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2013年5月19日 (日)

奇天烈3人組による「Power Tools」の唯一の音源「Strange Meeting」

R0012280
Musician●Power Tools
Title●Strange Meeting(1987年)
■ディスクユニオンで購入


Bill Frisell(guitar)、Ronald Shannon Jackson(drums)、Melvin Gibb(bass)という意外と言えば意外な3人によるユニット「Power Tools」が残した唯一の音源です。1987年リリース。

FrisellとRonald Shannon Jacksonの2人が組んだ音楽というとフリー系のジャズファンクを想像してしまいますが、確かにそんな感じの楽曲もあります。特にアルバム前半でのFrisellの暴れっぷりはECMあたりでのプレイと比較するととても同一人物とは思えないほどです。Frisell自身、アメリカーナ路線に向かう前の音源にあたり、本来彼が持っていた暴力性がこれでもかと言わんばかりに発揮されています。アルバム後半にさしかかるとFrisellのギターはいよいよ浮遊感を増しはじめ、アグレッシブな中にも妙な寂寥感さえ覚えます。

しかも驚くことに「no remixing/no editing/no overdubbing」とわざわざクレジットに記されているように、完全フリーのインプロの応酬なわけですが、無秩序のように思わせながらも実はすべての音がしっかりとコントロールされ計算し尽くされているのです。ところどころでギターが二重に聴こえる部分があるのですが、ギターシンセか特殊なエフェクターを使用しているのでしょうか。

この奇天烈3人組の唯一の音源ですが、やはり好事家の間では人気が高いのでしょう。全世界的に品薄のようで中古盤市場ではトンでもない高値がついています。オリジナルの音源は非常に良好なので、どこかの版元がリイシューしてくれることを希望します。

●Musicians
Bill Frisell / guitar
Ronald Shannon Jackson / drums
Melvin Gibbs / bass

●Numbers
1.  Wolf in Sheep's Clothing
2.  Wadmalaw Island
3.  Unscientific Americans
4.  Howard Beach Memoirs
5.  When We Go
6.  President's Nap
7.  Song Is Not Enough
8.  Blame and Shame

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ジャズ・フュージョン」カテゴリの記事

コメント

ハモロデの雄 シャノン・ジャクソン の胸を借りて
ビルフリが渾身のパフォーマンスを見せるこの作品は
凄いですね。
緊張感が高すぎ、全曲通して聴くのはシンドイく、時たま
思い出した様にStrange Meetingのみを聴く事がもっぱらです(^ ^;

ビルフリは、おおまかにいうと、メインギターを… 
ギブソンSG → クライン → テレキャス と持ち変
えて来たと言えると思うのですが、SG時代が一番チャレ
ンジングだった気がします。

89年前後が、SG時代の終わりになると思うのですが、
本盤 と Is That You あたりを高く評価する方は少なく
ないのでは… と推測します。(特にカントリーのビルフ
リを好まない方等)

ジョン・ゾーンと一緒にバット・マン等を強烈に演奏し
ていたのもこの時期ですね。盤名=Naked City

また対極的な滋味深いスタンダード演奏を「Motian on Broadway」
で演りはじめたのもこの頃ですね。
本作は、日本人プロデュースの企画盤ながら、NYジャズ・シーン
に強烈な影響を与えたと、とあるプロ・ジャズギタリストの方か
ら教わりました。

最近は、ライブ盤のビルフリ作品を漁盤しています。
ライブでのビルフリは吹っ切れてハツラツとしている様
に感じます↓

Bill Frisell - Atina Jazz Festival (1990)
[2004] Live At Jazz Standard, New York City, NY 5_1_04
[2005] Live At the Barbican, London, UK 11_15_05
[2007] Live At Grace Cathedral, San Francisco 3_16_07

近作では Motian Tribute Live(2012)も演奏も往年のSG時代
のスタイルで、中々良いのですがギターの歪み音が良くな
い点が惜しまれます。

あと、ライブ盤ではありませんが、「ヴァーノン・リード」と
のDUO作品(Smash & Scatteration 1984)も、本盤を好まれ
るリスナーにはアピールする気がします。

ではでは

betta taroさま

コメントありがとうございます。
確かにこの盤を聴くのは正直言ってしんどい時もあります。
実際、数年ぶりに聴いてみた次第です。

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