician●Planet X
Title●Live from OZ(2001年)
■Amazonより購入


プログメタルバンド「Planet X」が豪州で行ったライブツアーを収めた「Live from OZ」です。2001年に行ったオーストラリアツアーのうち6月13日、シドニー近郊リッチモンドでのライブ音源を収録。メンバーはDerek Sherinian (keyboards)、Tony MacAlpine (guitar)、Virgil Donati (drums)のコアメンバーに加えてベース奏者にDave LaRueを迎えています。Steve Morse Bandのメンバーだとか。これだけのテクニシャンが揃いながら初めてのライブアルバムというのは意外と言えば意外です。

アルバム「Universe」(2000年)をひっさげてのツアーだけに同アルバムからの選曲が中心ですが名盤「Planet X」からの定番曲も取り上げられていてファンとしてはうれしい限りです。Tony MacAlpine自身は「Universe」からの継続参加ですが、すでにバンドに溶け込んでいますね。この頃のプレイスタイルはいまと違ってレガートを多用していますが、これは前任ギタリストBrett Garsedを意識したものでしょうか。とにもかくにも#4#5#6あたりでの狂おしいまでの変拍子攻撃は感涙モノです。

残念ながら音質のほうは海賊盤をいくらかマシにした程度なので、手放しに誉め讃えられないのですが(特に低音が貧弱でベースの音がほとんど判別できない)、それを差し引いても凄まじい超絶技巧の応酬には悶絶死必至です。リマスター化が切に望まれる名盤です。

●Musicians
Derek Sherinian / keyboards
Tony MacAlpine / guitar
Virgil Donati / drums
Dave LaRue / bass

●Numbers
1.  Ignotus Per Ignotium
2.  Inside Black
3.  Dog Boots
4.  Atlantis Apocalypse
5.  Atlantis Sea of Antiquity
6.  Atlantis Lost Island
7.  Derek Sherinian Solo
8.  Warfinger
9.  Virgil Donati Solo
10. Warfinger Reprise
11. Tony MacAlpine Solo
12. Her Animal
13. Europa
14. Pods of Trance

2013年5月24日 (金)

ロシア出身の鍵盤楽器奏者Andrei Kondakovの「Kind of Optimistic」

R0012285
Musician●Andrei Kondakov(keyboards,piano)
Title●Kind of Optimistic(2002年)
■Amazon USAより購入


ロシアを代表すると言われる若手鍵盤楽器奏者、Andrei Kondakov(アンドレイ・コンダコフ)のリーダー作「Kind of Optimistic」です。2002年、ロシアのジャズレーベル「Boheme」よりリリース。迂闊にもこの音源を入手するまで存在を知らなかったのですが、彼に寄せられる期待値の高さは、豪華ゲスト陣を見ればなるほどと思わされます。Ravi Coltrane(sax)、Paul Bollenback(guitar)、Ralph Peterson,Jr(drums)の米国陣を迎え入れるという意欲的な構成で、Igor Timofeyev(sax)、Gregory Voskoboynic(bass)、Dmitri Kolesnic(bass)、Sergei Osroumov(drums)といった人たちは名前の感じからしてロシアのミュージシャンだと思われます。

聴く前は、何となくヨーロピアン風ジャズを想像していたのですが、メジャー感に溢れるメーンストリートジャズという感じ。特にエレピを弾かせると、チック・コリアやザヴィヌルあたりを彷彿とさせます。出身を知らずに聴くとアメリカ人による音楽だと思われるかもしれません。おそらく全世界を意識した音づくりなのでしょう。とにかく楽曲自体が素晴らしいのです。

個人的にはギターのPaul Bollenback(ポール・ボーレンバック)が目当てで購入したのですが、これがまた素晴らしい。Bollenbackは相変わらず生真面目なギタープレイなのですが、自身の作品よりも何となく生き生きとして感じられるのは気のせいでしょうか。これは楽曲の素晴らしさが彼の長所を引き出しているのではないかと思われます。特に#8「Mountain Peaks」で聴かせる12弦ギターの美しさは特筆モノです。

●Musicians
Andrei Kondakov / piano,electric piano,organ
Ravi Coltrane / tenor sax
Igor Timofeyev / tenor sax
Paul Bollenback / guitar
Gregory Voskoboynic / bass
Dmitri Kolesnic / bass
Sergei Osroumov / drums
Ralph Peterson,Jr. / drums

