唯一無二、和風プログ風デスメタル「五人一首」の2nd「内視鏡世界」
Musician●五人一首
Title●内視鏡世界(2005年)
■Amazonより購入
カルト的人気を誇るプログレッシヴ系デスメタルバンド「五人一首」(ごにんいっしゅ)に2nd「内視鏡世界」です。2005年リリース。1st「五人一首」からして尋常とは思えない怪奇的な音空間を築き上げた彼らですが、メンバーチェンジのうえにさらにパワーアップしてきました。いわばDream Theaterのような変拍子を多用したプログレ的な音楽に、デスメタルの凶暴性を足したうえに和風テイストをブレンドした音楽が彼らの持ち味ですが、この2ndでは
デスの要素がやや減退し、プログレ的な要素が増したように思えます。紅一点フロントガール(?)である松岡あの字(松岡明子)は相変わらずデス声とクリーンヴォイスを巧みに使い分けることで独自の世界を構築していますが、ここではクリーンヴォイスに加えて普通の歌声(?)を新たに加えることで、さらに世界が広がったように思えます。
楽曲の完成度、怪奇さはもとより、各メンバーのテクニックも申し分なく、2ndにしてある意味で完成されたように思えますが、得体の知れない衝撃が伝わってきた1stとの比較では面白味に欠けるのも事実です。こうしたキワモノを売りにするバンドの宿命かもしれませんが、猛毒も何度か打たれることで耐性みたいなものができてしまい、2番が効きにくいということなのかもしれません。ここら辺が唯一無二の存在「五人一首」が寡作である理由の一つとも言えそうです。
●Musicians
松岡あの字 / vocal,guitar
有我高野山 / bass
百田真史 / piano,synthesizers
高橋史男 / guitar
原島淳一 / drums
●Numbers
1. 常闇回廊
2. ナレノハテ
3. 斜眼の塔
4. 人媒花
5. 無礙の人
6. 赫い記憶
« 豪州出身のテクニカル系ギタリストChris Brooksの1st「The Master Plan」 | トップページ | ビルフリが参加。Michael Shrieve「Fascination」 »
「メタル」カテゴリの記事
- Anneke Van Giersbergen / Everthing Is Changing(2011年)(2016.09.03)
- Meshuggah / Contradictions Collapse-Reloaded(1991年)(2016.07.09)
- Electrocution250 / Electric Cartoon Music From Hell(2001年)(2016.06.26)
- Nile / At The Gate Of Sethu(2012年)(2016.06.11)
- Behemoth / The Satanist(2014年)(2016.05.04)
« 豪州出身のテクニカル系ギタリストChris Brooksの1st「The Master Plan」 | トップページ | ビルフリが参加。Michael Shrieve「Fascination」 »
コメント