Michal Urbaniakの傑作「FusionⅢ」を入手
Musician●Michal Urbaniak(violin,violin-syn)
Title●FusionⅢ(1975年)
■Amazonより購入
ポーランド出身のジャズヴァイリン奏者Michal Urbaniak(ミハウ・ウルバニャク)が1975年にリリースしたジャズロックの傑作です。「Fusion」名義では3作目になります。Wlodek Gulgowski(keyboards)は不動ですが、リズム隊などはメンバーを一新し、初めてアメリカのミュージシャンと共演しています。Urszula Dudziak(vocal,percussions,synthesizers)、John Abercrombie(guitar)、Wlodek Gulgowski(piano,synthesizers,organ)、Anthony Jackson(bass)、Steve Gadd(drums)、Larry Coryell(guitar)、Joe Caro(guitar)、Gerald Brown(drums)、Bernard Kafka(vocal)という豪華メンバーです。Anthony JacksonとSteve Gaddを確保し、ギターに当時の売れっ子John AbercrombieとLarry Coryellの2人を配しているあたりに不退転の決意が感じられますね。この盤はAbercrombie目当てでアナログ盤を所有していましたが、最近になってCD化されていたことに気がつきました。いい世の中になったものです。
サウンドはというとこれまた典型的な70年代型ジャズロックなのですが、たぶんにマハヴィシュヌ・オーケストラを意識しているように思えます。ただ時折Urszula Dudziakによるファルセットヴォイスが効果的に使われるあたりが非常に特徴的で独自の雰囲気を醸し出しています。とにかく全曲ともド迫力のサウンドには圧倒されます。
お目当ての2人ギタリストですが、John Abercrombieはほぼ全曲に参加しています。時期的にすでにECM所属だったはずですが、ディストーションが激しくかかったロックタッチのギターに圧倒されます。強力リズム隊も圧巻ですね。ECMの「縛り」でなかなかできないことを、ゲスト参加を口実にやりたい放題という感じです。もう1人のギタリストLarry Coryellは#6「Bloody Kishka」1曲のみに参加しています。Coryell自身はイレヴンス・ハウスの頃でしょうか。これまた強烈にディストーションがきいた凄まじい早弾きを披露しています。Larry Coryell自身の意識のなかにもMcLaughlinの存在があったはずで、いつも以上の張り切りようです。気合いが入りまくったギターソロはCoryellファンならずとも必聴です。
ちなみに、Urszula Dudziakのリーダー作でAbercrombieやMarcus Millerらが参加した「Future Talk」も待望のCD化のようで、これまた購入しないといけませんね。
●Musicians
Michal Urbaniak / ioln,violn-synthesizer
Urszula Dudziak / vocal,percussions,synthesizers
John Abercrombie / guitar
Wlodek Gulgowski / el-piano,synthesizers,organ
Anthony Jackson / bass
Steve Gadd / drums
Larry Coryell / guitar on Bloody Kishka
Joe Caro / guitar on
Gerald Brown / drums
Bernard Kafka / vocal on Stretch
●Numbers
1. Chinatown
2. Kuyaviak Goes Funky
3. Roksana
4. Crazy Kid
5. Prehistoric Bird
6. Bloody Kishka
7. Cameo
8. Stretch
9. Metroliner
10. Chinatown (Part II)
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