●Numbers
1.  Without A Smile    
2.  Chance (Soft Attack)    
3.  The Weathercock And The Wind    
4.  Interlude 1    
5.  Night Highway    
6.  Interlude 2    
7.  In The Library    
8.  Mountain Peaks
9.  Kind Of Optimistic    
10. Peace

2013年5月19日 (日)

奇天烈3人組による「Power Tools」の唯一の音源「Strange Meeting」

R0012280
Musician●Power Tools
Title●Strange Meeting(1987年)
■ディスクユニオンで購入


Bill Frisell(guitar)、Ronald Shannon Jackson(drums)、Melvin Gibb(bass)という意外と言えば意外な3人によるユニット「Power Tools」が残した唯一の音源です。1987年リリース。

FrisellとRonald Shannon Jacksonの2人が組んだ音楽というとフリー系のジャズファンクを想像してしまいますが、確かにそんな感じの楽曲もあります。特にアルバム前半でのFrisellの暴れっぷりはECMあたりでのプレイと比較するととても同一人物とは思えないほどです。Frisell自身、アメリカーナ路線に向かう前の音源にあたり、本来彼が持っていた暴力性がこれでもかと言わんばかりに発揮されています。アルバム後半にさしかかるとFrisellのギターはいよいよ浮遊感を増しはじめ、アグレッシブな中にも妙な寂寥感さえ覚えます。

しかも驚くことに「no remixing/no editing/no overdubbing」とわざわざクレジットに記されているように、完全フリーのインプロの応酬なわけですが、無秩序のように思わせながらも実はすべての音がしっかりとコントロールされ計算し尽くされているのです。ところどころでギターが二重に聴こえる部分があるのですが、ギターシンセか特殊なエフェクターを使用しているのでしょうか。

この奇天烈3人組の唯一の音源ですが、やはり好事家の間では人気が高いのでしょう。全世界的に品薄のようで中古盤市場ではトンでもない高値がついています。オリジナルの音源は非常に良好なので、どこかの版元がリイシューしてくれることを希望します。

●Musicians
Bill Frisell / guitar
Ronald Shannon Jackson / drums
Melvin Gibbs / bass

●Numbers
1.  Wolf in Sheep's Clothing
2.  Wadmalaw Island
3.  Unscientific Americans
4.  Howard Beach Memoirs
5.  When We Go
6.  President's Nap
7.  Song Is Not Enough
8.  Blame and Shame

2013年5月18日 (土)

Pat MartinoのMuse時代の名盤「Consciousness」

R0012275
Musician●Pat Martino(guitar)
Title●Consciousness(1974年)
■Amazonより購入


ジャズギターの巨匠Pat Martino(パット・マルティーノ)の1970年代というと自身がもっとも脂が乗り切っていた時期です。1974年に「Muse Records」からリリースされたこの音源もそのひとつ。参加メンバーはEddie Green(piano)、Tyrone Brown(bass)、Sherman Ferguson(drums)というこの時期お馴染みの面子です。

いきなりJohn Coltraneの名曲「Impressions」で聴かれる凄まじい早弾きからして驚きの連続。相変わらず端正で正確無比なピッキングにはため息に次ぐため息の連続です。続くアルバムタイトル曲でもある#2「Consciousness」は12分近くにも及ぶ長尺の曲ですが、とてつもなく緊迫した雰囲気のなかでギターがエレピがベースがと、それぞれ壮絶なソロの応酬を繰り広げます。特にEddie Greenのエレピは格好いいの一言です。ギター1本だけで泣かせるフレーズを聴かせる#3「Passata on Guitar」も素晴らしい。こういう方向性はMartino自身が若い頃は想像できませんでした。

でもってこのアルバムの一番の聴きどころで、もっとも異質な曲が#「Both Sides Now」。カナダが生んだ歌姫というか姉御Joni Mitchellの代表曲なのですが、これまたギター1本で実に美しく歌い上げています。他の曲で見せる鬼気迫るギターソロからはまるで想像できない柔和なギターに良い意味で驚かされます。谷間に咲いた一輪の百合というか、何とも言えないほど優しさに満ちあふれたプレイです。再発盤にはボートラとして#4のオルタネートバージョンがついてきます。Pat Martinoは年代ごとに違った魅力があるのですが、70年代の代表作となるといの一番にこの作品をあげさせていただきます。


●Musicians
Pat Martino / guitar
Eddie Green / piano
Tyrone Brown / bass
Sherman Ferguson / drums

