36年ぶりの邂逅。Pat Martino「We Are Together Again」
Musician●Pat Martino(guitar)
Title●We Are Together Again(2013年)
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ジャズギターの巨匠Pat Martino(パット・マルティーノ)の最新作「We Are Together Again」です。2013年4月、日本先行リリース。
1976年リリースの「We'll Be Together Again」で共演したGil Goldstein(ギル・ゴールドスタイン)との36年ぶりの再演という形になります。Martino自身は前作と比べることは無意味だと言っているようですが、そう言われると聴く立場としてはどうしても比較してみたくなります。前作「We'll Be Together Again」はもともとは生ピアノが使われるはずだったのが機材トラブルの関係でエレピになったことを踏まえつつ、聴いてみることに。最近のMartinoはどちらかというとハードバップ路線へと突き進んでいるように思えるのですが、ここでは一転して2人による静寂な会話に終始しています。静寂な会話という形式は前作も同じことが言えるのですが、やはり36年間という年月の流れは音の一つひとつに明確に表れています。良い意味で枯れたというか、その後の生きざまが耳に迫ってくるのです。
聞けばこの作品は東日本大震災への鎮魂歌の意味合いも含まれているとか。だからこその日本先行リリースなのだと思われます。もちろんMartinoの現在の奥さんが日本人であるということも大きな要因になっているとは思われますが、心に沁みるデュオ作品というのは、このようなアルバムに対してつけられるべき形容でしょう。
ちなみにジャケット写真とライナーは私の古い友人である、音楽ジャーナリスト・常盤武彦氏が担当しています。学生時代、バカばかりやっていたことを思い出しつつ、このアルバムを通して得られたもう一つの邂逅に感謝です♪
●Musicians
Pat Martino / guitar
Gil Goldstein / electric piano,piano
●Numbers
1. Body And Soul
2. Before You Ask
3. Footprints
4. In A Sentimental Mood
5. City Lights
6. Round Midnight
7. Pompy
8. Portrait
9. Peace
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コメント
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これはまだ買ってないですが、買わなきゃならんですねぇ。
常盤さんのライナーも読んでみたいです。
投稿: ガーシャ | 2013年5月 1日 (水) 21時38分
ガーシャさま
コメントありがとうございます。
このアルバムをきっかけに36年前の作品も
聴き直しているところです。
常盤さんは学生時代の友人ですが、
まさかこの作品で「再会」できるとは思ってもいませんでした。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2013年5月 3日 (金) 12時32分