仏産ブラックメタルの雄「Deathspell Omega」の5th「Paracletus」
Musician●Deathspell Omega
Title●Paracletus(2010年)
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カルト的な人気を誇るフランス出身のブラックメタルバンド「Deathspell Omega」の5枚目のアルバム「Paracletus」です。2010年、「Season of Mist」よりリリース。以前の記事にも書きましたがフランスのブラックメタルバンドという点だけで希少なのですが、その過激な政治思想のためなのかメンバーのプロフィールや写真などもほとんど公になっていないという奇っ怪極めるバンドです。
「メタル大手」のSeason of Mist(「SOM」)からのリリースのためでしょうか。この手のブラックメタルバンドのアルバムにしては、かなり音質も良好でサウンドプロダクションも極上に近いものがあります。デス声は当然、ギターも嫌になるほど不協和音を奏で続けるのですが、音がしっかりと耳に入ってくるので疲労感はそれほどでもありません(一般的な意味での疲労ではなく、あくまでもブラックメタルにしては…ですが)。
相変わらず予測不可能な曲展開、凶暴かつ異常なフレーズ満載のギターですが#1「Epiklesis I」で聴かれるように時折意味もなくメランコリックな一面も見せています。ただ傑作「Si Monumentum Requires Circumspice」で見せた宗教音楽にも通じる静寂さはここではほとんど陰を潜め、ある意味ではわかりやすく単純明快にひたすら全力疾走でがなり立てています。それもややセールスを意識した「SOM作品」ゆえなのでしょうか。
●Musician
Deathspell Omega
●Numbers
1. Epiklesis I
2. 2 Wings of Predation
3. Abscission
4. Dearth
5. Phosphene
6. Epiklesis II
7. Malconfort
8. Have You Beheld the Fevers?
9. Devouring Famine
10. Apokatastasis Panton
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