●Numbers
1.  Impressions
2.  Consciousness
3.  Passata on Guitar
4.  Along Came Betty
5.  Willow
6.  On the Stairs
7.  Both Sides Now
8.  Along Came Betty (alternate)

2013年5月17日 (金)

良質なオージージャズMark 4の「Entree」

R0012208
Musician●Mark 4
Title●Entree(2005年)
■ABC Recordsより購入


豪州のジャズベース奏者Mark Harrisが中心になって結成したプロジェクト「Mark 4」による音源です。2005年リリース。メンバーはJames Muller(guitar)、Matt McMahon(piano)、Evan Mannel(drums)というカルテット構成です。ギターのJames MullerはAllan Holdsworthとの共演でお馴染みのChad Wackermanの作品に参加していたのでそれなりに有名ですが、他の人たちはおそらくお初にお耳にかかります。1曲をのぞいてMark Harrisのオリジナル曲。

テイストとしてはかなりオーソドックスなジャズアルバムですが、オージージャズ特有のカラッとした仕上がりが実に耳に心地よい感じです。ギターのJames Mullerは珍しくアコギ中心にプレイしていますが、エレキに持ち替えた#3「Tamago」などは一転してロックタッチのソロを披露してくれています。相変わらず乾いた感じの音色が素晴らしいですね。 ピアノのMatt McMahonはかなり重症のエヴァンスフォロワーとみました。ピノトリオの作品があれば聴いてみたい気持ちにさせてくれます。調べたら案の定、ピアノトリオの音源を出しているようです。機会があれば入手したく思います。

動画はMark IssacsとJames Mullerとの共演です

●Musicians
Mark Harris / bass
James Muller / guitar
Matt McMahon / piano
Evan Mannell / drums

●Numbers
1.  Irish Tune
2.  My Remembered Muse
3.  Tamago
4.  Little Bel
5.  Sugar Lily
6.  Mobile
7.  The Girl
8.  Va! Laisse Couler Mes Larmes
9.  Meta's Memory

R0012209


2013年5月12日 (日)

日本を代表するコンテンポラリー系ギタリスト、滝野聡の初リーダー作「TAKINO」

R0012272
Musician●滝野聡(guitar,guitar-synthesizers,synthesizer)
Title●TAKINO(1992年)
■ディスクユニオンで購入


日本を代表するコンテンポラリー系ギタリスト、滝野聡による初リーダー作です。1992年リリース。兵庫県出身の滝野氏は1965年生まれですから今年48歳。年齢的には中堅どころということでしょうか。中学生の頃からジョン・アバークロンビーやテリエ・リピダルに傾倒していたそうですからタダ者ではありません。自身名義としては本作と2ndしかリリースしていないという極端すぎる寡作の人なので、「知る人ぞ知る存在」になっています。日本におけるこの手のミュージシャンの難しさがこんなところにも表れているように思えます。

記念すべき1stはジャコ・パストリアス、モンク、チャーリー・パーカー、ランディ・ブレッカー、マイルス・デイヴィス、ソニー・ロリンズなどのジャスの巨匠たちの曲をコンテンポラリー風にカバーしたという内容です。オリジナル作は1曲のみ。こう書くと似たようなタイプのギタリストとして小沼ようすけ氏を思い出しますが、いろいろな意味で王道を歩む小沼氏に対して滝野氏はどちらかというとダークで裏街道的な匂いを感じさせます。プレイスタイルはまさにコンテンポラリー系ギタリストのそれですが、滝野氏の場合は、ギターシンセの扱い方に抜群のセンスを感じさせます。このあたりは師匠・アバークロンビーからの影響でしょうか。また、世代らしさとしては時折、Holdsworthyっぽいフレーズを散りばめてきます。特にジャコパスの曲#1「Three Views Of A Secret」でのギターシンセの扱い方はHoldsworthの「SAND」あたりを意識しているように思えます。しかもあくまでも無機質な本家に対して、滝野氏のギターはとてつもない色気のようなものが感じられません。やはりタダ者ではありません。

カバー中心のアルバムだけに「滝野氏らしさ」を強く感じることは少々無理があるかもしれません。「らしさ」が十二分に発揮されるのは2nd「Clair Voyant-Clamor」ではないかと思われます。

●Mucisians
Satoshi Takino / guitar,guitar synthesizer,synthesizer programming
Suguru Suzuki / synthesizer programming
Mike Baker / drums
Jerry Watts Jr. / bass
Manabu Fujii / drums

