シンフォ系プログレMONGOL唯一の「Doppler444」がリマスター化
Musician●Mongol
Title●Doppler 444 Complete Version(2013年)
■World Musiqueより購入
カルト的な人気を誇るシンフォ系プログレバンド「Mongol」(モンゴル)による唯一の作品「Doppler 444」が何とリマスター化のうえ、この2月15日に再発売されました。この手の作品ではお馴染みの「Belle Antique」よりリリース。
この「Mongol」については以前も記事にしましたが、存在自体がほぼ無名のうえに「Doppler 444」制作にあたって何と8年もの月日を費やすなどカルト的な人気を集めるだけの要素をたくさん持っています。しかも、今回のリマスター化&再発売にあたって、1988年2月、吉祥寺「シルバー・エレファント」で行われたライブ音源3曲が追加されたとのこと。これを買わずにいられましょうか。
まず、リマスター効果ですがオリジナル盤もそれなりの高音質だったので、大きく変わったという印象は受けませんでした。強いて言えば、音圧が向上し、音の分離も良くなったように思われます。帯にはマグマから強い影響を受けたと書かれていますが、あらためて聴き直してみてギターの三苫裕文氏の存在から個人的には「U.K.」「Bruford」との類似点が多いように思えます。さて、今回の再発売の目玉でもあるボーナストラック3曲です。バンドリーダー兼鍵盤楽器奏者である安本毅氏自身が書き記したライナーによれば、ギターは三苫氏ではなく前任の守屋茂氏ということになります。ギタリスト交代にまつわるエピソードはライナーに詳細が書かれていますが、なるほどスタジオ盤を基準に聴いてみると新旧ギタリストのプレイスタイルの違いが、バンドの音楽性を大きく左右することが再認識できます。ついでに付け加えますと、バンド創生期に安本毅氏と活動を共にしたギタリスト、高崎健一氏を「Mongol」のギタリストとする記述を見かけますが、高崎氏は楽曲面で安本氏に大きな影響を与えたものの、バンドに在籍した事実はありません。このあたりも安本氏自身がライナーで説明しています。
それにしても、こんな超がつくマイナーな作品を惜しげもなく再発売してしまう「Belle Antique」の太っ腹ぶりには感服の至りです。今後、再々発売があるとはとても思えない珍盤だけに、いまのうちに入手されることを強くお勧めします。とりわけAllan Holdsworth好きならマストバイ物件であると断言します。
●Musicians
安本毅 / piano,keyboards
三苫裕文 / guitar,synkorg
天崎直人 / bass
今井澄 / drums,percussions
守屋茂 / guitar on #7~#9
●Numbers
1. From The Beyond~Dopplre444
2. Garadama
3. Hormwards
4. Driller
5. Merazoma
6. Greatful Paradise
7. Lammy Including Excerpts From Hhai(Live)
8. Merazoma(Live)
9. Greatful Dead~Armoire Et Persil(Live)
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