北欧のコルトレーン、Jan Garbarekの2nd「Esoteric Circle」
Musician●Jan Garbarek(sax)
Title●Esoteric Circle(1969年)
■Amazonより購入
ECMの大看板で「北欧のコルトレーン」の異名をもつJan Garbarek(ヤン・ガルバレク)による2枚目のリーダー作です。1969年10月、オスロにて録音。参加メンバーはTerje Rypdal(guitar)、Arild Anderson(bass)、Jon Christensen(drums)という面子です。いうまでもなく全員が後にECM所属になったわけですが、この音源はECM発足前のものです。プロデューサーはジョージ・ラッセルが担当。ジャケット表には「George Russell presents」と大きく印字されていますね。60年代から70年代にかけて多くのジャズアルバムを送り出した「フライング・ダッチマン」からリリースされています。
ECMに籍を置いてからのGarbarekの活躍ぶりに関してはいまさら言及するまでもありません。しかしながら、この盤ではECM特有の叙情性あふれる独特の透明感とはほぼ真逆のサウンドで占められています。Garbarekは後期コルトレーンさながらの野性味あふれる強烈なブロウで叫び続けます。バックを支えるArild AndersonとJon Christensenが刻むリズムはまさに60年代後半から70年代初頭にかけてのジャズロックそのもの。そこにTerje Rypdalの当時から巧いのか下手なのか判然としないスペイシーなギターが絡んできます。作品の完成度に関しては、やや疑問を感じざるを得ませんが、野性味あふれるジャズロックという意味ではなかなかです。
この盤は長らく廃盤状態で入手は困難を極めましたが、ここにきて待望のCD化です。ECMが持つ叙情性を期待して聴くと結構な火傷を負う可能性が大ですが、70年代ジャズロック好きの人にとっては結構ツボにはまりそうです。
●Musicians
Jan Garbarek / sax
Terje Rypdal / guitar
Arild Anderson / bass
Jon Christensen / drums
●Numbers
1. Traneflight
2. Rabalder
3. Esoteric Circle
4. Vips
5. SAS 644
6. Nefertiti
7. Gee
8. Karin's Mode
9. Breeze Ending
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コメント
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Jan Garbarek(ヤン・ガルバレク)の初リーダー作は、1967年の"TIL VIGDIS"ですね。
以下、DISCOGSのURLです。(左端に h を補足してください)
ttp://www.discogs.com/Jan-Garbarek-Trio-Quartet-Til-Vigdis/release/4339353
投稿: bro_002 | 2013年5月16日 (木) 16時13分
bro_002さま
コメントありがとうございます。
ご指摘ありがとうございます。トンだ早とちりでした。
修正いたします。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2013年5月19日 (日) 14時55分
わざわざ訂正して頂き、恐縮しております。
確かにDUやHMVなどのショップの説明文で「ガルバレクの実質的なファースト・アルバム」という文言が掲載されており、ガルバレクの初リーダー作と間違って捉えられる微妙なニュアンスですよね。
おそらく、このカルテットとしてのファースト作 (2作目はECM1007) と言いたかったのでしょう。
話が変わりますが、TIL VIGDISを手軽に聴けるようにCD-Rにしてありますので、もし宜しければ無償でお送り致します。ご希望でしたら私のメアドまで、ご連絡頂ければ幸いです。
投稿: bro_002 | 2013年6月 1日 (土) 15時22分
bro_002さま
コメントありがとうございます。
こちらこそ大変恐縮です。
自分の不明ぶりに反省です(笑)
本日、メールを送信いたしました。
ご覧いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2013年6月 2日 (日) 13時38分