●Numbers
1.    Three Views Of A Secret [Jaco Pastorius]
2.    Light Blue [Thelonious Monk]
3.    Cissy Strut [Art Neville, Leo Nocentelli,George Porter, Joseph Modeliste]
4.    Donna Lee [Charlie Parker]
5.    D.B.B [Randy Brecker]
6.    My Foolish Heart [Ned Washington,Victor Young]
7.    South Central's Fire [Satoshi Takino]
8.    So What [Miles Davis]
9.    Orchid [Satoshi Takino]
10.    Airgin [Sonny Rollins]
11.    All The Things You Are [Jerome Kern, Oscar Hammerstein]

2013年5月11日 (土)

FRAGILE通算9枚目のアルバム「Phantom」

R0012263
Musician●FRAGILE
Title●Phantom(2006年)
■Amazonより購入


日本が誇るジャズロックトリオ「FRAGILE」通算9枚目のアルバムです。2006年リリース。不動のメンバーは矢堀孝一(guitar)、菅沼孝三(drums)、水野正敏(bass)。

いきなり菅沼孝三のバスドラと水野正敏のファズを効かせたベースで重々しくスタートする「Phantom Tone」をからしていきなりダークな雰囲気でスタートする本作品。時折、和風というか東南アジアの民族音楽的な要素を取り入れるなどして新境地を開いているように聴こえます。特に水野正敏による#2「Melancholic Octopus」などは、Nguyen Leの作品なのかと勘違いしてしまうほどです。おお、これは重大な方向転換なのかと思わせます。ただ、そこはあくまでも表面上のことで、基本は複雑極まりない変拍子の多用と矢堀孝一の切れ味鋭いギターによる緊張感あふれる超絶インストという立ち位置にはまったくといっていいほど変化はありません。良くも悪くも金太郎飴的FRAGILEワールド。

●Musicians
矢堀孝一 / guitar
菅沼孝三 / drums
水野正敏 / bass

●Numbers
1.  Phantom Tone
2.  Melancholic Octopus
3.  Birdian
4.  Band Pho
5.  Horses in Tengara
6.  Xenon
7.  Rambla de Catalunya
8.  Phantom Page
9.  Nirai-Kanai
10. Out of Bounce
11. Birdian reprize

2013年5月10日 (金)

スコヘンが参加。Jeff Berlinの初リーダー作「Champion」

R0012282
Musician●Jeff Berlin(bass,vocal)
Title●Champion(1985年)
■ディスクユニオンで購入


「BRUFORD」で凄まじいばかりの超絶技巧を聴かせていたアメリカ出身のベース奏者Jeff Berlin(ジェフ・バーリン)の初リーダー作「Champion」です。いまは懐かしい西ドイツ(当時)の「Passport」レーベルより1985年にリリースされています。参加ミュージシャンはScott Henderson(guitar)、Neil Schon(guitar)、T Lavits(keyboards)、
Steve Smith(drums)、Neil Peart(drums)、Ronnie Montrose(vocal)、Clare Fischer(keyboards)、Keith England(vocal)、Roger Love(vocal)といま考えると凄い面子です。Berlinを含めたScott Henderson、T Lavits、Steve Smithの4人は当時まだ若手で同じ「Passport」所属という事情もあります。プロデュースはいまは亡きRonnie Montrose。Neil SchonとNeil Peartの両NeilはRonnie Montroseによる引き合いなのでしょう。

ほとんどの曲がBerlinによるものですが、ハードフュージョン路線で行くのかロック路線で行くのか、方向性がきちんと定まっていないように感じられます。フュージョンならば#1や#2、#5あたりの珠玉の名曲が早くも生まれているのですが、唯一Neil Schonが参加したロック調の#4あたりまで進んでいくと「あれれ」感は正直否定できません。このあたりはプロデュースの問題かもしれません。Scott Hendersonはすでに完成の域に達していますね。

Berlin、Scott Henderson、T Lavits、Steve Smithは後に同じPassportレーベルから「Players」という企画モノをリリースしますが、これがまた素晴らしい作品です。残念ながら版元倒産のため、入手は困難を極めますがぜひ聴いていただきたい音源です。



●Musicians
Jeff Berlin / bass,backing vocal
Scott Henderson / guitar on #1,#2,#3,#5,#7,#8
Neil Schon / guitar on #4
T Lavits / keyboards
Steve Smith / drums
Neil Peart / drums on #3,#8
Ronnie Montrose / vocal

●Numbers
1.  Mother Load
2.  20,000 Prayers
3.  Marabi
4.  Subway Music
5.  Three Nighter
6.  Dixie
7.  What I Know Now
8.  Champion

2013年5月 6日 (月)

ECMを代表する12弦ギターの名手Ralph Towner「Solo Concert」

R0012277
Musician●Ralph Towner(12 Strings and Classical guitar)
Title●Solo Concert(1979年)
■ディスクユニオンで購入


John Abercrombieと並びECMの屋台骨を支える名ギタリストRalph Towner(ラルフ・タウナー)によるギターソロアルバムです。1979年10月に行われたミュンヘンとチューリッヒでのライブ音源になります。Townerの実力が全世界的に認知されたのはこのアルバムが契機だったような記憶があります。

ギターによるソロアルバムというのは実は聴くほうにもそれなりの覚悟が必要であって、下手をするとワンパターンで冗漫な感じを受けたり、ミュージシャンの独りよがりにつき合わされたりと、いくらギター音楽が好きだからといっても相応の心の準備が必要ではないかと思うのです。その点ではTownerは常に鉄板級の安定感があります。いつどんな状況で聴いてもTownerはTownerなのです。

特殊なチューニングを施した12弦ギターとクラシックギターを使い分けながらとてもギター1本でプレイしているとは思えない芳醇な音世界を構築するTownerですが、なんと驚くことにギターを初めて手にしたのが22歳だったとか。それまではオレゴン大学でピアノ、トランペット、作曲を学んでいたそうですが、ギター(クラシック)はウイーン音楽院に留学して学んだとか。確かにギタリストとしては異例過ぎる高学歴ですが、誰にも再現しえない独特な音楽観はそんな経歴から生まれていることは確かです。

このアルバムで興味深いのは盟友John Abercrombieの2曲が取り上げられている点です。#2「Ralph's Piano Waltz」と#7「Timeless」ですがオリジナルに独自の解釈を与えたうえで、まるで自らの曲のように昇華させています。ちなみにTownerとAbercrombieはECMに「サルガッソーの海」「Five Years Later」という優れたギターデュオアルバムを残しています。#5「Nardis」は公式的にはMiles Davisの曲とされていますが、実際にはBill Evansの曲であるというのが定説になっているそうです。これまた、しっかりとTownerの世界へと引き込んでいるのですが、Bill Evansとはまた違ったリリシズムが感じられます。元々がピアニストだったTownerがEvansの熱烈なファンであったことは有名な話で、Evansをギターに置き換えることでまた違った印象が生まれています。

●Musician
Ralph Towner / 12 Strings and Classical guitar

●Numbers
1.  Spirit Lake
2.  Ralph's Piano Waltz
3.  Train Of Thought
4.  Zoetrope
5.  Nardis
6.  Chelsea Courtyard
7.  Timeless

2013年5月 5日 (日)

変態系HMバンド「Spastic Ink」の2nd「Ink Combatible」

R0012269_2
Musician●Spastic Ink
Title●Ink Combatible(2004年)
■Amazonより購入


「Watch Tower」などの流れを汲む変態系HMバンド「Spastic Ink」(スパスティック・インク)による2ndです。2004年リリース。中心人物は元「Watch Tower」のギタリストRon Jarzombek(ロン・ジャーゾンベク)で、Jason McMaster(vocal)、Pete Perez(bass)、Bobby Jarzombek(drums)という布陣。RonとBobbyは兄弟ですね。Jason McMasterは「Watch Tower」のボーカル担当だったと思います。ゲストミュージシャンとしてご存じMarty FriedmanやJens Johansson、Cynicのベース奏者Sean Maloneなどが参加。こりゃ、強力だわ。ちなみにMarty Friedmanは#8でギターソロを弾いています。

音としては基本的にはWatch Towerの延長線上にあるといっていいのですが、メタルという枠組みが何となく存在したWatch Towerに対して、「Spastic Ink」の音楽性は実に自由性に富んでいます。全曲を通して変拍子の連続で、曲構成もまったく予測不能な不可解さ。そして、Ron Jarzombekの超絶技巧と、この手の変態系プログメタルの要素は完璧に揃っています。1st「Ink Complete」(1997年)はどことなく習作的な感が強かったのですが、この作品では明らかにパワーアップしています。Watch TowerやCynicあたりが好きな人ならば、かなりはまってしまうこと請け合いです。

●Musicians
Ron Jarzombek / guitar
Jason McMaster / vocal
Pete Perez / bass
Bobby Jarzombek / drums

●Numbers
1.  Aquanet
2.  Just a Little Bit
3.  Words for Nerds
4.  Melissa's Friend
5.  Read Me(instrumental)
6.  Multi-Masking
7.  In Memory of...
8.  ACRONYM (A Chaotic Realization of Nothing Yet Misunderstood)
9.  The Cereal Mouse(instrumental)

R0012270_2


2013年5月 4日 (土)

「Niacin」の8年ぶりの新作「Krush」

R0012256
Musician●Niacin
Title●Krush(2013年)
■Amazonより購入


もうとっくの昔に解散したとばかり思っていた「Niacin」がなんと8年ぶりの新譜をリリースしました。通算6枚目のアルバムで2013年リリース。メンバーはご存じBilly Sheehan(bass)、John Novello(B3,keyboards)、Dennis Chambers(drums)の強力トリオ。それにしても最近のBilly Sheehanはまさに八面六臂の活躍ぶりですね。

パワートリオによるパワフルかつファンキーなサウンドは相変わらず健在で、一分の隙もなくスピーディで濃密なプレイを聴くことができます。深くモノを考えないでひたすら痛快なプレイに身を委ねるのもよし、各パートの超絶技巧に驚くのもよし、と聴き方はなんとでもなります。個人的にはあまりにあっけらかんと難曲をこなしてしまう3人にただ唖然とするばかりですが。#6「Electrocity」のように4ビートジャズもあったりして選曲も面白いのですが、こうした楽曲に長けているChambersはともかく、Sheehanもこともなさげにジャズベースを弾いてしまうあたりににんまりとしました。#8「Majestic Dance」はAl DeMeolaの曲です。

●Musicians
Billy Sheehan / bass
John Novello / B3,keyboards
Dennis Chambers / drums

●Numbers
1.  Krush
2.  Tone Wheels
3.  Stormy Sunday
4.  Low  Art
5.  Car Crush Red
6.  Electrocity
7.  Cold Fusioon
8.  Majestic Dance
9.  Prelude & Funky Opus
10. The Gnarly Shuffle
11. Drifting
12. Sly Voltage
13. That's The One!
14. Triple Strength

R0012257


2013年5月 3日 (金)

Sean Waylandの「Soul Pacific Soul」は習作的作品なのか?

R0012238
Musician●Sean Wayland(keyboards,vocal)
Title●Soul Pacific Soul(2002年)
■ABC Recordsより購入


豪州を代表する鍵盤楽器奏者Sean Wayland(ショーン・ウェイランド)による2002年の作品です。これは1枚の作品というより地元シドニーで撮りためていた音源に加えてNYCであらためて録音したものをまとめた編集盤のようです。参加メンバーは盟友とも言えるギタリストJames Mullerに加えて、Adam Armstorong(bass)、Nick Mcbride(drums)など多数。自身のレーベルである「Sead Music」よりリリース。

Sean Waylandの近作として「Pistachio」「Pistachio2」(ともに2009年リリース)というたぶんにスティーリー・ダンを意識したアルバムがあるのですが、この音源はそれに向けた習作っぽい臭いがします。Waylandは鍵盤だけでなくボーカルも披露していますが、これも両「Pistachio」へ向けての練習のように思えます。この手のフュージョン作品としては珍しくテープの逆回転などを取り入れたり随所で意欲的な取り組みも見られるのですが、いかんせん空振りの感も。曲によっては不自然なフェードアウトをしたりと、アルバムとしての完成度という意味ではいま一つです。ここら辺が自主制作盤の弱みであるように思えます。ただ、お目当てのギタリストであるJames Mullerのプレイは相変わらずキレキレで素晴らしく、正直に言いましてギターだけを聴いているようなものです。

●Musicians
Sean Wayland / keyboards,vocal
James Muller / guitar on #2,#4,#5,#6,#8,#9,#11
Adam Armstorong / bass
Nick Mcbride / drums
etc,

●Numbers
1.  They All Dance
2.  Shoun
3.  Sam Toucan
4.  Hans
5.  This Is Great
6.  Vibing
7.  Loop
8.  Vibe Up
9.  Vb
10. Chrisella
11. Bunker Spreckles
12. Genius

R0012239


« 2013年4月 | トップページ | 2013年6月 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

いろいろ検索

  • Tower Records検索
  • HMV検索
    HMV検索
    検索する
  • iTunes検索
  • Amazon検索
無料ブログはココログ